全てにおいて「理由」が必要だと思った。

私は人生経験も少ないし、語彙力、言葉数も少ない。

風邪なんか引いてなかった。頭もお腹も痛くない。だるくもない。

《何となく》嫌だった。嫌になった。全てが。

でもその何となくが理由になるとは思わないし、甘えだろって言われると思ってた。

それでも《何となく》自傷行為してた。

そう。本当に。何となく。

あの人は休めていいなぁーって。

あの人は。あの人は。あの人は。



精神科



そうだよねぇーって思いながら診断名を聞く。

内心嬉しかった。これで自分も休めるって。

休んでもいい理由ができたって。

心が踊るように嬉しかった。

それなのに、帰り道は涙が溢れて仕方なかった。

1歩1歩歩きながら、これは「嬉し涙」なんだって言い聞かせてた。

家に帰ってドアをしてた途端溢れた言葉は「なんで。」。

これでやっと私だって休めることを証明できたじゃないか。やれなくてもしょうがないよね、って言われる理由ができたじゃないか。

それなのに。それなのになんで。なんで。なんで。

なんで私が?なんでこんな私が?

先生、違うよね?違うって言ってよ。そう言って欲しかったよ。「貴方のは甘えなんだよ。逃げなんだよ。」そう言って欲しかった。

今まで通り、皆みたいに、そうやって言ってよ。

悔しかった。悲しかった。同時にムカついた。

なんで。どうして。

違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。


その夜は何を食べたか、いつお風呂に入ったのか、いつ寝たのかなんて覚えていない。


よし、大丈夫だよ。今日も私は仕事へ向かう。