前回、「アスペルガー症候群」とはどのようなものであるかということを説明しました。改めてですが、以下のような特徴があります。

アスペルガー症候群の特徴

(1)相互的な社会関係とコミュニケーションをもちにくい
(2)関心と活動が限局し常同的 (Yahoo! Japan! ヘルスケアより)

その中でも、私の生徒は「文字を文字通りの意味としてしか捉えられない」といった言語能力の問題があるということもいいました。

そんな生徒ですから、正直「1を言って10が分かる」ということはありません。そんな生徒に対して、どのように指導を行っているのかということをお話ししたいと思います。

結論から言うと、「1を言って10を分からないのならば、10を、ないしはそれ以上言って10を分からせるしかない」ということです。そして、「自分は10くらい勉強(気配り)しないと10を理解できないのだ」ということを生徒にしっかりと理解させるようにしています。否定的な意味でなく。

例えば、「当局・権威・権限」という意味を表すauthorityという単語を覚えるときに、私ならば以下のような方法でやります。(語源的に正しいかは別として)

authority...「力」をもっている
▷① 「当局」(政治的な力)
▷② 「権威」(力のある人)
▷③ 「権限」(力そのもの)

つまり、「訳語に共通する項を取り出して、それを中心に覚える」ということをやります。

いいんです、こんなことできなくて!!!!!それならば、3つの訳語を覚えればいいだけの話です。ただ、「自分はこういったことが苦手だから、人よりも遠回りして覚えるしかない」ということだけを常に頭においておけばいいのです。

(道は色々ある)

基本的に、自分のような要領のいいやり方の方が推奨されると思います。しかしながら、できない生徒もいる。そのことを周りが理解して、(いい意味で)「遠回りをさせる」ことが重要です。

「アスペルガー症候群」と勉強② 〜1を言って10を分かるのか〜