隠すべきだと思ってた。

隠して生きて行かなければいけないと思ってた。


白く跡の残った傷。

決して平らとは言えない腕。

見られるべきではない、知られるべきではないと思ってた。

すり減ったこの傷跡はもう、埋まることはないのだから。


冷えきった体温は温まることを知らない。


暖かくなることなんて、知らない……

知らないはずだった。


       (いつかの投稿に続く)