入ってきた当初は下駄バイクだし錆びたままでもいいかなぁなんて考えていたけど、いざ全部バラしてみるといろいろ気に入らなくなって、黒い部品はすべて上塗りしてしまいました。特にバッテリー収納部分の酸による腐食が酷かったです。残留しているとまた腐食するので、塗装前に高圧洗浄機とアルカリ性の洗剤で入念に洗いました。
バイクらしい形になってきました。
入ってきた当初は下駄バイクだし錆びたままでもいいかなぁなんて考えていたけど、いざ全部バラしてみるといろいろ気に入らなくなって、黒い部品はすべて上塗りしてしまいました。特にバッテリー収納部分の酸による腐食が酷かったです。残留しているとまた腐食するので、塗装前に高圧洗浄機とアルカリ性の洗剤で入念に洗いました。
バイクらしい形になってきました。
去年の10月くらいに点火時期を合わせて完成し、載せ替えました。4月に入手して洗浄、部品の手配、塗装をノロノロやって半年で仕上がったことになります。
手前が古くてくたびれたエンジン、奥が浸水&腐食から復活したエンジンです。
近所を走って大丈夫そうだったので、毎月1000kmほどの通勤に使っています。
くたびれたエンジンの方はいかにも首が振れている感じで、ベアリングも怪しい状態でしたが、復活エンジンは2mm小さいピストンにもかかわらずパワフルで動きもスムースです。良く回るフライホイールの回転を感じながらクラッチを繋げるのが楽しく気持ち良いです。
降ろしたエンジンは復活エンジンに元気がなくなったタイミングでO/Hしようと思いますが、このペースだと2年くらいでしょうか。朝っぱらからやかましいXSやAT1を出動させるのは気が引けるので、早期にH3Cを公道復帰させてローテーションに加えたいところです。
クランクケースが出来上がり、いよいよシリンダーです。
ポートのエッジ処理、掃気の分岐部分の処理、排気口を少し広げるなど小加工しました。いじりすぎても壊してしまうので、やりすぎ禁物。ヘッドの面はガラス板にサンドペーパーを貼り付けて処理しました。#240で歪みや腐食を取って#400で仕上げるという感じです。
ピストン、リング、ピン、ベアリング、シリンダーなどにオイルを馴染ませながら装着しました。
今回もイチネンケミカルズの耐熱黒で仕上げました。お気に入りです。
ボルト、ナットは頭が凹んでいるタイプです。1973年から数年間よく使われていたようです。
あとはジェネレーターを取り付けて点火時期を合わせれば完成なのですが…
ソースコイルとイグニッションコイルを繋ぐ線がむき出しになっています。クランクシャフトと擦れてキルスイッチが働いている状態。もしかしたらこれが原因で不動になって見捨てられ、長い間水浸しになったのかもしれません。電線を交換して取り回しも変えます。最後まで手が掛かるエンジンですね。
つづく
TY175の砂まみれクラッチはプライマリ ドリブンギアを分解清掃しないと使えないため、今回はTY175 クラッチ ボスと元々ついていたDT90 プライマリ ドリブンギアを組み合わせて使うことにしました。
TY175とDT90ではワッシャ、カラー、プライマリ ドリブンギアの厚さ/長さが違うため、寸法を計算してクラッチ ボスの座面の位置が元通りになるようにシムを入れました。デリケートな部分なので慎重に確認しました。安易に流用とかカスタムとかすると大変なことになりますからね…
クラッチ リリースのレバーは錆を落として、いつものように亜鉛メッキしました。
カバー装着。スクリュはクロームメッキの新品を奢ってやりました。
スクリュはパーツリスト通り用意したのですが、何箇所か長さが全然違っていました。現物の穴の深さを考慮しながら適当なものを選んで入れました。ヤマハめ。
墨入れ。古い墨は高圧洗浄機できれいに吹っ飛ばしました。筆などで粗く塗りつぶしてから、綿棒やキッチンペーパーにシンナーを含ませ、はみ出た塗料を拭き取って整えています。
つづく
クランクケースカバーを開けたとき、キック スプリングのストッパー(257-15668-00)は腐り果ててボロボロに崩壊していました。ヤマハでの販売も終了しています。海外にはあるみたいですが、わざわざ取り寄せるものでもない気がします。
いろいろ考えた結果、DT250D(1977)のストッパーが使えそうなので注文してみました。
1M1-15668-01
D: 8mm
L: 40mm
¥680
販売終了になったストッパーはほぼただの丸棒ですが、こちらはスプリングを引っ掛ける溝切りがされています。販売終了するけど良いのがあるからこっち使えよ、というヤマハからのメッセージを感じます。
セレーションが隠れるまで叩きました。13mmほど埋めたことになります。スプリングの収まりは良い感じです。クランクケース合わせ面からは20mmほど突き出ています。
クランクケースカバー側です。設計が工夫されていて、ただの丸棒からスプリングが外れないよう抜け止めが施されています。合わせ面からは21mmくらいでちょうど良さそうです。純正部品販売終了で最悪の場合は真鍮丸棒でも入れようかなと思いましたが、なんとかなりました。
シフトは左右2.5mmで良い感じです。
いよいよクラッチを組み込み仕上げに移ります。
DT90II 1G9のトランスミッションに合わせて、クラッチはTY175B(1975)のものを用意しましたが… 何か様子がおかしい…
ブラストされて痘痕ができています。ギアとバスケットの間の溝からはジャリジャリと細かいメディアが出てきました… 中のダンパーのところまで入り込んでいると考えるべきでしょう。こういう余計なことをする奴がいるんですよねぇ… 見た目ちょっと良くして売れやすくしようとする奴。それなら灯油にでも浸けてくれた方がまだ都合が良いのにね。見抜けなかった自分も間抜けなのですが、やはり腹が立ちます(笑)
つづく
内側も外側も汚く汚れていたDT90エンジン部品を高圧洗浄機で洗いました。
