【第4回】やまぐちGIS講座 ~山口県内の教員・学生向け~
※GIS:Geographic Information System = 地理情報システム
1) 日時:2017/ 9/24(日)17:30~19:30
2) 場所:山口県セミナーパーク 一般研修棟220室
3) 参加者:
主催)山口大学教育学部講師 楮原京子(かごはら きょうこ)先生
受講)県内高校教諭 5名
サポータ)一般社団法人やまぐちGISひろば事務局 弘中淳一(記)
4) 概要:
「ベクトルデータの解析」
・おさらい(階級区分図の作成 ←属性情報を使う)
【やまぐちGIS講座 全体スケジュール】
http://yamaguchi-gis-hiroba.org/news/20170612_Seminar.pdf
【受講風景】
【実施内容】 山口市の子育て施設の配置に関する考察
「若年層の人口密集地域に、子育て施設が配置されているか?」を検証する。
1) 人口密集地の評価
~e-Stat(H27国勢調査、500mメッシュ)および人口統計データを使用~
①標準地域メッシュのコード番号は、山口市をカバーする"5231"とする。
②500mメッシュ(図形)と人口統計データ(テキスト)をkeycodeでリンクし、
500mメッシュの属性情報として人口統計データを紐づける
③人口統計データの項目「6歳未満世帯員のいる一般世帯数」(項目)を使用し、
500mメッシュ毎にスタイルを設定する(人口の多い方が濃い緑)。
2) 子育て施設および500mバッファの作成
①子育て施設は、山口市オープンデータ(子育て支援施設)を使用する。
②500mバッファを作成するために、
空間参照を「緯度経度」から「平面直角座標系(3系)」に変更
(メートルを指定するために必要な設定)
③子育て支援施設の半径500mのバッファを作成する(QGIS「ベクタ」「バッファ」)。
3) 1)と2)を重ね合わせることで、
若年層(6歳未満世帯員のいる一般世帯数)が多い地域にもかかわらず、
子育て支援施設がない(500m以上の移動距離を要する)エリアを算出する。
<●:子育て支援施設500mバッファ、メッシュ:緑の濃い方が若年人口が多い>
→いくつか該当箇所が見つかりました。
やはりGISによる視覚的な分析効果は高いです。
あとは現地調査やその他の分析により精度を上げ、
少しでも待機児童の解消につながれば、なによりですね!
【所感】
GISによる自由なデータの作成、重ね合わせによる解析が体感できたことと思います。
(ちょっと時間が足らなくて残念でした)。
この手法は、避難所の適正配置など、街づくりのさまざまな場面に応用できそうです。
また学校現場への適用、授業での利用については、2022年に地理必修化に伴うGIS教育について、一つの授業アイテムになりそうに感じました。
私もサポートし、またブログを作成しながら、斯様なGISの技術伝承に努めてゆきたいと感じた次第です。
楮原先生、また日曜日の夕方にもかかわらずお集まりくださった高校の先生方、お疲れさまでした。
【オープンデータ】
1) e-Stat(政府統計窓口)国勢調査500mメッシュ
メッシュ領域データ(shape)と統計データ(txt)
2) 山口市オープンデータ
いずれも、やまぐちGISひろばホームページからもリンクしています(以下、参照)
※山口市がオープデータ(しかもGISが扱えるshape形式)を提供しているのも、改めて素晴さがわかりました。官民データ活用推進基本法をきっかけに、もっとオープンデータの波が波及してほしいと思いました。
以上です。