身の回りで起きている天災と思われる事故が、実は「酸性雨」の影響で引き起こされているのではないかと思われるものをいくつか取りあげてみます。

　酸性雨とは、化石燃料を燃やすことにより発生する、二酸化硫黄（SO₂）や窒素酸化物（NOx）などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、酸性雨・酸性雪・酸性霧（以下酸性雨よいう）となり、通常より強い酸性を示す現象です。酸性雨は、河川や湖沼、土壌を酸性化して生態系に悪影響を与えるほか、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして建造物や文化財に被害を与えます。

(以下、上毛新聞から転載）

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１、倒木で車７台下敷き、けが人なし　群馬大キャンパス　2021/7/12 21:30

　2021年７月１２日午後３時２０分ごろ、前橋市昭和町の群馬大昭和キャンパス内で「木が倒れている」と１１９番通報があった。大学によると、倒れたのは高さ十数メートルの杉の木で、職員用駐車場にあった車７台が下敷きになった。けが人は確認されていない。倒れたのは午後２時半ごろで、雨や風が激しく吹いていたという。

２．前橋市内で強風の影響の倒木、車２台巻き込まれるが無事　　2022年9月21日

　2023年1月24日、上毛新聞は「国道50号沿いのケヤキが倒れ、車2台を直撃　群馬・前橋市」で以下を写真入りで掲載しました。

　24日午後4時20分ごろ、群馬県前橋市天川大島町の新東橋公園の国道50号沿いに植えられているケヤキ1本が倒れた。前橋東署や同市公園管理事務所などによると、倒木は強風の影響とみられ、車2台が巻き込まれたがけが人はいなかった。

　車が木の下敷きになった男性（54）＝玉村町＝は「止まっていたらバキバキと音がして倒れてきた。先端の細い枝部分だからまだ良かったが、太い部分が倒れてきてたらと思うとぞっとする」と動揺した様子だった。

３．軽自動車が倒木の下敷きに、群馬・伊勢崎市　2023年8月1日

　2023年７月31日夜、群馬県伊勢崎市三光町の酒店の敷地内で高さおよそ20メートルのエノキが倒れた。駐車場として使っている場所で、軽乗用車1台が下敷きになった。同店代表の男性（67）によると、エノキは樹齢300年。31日午後6時15分ごろにエノキが倒れていることに気付いたといい、男性は「本当に驚いた。根はしっかりとしているので、倒れたのはダウンバーストの影響ではないか」と話した。

（NHKは群馬ＮＥＷＳＷＥＢで下記のごとく報道しました）

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４、突風で群馬県でも倒木や住宅被害相次ぐ　07月12日　18時19分

館林市の根岸恭子係長は「木の被害を確認したところ風の影響で折れたことが確認された。ただ、人的被害がなくてよかった」と話していました。また、館林市当郷町の住宅ではおよそ５０枚の屋根瓦が飛ばされるなどの被害がありました。県の館林土木事務所や自治体によりますと、群馬県東部ではこのほか、大泉町や板倉町、それに邑楽町で倒木などの被害の情報があり、自治体などが被害の全体状況の確認を進めています。

５．（岐阜県での倒木）瑞浪の倒れた大杉、根元から一部保存へ

朝日新聞デジタル
岐阜）瑞浪の倒れた大杉、根元から一部保存へ　2020年8月15日 11時00分

写真・図版 — 根元から倒れた神明神社の大杉=2020年7月12日、岐阜県瑞浪市大湫町、戸村登撮影

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　7月に大雨の影響で倒れた瑞浪市大湫町の樹齢約1300年の大杉について、倒れた場所で一部を保存する方針が固まった。技術的に可能な限り、根元から数メートル程度を残すという。地元住民らでつくる「神明大杉再生検討会議」が13日夜、多数決で決めた。

　高さ約40メートルの大杉の倒木の復旧作業には多額の費用が見込まれ、クラウドファンディングを活用する方針も決定。今後、瑞浪市などの行政にも、支援を働き掛けていくという。

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倒木の原因について、樹木に対する専門家である森林総合研究所の見解は！　　

　森林総合研究所が2021.9.27にプレスリリースによれば、岐阜県端浪市大湫町（おおくてちょう）の大杉の倒木は、根系の発達制限が原因だった」と報じた。この記事によれば、

写真1. 令和2年7月豪雨中に岐阜大湫町で倒木化した樹齢670年の神明大杉。

写真2. 杉の根と土壌が一体化した根鉢。根鉢は、横最大9.1m、縦最大6.6m、厚さ最大2.3mあり、中心部に腐朽が進んでいた。

図1. レーザースキャナでデジタル化された倒木化後の大杉（幹地上部は倒木化後に切断済）。スギの過去の知見と比較すると、推定された大杉の根系体積は小さいことが明らかにされた。デジタル化された大杉の画像は永続的に保存でき、再度閲覧したり解析したりできる点で有用である。