風を当てて乾かしているところです。前にも少し書きましたが、浸水ギアボックスや外側の酷い汚れに反してクランクの状態はびっくりするくらい良いです。
ここは15X25X12のベアリングが入るのですが…特殊サイズで純正で3千円以上します。そんなものを買ったら破産してしまうので、22X25X12のブッシュを仕込んで15X22X12の規格品を入れました。キツキツでバッチリです。
ベアリングを仕込み、クランク、トランスミッション、シフターを組み込みました。
クランクのシムは0.6mmを両側に仕込みました。シムの厚みは、クランクケース合わせ面-ベアリングインナーレースまでの深さ(A)、クランク幅(B)を実測して決めました。
A. ベアリング間: 51.40mm(25.70+25.70mm)
B. クランク幅: 50.00mm
C. ギャップ: 1.40mm[A-B]
D. クリアランス: 0.20mm(0.10+0.10mm)
E. シム: 1.2mm(0.6+0.6mm) [C-D]
AT1のクリアランスは0.30mm(0.15+0.15mm)くらいだった気がします。
今回0.20mm(0.10+0.10mm)にしてみましたが、果たしてどうでしょうか…
クランクを引き込むときは25.00mmを目指しました。正確な測定ではありませんが、大丈夫な気がします。
つづく
クロスレシオが発覚したDT90(429)浸水エンジン。クロスレシオを受け容れ、洗って使おうかとも思いましたが、ギアの腐食が酷く歯が折れそうなため、ノーマルレシオのトランスミッションを用意しました。
DT90は3機種製造されました。429, 1G9, 2A5です。

プロダクトライブラリ - ショールーム | ヤマハ発動機株式会社 (yamaha-motor.com)
それぞれトランスミッションとクラッチの構成が違います。
機種: トランスミッション / クラッチ
429: DT100A 437 / MX90 403
1G9: DT100C 558 / TY175B 525
2A5: DT100C 558 / RX100 1V1
浸水: MX90 403 / MX90 403
429を分解して出てきたトランスミッションが403で、代わりに使うものは1G9用の558です。ややこしい。
403と558を比較すると、ドライブアクスルは僅かな違いにとどまりますが、メインアクスルはクラッチに合わせて長さが大きく異なります。
403
558
薄型のクラッチボスに対応するためなのか、558は403よりスプライン部分が4mm短い。
クランクケースやプライマリ ドライブ ギア周りは共通なので、トランスミッションとクラッチ一式を1G9のものに入れ替えれば使えるはずですが、果たしてどうでしょうか。
つづく
浸水DT90エンジン、クランクケースが割れました。
ギアボックス側は派手に浸水していましたが、クランク側は浸水した感じはなく、意外にもクランクの動きはスムースです。ロッド振れ幅は約1mmでした。
新品 0.8-1.0mm, 許容 2.0mmなので問題なく使えます。洗って使います。
ピストン、シリンダー、クランクと、交換したり内燃機屋さんに加工してもらったり、特に費用が掛かるところが健全という点では当たりのエンジンなのではないでしょうか。そのかわりギアボックスの方がとんでもないことになっていますが。
クラッチ側です。とんでもない錆具合です。ベアリングはまったく回りません。
トランスミッションとシフター、まったく動きません。まったく抜けません。
全然外れません。原因はシフター シャフトに塗られたネジロック剤です。
油を注しプラスチックハンマーであちこち叩いてなんとか外れました。しかしここで衝撃の事実が明らかになります。
このトランスミッション、クロスレシオです…。AT1を組み立てたときもまったく同じことがありました。どうなることやら…
つづく
クラッチ側のクランクケースカバーを外しました。ガスケットが強力に貼り付いていましたが、プラスチックハンマーをコツコツ当ててなんとか引き抜くことができました。
どうですかこの光景。
クラッチの蓋のネジ5本はネジロック剤の赤で強力に固定されていました。クラッチボスとメインアクスルを固定する19mmナットにもネジロック剤の赤を使う徹底ぶりです。
貼り付きというレベルを超えて完全に固着したプレート…
当然プライマリ ドライブギアもネジロック剤の赤で完全固定。バーナーで溶かしてなんとか外せました。オイルシール ストッパー、シフト偏芯ボルト、シリンダー スタッドボルトも同様に慎重に炙り外しました。
つづく
1973 DT90 429の予備エンジンが手に入りました。キックはまったく下りません。
オイルポンプカバーを外すと2サイクルオイルと水が混ざった液体がドバーッと溢れ出てきました。
オイルポンプを留めるM5のパンヘッドスクリューは、写真のように片方は完全に舐めていて、写っていないもう片方は頭が飛んでねじ切れていました。
下穴を開けます。
無事外れました。
ジェネレーターカバーのM6パンヘッドスクリュー1ヶ所、溝があるように見えますが完全に舐めています。
再び下穴を開けます。
無事外れました。
意外にもジェネレーターはきれいでした。ラッキー。
シリンダーはモノタロウの防錆潤滑剤をかけてプラスチックハンマーで横からコツコツやると少しずつ外れてきました。キックが下りないのはギアの問題のようです。
50.50mmのピストンは写真では傷があるように見えますが、ちょっとした擦れと汚れで、実物はかなり良い状態です。爪が引っかかるような傷はありません。シリンダーも同様です。このままいきます。ボーリングやピストンの費用が浮きました。嬉しいですね。
エンジンを開けるときは、インパクトドライバーと長いビット、ネジはずしビット(エキストラクター)を使っています。安価で手に入りますが、どれもなかなか良い工具で気に入っています。
つづく