①からのつづき

 

「ニーベルングの指環」 の動画、YouTubeを探せば、結構出てくるのかもしれないが、私が発見したのは、オランダ国立歌劇場のものである。

2週間限定の配信ということであった。

これだったら、無料で指環の全作品が観られるのである。

しかし・・・無料だとわかっていても、ためらいがあった。

なんといっても、15時間である。

1番短い 「ラインの黄金」 でも2時間40分、「神々の黄昏」 にいたっては4時間30分である。

大丈夫だろうか?

そこまで、根性持つだろうか?

そして、ストーリーというか、世界観の複雑さ。

一応、事前予習として、あらすじくらいは読もうと思ったのだが、登場人物 (いや、正確にいうと、人間だけではない) もたくさん出てくるし、世代も3代に渡るし、3代と言っても、単純ではないのでなくて、予習段階でお手上げである。

もう一つの不安要素はドイツ語だということ。

イタリア語だったら、少しくらいはわかる単語もあるので、対訳のどの辺というのがわかるのだが、ドイツ語って全くわからない。

対訳見ながらでもついていけるのかどうか・・・

などなど、考えだしたら大変だ。

・・・・・考えないことにした。

このチャンスを逃したら、一生 「ニーベルングの指環」 を見る機会はないかもしれない。

音楽を楽しむのだ!

ワーグナーの重厚な音楽に浸ればいいのだ!

ということで、オランダ国立歌劇場の 「ニーベルングの指環」 観ることにした。

 

物語は、神々の住む天上世界、人間界、ニーベルング族 (小人) が住む地下世界 (ニーベルハイム)があり、そして、どこに住んでいるかは明らかにされていないが、巨人族というのもいるし、ライン川の水底の黄金を守っているラインの娘たちというのは、人魚の可能性も高い。

ヴォータンという神々の一番偉い神様 (男) がストーリーの大元だが、彼は神様だといって、決して善ではない。

「俺様」 なやつで、とにかく周辺の迷惑をかえりみず、勝手なことをしているのだ。

女癖も悪く、種族を問わず色んなところで子供を作っている。

ちなみに、彼は片目である (イメージ、伊達政宗)

この政宗ヴォータンが人間の女との間に双子の兄妹を設ける。

訳あって、この双子は別々に育つのだが、後に愛し合うようになり、ジークフリートという息子が生まれる。

・・・・・・・・・・・・大丈夫か、この話?

この時代 (中世?古代?神代?) はコレはありだったのか?

それとも、半分神様だし、神様だったら、ありなのか?

など、色々考えるが、政宗ヴォータンの正妻のフリッカ (結婚を司る神) が

「兄妹で愛し合うなんて、ありえないわよ!結婚の神のあたしは許さないわ!」

と、政宗ヴォータンとの夫婦喧嘩で言っているので、やっぱり、禁忌なのである。

ちなみに、政宗ヴォータンとフリッカはいつも夫婦喧嘩をしている。

まあ、旦那が色んなところで子供こさえてれば、正妻もヒステリックになるよなあ。

ともあれ、政宗ヴォータンの孫にあたるのが、3作以降の主要キャラ、ジークフリートである。

で、このジークフリートは王子様のイメージが強いが、こいつも爺さん並みに 「俺様」 なやつで、育ての親のミーメ (ニーベルング族) を殺しちゃうし、若気のいたりというには、あまりにも思慮が単純、どうにも感情移入をしにくいやつなのだった。

ヒロインのブリュンヒルデは、政宗ヴォータンが智の女神エルダとの間に設けた娘たち (ワルキューレ、9人いる) の長姉だが、ヴォータンの怒りを買い (言いがかりだと思うが)、神性を奪われ眠らされる。

このブリュンヒルデの眠りを解くのがジークフリートで、こういうお話のお約束どおり、二人は愛し合う。

しかし、二人は甥、伯母の関係である。

伯母であるブリュンヒルデは、

「私は、あなたのお母さんがあなたを妊娠中の時に助けてあげたのよ、だから今あなたがいるのよ」

なんて言う。

こういうことを言われて、ジークフリートはビビんないんだろうか、とも思うが、単純思考のジークフリートは何も感じないらしい。

やがて、ジークフリートはブリュンヒルデを残して旅に出て、単純馬鹿なので、記憶をなくす薬を飲まされ、最愛のブリュンヒルデのことも忘れさって、別の女グートルーネと仮の結婚までする。

怒り狂うブリュンヒルデ、そしてそれを利用して指環 (ラインの黄金で作られていて世界を支配できる) を奪おうとするハーゲンによって、ジークフリートは殺されてしまう。

最終的に指環はブリュンヒルデの手に渡り、ブリュンヒルデはそれをラインの娘たちに返す。

そして、人間界のライン川は氾濫、神々の世界ヴァルハラは炎上崩壊。

神々は黄昏てしまう・・・

 

私流の 「ニーベルングの指環」 のあらすじだが、これらは、映像見ながら、出てくるキャラをメモして、組み立てていったものである。

「ミーメ、尻尾がある、ニーベルング族」

「グンター、人間、白い服」

みたいな感じのメモである。

これに、それぞれのキャラを矢印で紐付けて、兄弟とか、なんとか、色々色々。

その甲斐あってか、人物 (人だけではないが) の関係もわかり、ストーリーも理解できたのであった。

予習しても、全然覚えられなかったのにねえ。

 

オペラ鑑賞の感想までは、とても到達できなかった・・・

 

つづく

 

追:今気づいたのだが、「ニーベルングの指輪」 ではなくて、 「ニーベルングの指環」 が正しい。

  うわー!40年以上間違えていたのかああ~~

  一応、ブログ内を訂正した、はず。