とても遠くへ旅行に行ってきた。
高速道路を片道400キロ、一日中オートバイで走り続けることになる。
僕が今乗っているオートバイは、軽快さや扱いやすさに主眼を置いたもの
なので、高速道路を長時間走るのにはあまり向いていない。
それでも大型なので、100キロ程度なら問題ないはずなんだが
突然怖くなった。風で吹き飛ばされてしまいそうだ。
でも、実際は横風なんて吹いていない、吹き流しは垂れたままで、
道路の周囲の木々も、揺れてなんかない。
怖さはどんどん増幅して、速度を出すことができない。躰から
突然異臭がする。ふきっ晒しの高速で匂うはずなんてないから
これはストレスによる擬臭だ。
周囲の車が怖い、風が怖い、音が怖い。
僕の横を女性の乗った中型のオートバイが普通に抜いていく。
軽トラックが抜いていく。けど怖い、きっとこける、そして死ぬ。
恐怖に喰われて転倒する。
ああ、意気地なしになっちゃったなあ・・・