昔の話。
よく空を見てた。見上げてた。
空を見るとさ、なんか時間の流れを感じる事ができる気がするんだよね。
もしもこの空に果てがないのなら、私の知らない何処かにも同じ空があるのかな、って。
反対に、自分が見てる空とは真反対の空が存在してしまうのかな、なんて。
妄想癖、なんて言葉がお似合いかな。
たまにね、考えるの。
今ここで目を閉じて、そっと開けたらさっきまで見てた世界とは違う世界があるんじゃないかな、って。
私の視界に映る人々から発せられるここのオーラが、なんか見える気がするんだよね。
私ね、人の目を見て話をするのが苦手なの。
だって、
口ではなんとでも嘘が言えて、
耳では偽りの情報が入ってくる。
けれど、目は真実しか移さないから。
誰かの目を見て話すのが怖いの。
まるでブラックホールみたいなんだもの。
だけどね、遠くを歩く人やすれ違う人の目は、たまに見るの。
【生きてるのにまるで死んでいるみたい】
心臓が動いてるだけが、生きるってことじゃないんだってこと。
自分と同じ色のヒトをたまに探す。
耳にたこができる程言われたよ。
「辛いのはお前だけじゃない。みんな同じだ。お前と一緒の気持ちや悩みを抱えてる人は沢山いる。」etc…って。
もしそれが本当ならば、類は友を呼ぶじゃないけれど、私は私と同じオーラの人を見つけられるはず。
いつからだっけな。
空を見上げなくなったの。
“綺麗”だと思わなくなってしまったの。
思えなくなってしまったの。
それ程に私の心は今も尚醜いの。荒んでるの。