伊藤邦雄氏 著作 『企業価値経営(Corporate Value Management)』)を読んで、なんとかこれからのコンサルティングに活かせないかと・・・感想文的なものとお読みくだされば幸いです。
そのうえで、
経営者の資質とは、
企業文化と戦略とは、
ROIC・事業ポートフォリオとは、
右腕参謀とは、
…以上ような視点で断続的ですが、投稿できればと2026年を見据えて考えた次第です。
では、2026年直前の投稿、以下の通りです。
なぜ今、あらためて「企業価値経営」なのか
―― 利益が出ているのに、なぜ企業は評価されないのか
「売上も利益も出ている。
社員も頑張っている。
それなのに、なぜ会社の評価は上がらないのか。」
これは、私がこれまで数多くの経営者から繰り返し聞いてきた言葉です。
そしてこの問いこそが、この書籍「企業価値経営」を読み始めたキッカケでもあります。
伊藤邦雄氏の著書『企業価値経営(Corporate Value Management)』は、
この問いに対して、極めて体系的かつ実務的な答えを提示しています。
利益経営の限界は、すでに露呈している
日本企業は長らく「利益を出すこと」「売上を伸ばすこと」を経営の中心に据えてきました。
もちろん、それ自体が間違いだったわけではないのですが。
しかし現実には、グロース市場はじめスタンダード市場、プライム市場の一部の企業にも
- 黒字なのに株価は低迷する
- 内部留保は厚いのに、投資家は評価しない
- 現場は忙しいのに、将来への期待が語れない
こうした企業が数多く存在します。
もちろんIR戦略も大きな要因ですが、
伊藤氏はこの状況を、「利益は結果であって、価値そのものではない」と明確に切り分けているのです。
企業価値とは、将来にわたってどれだけ価値を生み続けられるかという期待の総和ということなのです。
企業価値とは「会計 × 財務 × 経営」の交差点にある
この書の大きな特徴は、企業価値を次の3つの視点から統合的に捉えている点にありました。
- Accounting(会計):過去と現在の成果
- Finance(財務):資本コストと投資家の視点
- Management(経営):戦略・組織・意思決定
この3つは、どれか一つ欠けても成立しません。
会計だけでは未来が語れず、財務だけでは現場が動かず、経営だけでは評価されない。
企業価値経営とは、この三位一体を「意思決定の軸」として経営を組み立て直すことだと伊藤氏は説いています。
ROE8%論争が示した、本質的な課題
2014年に公表された、いわゆる「伊藤レポート」は、
ROE8%という数値だけが独り歩きした側面もありました。
しかし本質は、
「なぜその事業に投資するのか」
「なぜその戦略が企業価値を高めるのか」
を、経営者自身の言葉で説明できるかという点にあります。
ROEやROICは目的ではなく、結果です。
重要なのは、その数字に至る意思決定のストーリーなのです。
私見ですが、ここに経営トップの資質が大きくかかわってきます。
企業価値経営は「投資家のため」だけではない
誤解されがちですが、企業価値経営は決して「投資家迎合」の経営ではありません。
むしろ、
- どの事業を伸ばすのか
- どの事業から撤退するのか
- 人・資本・時間をどこに配分するのか
こうした経営者にとって最も重たい判断を、
感覚や経験だけでなく、共通言語で行うための経営思想です。
社員にとっても、
「なぜこの戦略なのか」
「なぜ今、変わらなければならないのか」
が理解できるようになります。
ここに経営トップの視点の重要性を感じますね。