伊達「犯人は、山根社長を殺害した犯人は、そう、いうまでもなく山根社長自身です。」
山根佳子「ええっ!?」
西山「そんな・・・ばかな・・・」
山根美歩「パパ・・・・・グスン。」
伊達「山根社長の書斎から見つかった紙が示す『MONEY』と『SUICIDE』こそが山根社長の残した遺書なんですよ。」
飯山「どういうことなの?」
伊達「実は山根社長の会社はここ数年で経営が傾き、かなりの負債を抱えているんですよ。役員のみなさんはご存じですよね?」
西山「それは・・・そうだが。」
伊達「山根社長そのことをとても悩んでいた。そうしたストレスから社員にあたってしまうこともあった。みなさんも思い当たる節があるのではないですか?」
山田中「確かに・・・・。」
飯山「はい・・・・。」
西山「ふむ・・・・。」
伊達「山根社長は悩みに悩んだ結果、逃げることにしたんだと思います。会社から、社員から、家族から、人生からも・・・・」
山田中「ふざけるな!逃げてんじゃねえよ!最後まで責任もって会社を経営しろよ!どうして逃げるんだよ!」
山田中が胸の内を叫ぶ。それに続いてほかのみんなも想いを言葉にする。
山根美歩「パパは私にはとてもやさしかった。もう会えないなんて嫌!」
飯山「社長は厳しかったけど、とても良い人だった。自ら命を絶つなんて・・・」
西山「彼の持つ技術は素晴らしい。かなうならば社長として経営をするのではなくもう一度技術者として働いてほしかった。」
伊達「みなさん、それぞれ思うところはあると思いますが、もうこれ以上、山根社長を責めるのはやめましょう。僕も社長が亡くなったことはとてもつらいです。しかし、山根社長も悩みに悩んでしたことだと思います。僕が最初に遺体を見た時、床が濡れてた跡があったんです。はじめは窓から入った雪が溶けたんだろうと思っていたんですが、きっとあれは山根社長が流した涙の跡だったんです。どうしようもなく辛くて泣きながら死んでいった人を、これ以上責めるのは、やめましょう。」
俺は目に浮かぶ涙を拭きながらそう伝えたのだった。
END
その日はみんな館に泊まった。
次の日になると、昨日の大雪が嘘のようにやんでいた。
そして、お昼を過ぎた頃に、警察が到着した。
山根社長は遺書のこともあり、自殺として処理された。
夕方、俺は山田中さんの車に乗せてもらい、一番近い駅まで送ってもらった。
別れ際山田中さんが俺に疑問点を尋ねてきた。
山田中「そういえばなんですけど」
伊達「どうしました?」
山田中「どうして最初に山根社長の遺体を見た時に『これは殺人だ!』なんて言ったんですか?」
伊達「あぁ・・・・」
俺は持っていたナイフで山田中の首を切り裂いた。
山田中「ッ!!!!」
伊達「また一つ死体ができちまった。」
BAD END
