マヤ暦を教えてくれた方が、『貴女に』とプレゼントしてくださった吉野弘さんの本の中に、祝婚歌というのがありました。

これを時々ノートに書き写しています。


自分はできていないのに、できていない自分を棚に上げ、人を非難していないかな?


正論であっても、それが人を傷付けていることがあるかもしれないよ。


と、
自分に言い聞かせてくれる詩です。
これも、心の助けになっています。


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【祝婚歌】
吉野弘

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派過ぎないほうがいい

立派過ぎることは

長持ちしないことだと

気づいているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい


完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうち どちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

相手を傷つけやすいものだと

気づいているほうがいい

立派でありたいとか

正しくありたいとかいう

無理な緊張には色目を使わず

ゆったりゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そしてなぜ 胸が熱くなるのか

黙っていてもふたりには

わかるのであってほしい


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