写真3. 倒木化した大杉の根の切断面と一致した土壌に残存した根の切断面（点線内）。拝殿下の土壌には切断された太い根が22本残存していた。縦直径58cmの1本の根で点線内のように根系側と土壌側の同じ切断面が確認された。その直線距離は427cmだった。

　国立大学東海国立大学機構・名古屋大学大学院環境学　研究科の平野恭弘准教授、大学院生命農学研究科の谷川東子らの研究グループは国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所の南光一樹主任研究員との共同研究で、岐阜県端浪市大湫町における樹齢670年の神明大杉の倒木化は、根系の発達制限や腐朽などにより、幹などの地上部と根系の地下部とのバランスが崩れたことに要因があることを明らかにした。

　令和2年7月豪雨の中、岐阜大湫町のシンボルである神明大杉が倒木しました。この要因は、豪雨による影響が倒木時から指摘されてきました。本研究では、レーザースキャナなどを用いて倒木化した大杉がの根系状況を評価することで、土壌と根系の一体化した根鉢が小さいこと、長期にわたる根の普及や豪雨期間の気象状況により、根系の支持力が低下し、大杉の地上部と地下部のバランスが崩れたことが、倒木化の要因であることを明らかにした。

　本研究は、社寺林の巨木や森林で大径木化した樹木について、葉や幹など地上部の衰退状況だけでなく、根系など地下部の視点からも管理の必要性があることを示しています。本研究の結果は、今後、気候変動下で予想される豪雨や強風などに対する樹木の倒木化を防ぐ管理指針の作成にも貢献が期待されます。（以下略）

成果の意義

　本研究は、豪雨のみが今回の大杉倒木化の要因ではなく、それ以前からの大杉の生育状況、特に根系の発達状況が主な要因であることを示しています。巨木や大径木の倒木化要因を解明する学術調査は、災害直後の規制、地域住民の方の環境や感情に配慮する必要があるため、これまであまり進んでいないのが現状です。本研究では、岐阜大湫町の協力の下、倒木化直後の被害程度を詳細に調査することができました。これらの知見は、豪雨や強風など局所的気象において倒木被害を防ぐ減災の観点から、巨木や大径木について枝葉など地上部の衰退状況だけでなく、根系生育状況の評価の必要性など新たな管理指針の作成に役立つことが期待されます。

花咲爺さんのコメント

　マツも杉も銀杏等の裸子植物は、はるか大昔のペルム紀（2億5千万年前）に維管束を以って、陸上に誕生したものである。維管束をもつ植物は生活に必要な水を上部に運ぶ木部と共に、光合成で生産した生産物を下部に運ぶ師部の両方の機能を有している。

　この結果、陸上の乾燥に耐えられる表皮や、重力に抗して植物体を支える厚い細胞壁を発達させ、背丈を高くすることができるようになった。ペルム紀は陸化が進み、乾燥気候のところが増えたが、そのような環境に適応して、乾燥に強い種子を持つ、マツ、スギ、イチョウ等の裸子植物が出現したと言われている。「参考：藤森隆郎著『森林生態学』」

倒木の写真・記事からの検証

１．林野庁、その付属機関である森林総合研究所、各県の林業事務所、森林組合、都道府県の林業に関係する組織等の皆さんは何故、土壌の役割を完全に無視し続けるのか。地球上で土壌が発達したことで、植物は陸地に定着できるようになったのではないでしょうか。土壌は地球を構成する岩石と日光と岩からの養分で生きる動植物との橋渡しをしているはずです。

２．地上の樹体を支えるのは土（土壌）中の健全な根系である。この土壌中の根の内部に侵入して植物と共生（相利共生）して生育するのが土壌微生物である。この共生する微生物が何らかの原因（酸性雨等）で土壌が酸性化し、土壌微生物が死滅すれば、生育に好ましい団粒構造が崩れ、通気性の悪い土になり、樹体を支える根系に根腐れが発生して枯死してしまいます。

３．根系に根腐れが発生すれば、重い樹体を支えられなくなり、強風等に耐えられなくなり、倒木が発生し人命等を危機に陥れる大きな要因になっているのです。

４．国の機関である、環境省、林野庁は日本では酸性雨の影響は具現化していないと環境白書で述べています。しかし、マツが枯れ、ナラが枯れ、サクラが枯れ、マテバシイが枯れているのに「虫因説」を改めることなく、有効な対策を打てずにいるのは　何故なのか。これ以上樹木を枯損させ、倒木を発生させている原因を真摯に検討すべきと考えます。日本国土から森林の樹木を失えば山崩れ、がけ崩れで、水害で日本は災害列島になることが予想されます。

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このブログをお読みになって、自宅のや周囲の樹の根腐れや、自宅の植木の状態が心配な方はコメント欄で質問をお受けしています。樹の復活が間に合う状態と　手遅れの場合も想定されますので気になる方はお早目にどうぞご連絡ください。

群馬県内の倒木の今年の情報

倒木、原因は酸性雨で根腐れ

酸性雨とは

酸性雨の影響とおもわれる事