また忍者ネタかよ。と自分でも思うが、そうではなくこれは、今読んでいる本のタイトル。
「妻は、くノ一」シリーズ。
風野真知雄氏の小説で、現在6巻まで出ている。最近江戸関連の時代小説が山のように出ておるが、このシリーズの1巻が知人からもらった大量の時代小説達の中に紛れていたのが、出会い。
一話一話が短いので電車の中で読みやすい上、「妻は、くノ一」、このタイトルの「、」の打ち方が好き。理由はそれだけで全シリーズを購入して読んでいる。
中身は完全に、ありえないフィクション。漫画に近い要素をかなり含んでいる。時代設定が江戸なだけで、完璧なファンタジー小説だ。なので、山本一力氏の小説のような現実味をはらんだ、ちょっと甘酸っぱい人情モノが好きな人には、お勧めしない。
私はゲームも漫画もSFもファンタジーも、全部好きなので、小説ではなく、活字が多い漫画と思いながら読んでいる。
どんな話かというと、
「田舎では『変わり者』と思われている星を読むのが好きな学者肌の男(主人公)が、ひょんなことからくノ一の妻を持ち、またひょんなことから妻がいなくなり、妻を追って江戸へ。平戸藩(長崎)の元藩主、松浦静山に仕えながら手習いの師匠を勤め、周りや江戸の町で起こる不思議な出来事を、その知性を持って解決していく物語」
こんな感じ。
このくノ一の妻というのが、平戸藩を監視するお役目を担っており、その任務の為に主人公と結婚。でも予想外に主人公の事が好きになってしまい、離れて江戸に行った後も自分を探して江戸までやってきた主人公が気になって仕方が無いので周りに何だかんだと出没。主人公の身の破滅となるような不利になるような証拠を秘密裏に処理したり、何だったりと、主人公の知らない内に物語を進めていく役目。
まぁどっからどうみても完全なフィクションだ。
そんなフィクションの中でも、「松浦静山」と、「江戸の町で起こる不思議な出来事」というものにはちゃんとしたモデルがいる/ある。
松浦静山↓
松浦静山は、上記でも書いたが、平戸藩(長崎)の藩主だった人物。
野球好きの間では一瞬有名になったのだが、楽天の野村元監督が
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
とボヤいたのを覚えている方はいるだろうか?(野球好きでも私は覚えておらん)
この名言を残した人物として知られている。
静山が藩主になった頃、平戸藩の財政はズッタボロだったらしいが、彼が藩主になり、経費節減や行政組織をシンプル且つ効率よく回せるよう改革を行ったことで、平戸藩を救った、良い大名だったとこのと。
あれですかね、流行りの事業仕分けみたいなもんを行われたんですかね。
一方では相当な剣豪としても知られ、隠居後、剣に関する著書も出しているそうだ。
「妻は、くノ一」の中でも、頭が切れる剣豪ご隠居として登場している。
で、江戸の町で起こる出来事をまとめた「甲子夜話」を書いた人物としても知られている。
本の中で出てくる「江戸の町で起こる不思議なで出来事」とは、この「甲子夜話」の中で登場する話が基になっている。(ちなみに本では、主人公が遭遇した奇妙な事件の顛末を静山がまとめて、「甲子夜話」を制作していることになっている)
この甲子夜話は、江戸の町で起こった奇妙な出来事をまとめたといっても、「イソップ物語」や「アンデルセン」のような単なる物語集ではなく、1821年~1841年の時期に起こった出来事をジャンルは関係なく書きつづった貴重な文献だそうだ。
その中にはシーボルト事件や大塩平八郎の乱なんかも含まれているということで、今で言う当時の一大ニュース集みたいなものなのかな・・・?
面白い。
シーボルト事件とは(自分がうろ覚えなのでおさらい):
簡単に。出島のオランダ商館で働いていたお医者さんのシーボルトさんが、お役人さんからもらった日本地図を帰国の際に持って帰ろうとした。が、当時鎖国をしていた日本の地図は、もちろん国外持ち出し禁止。それが見つかってその地図をあげたお役人さん達が処分され、シーボルトさんは国外追放されてしまったという事件。
大塩平八郎の乱とは(こちらも自分がうろ覚えなのでおさらい):
簡単に。天保の大飢饉の後、コメ不足の為人民が飢えているにも関わらず、コメが人民に回ってこないと大阪の奉行所に訴えた大塩平八郎さん。だがその訴えは無視され、そんな中大阪奉行所のお奉行さんが幕府の為にコメを買い占めていることを知った大塩さん。当然怒り、近郊の農民と大阪町民総勢300名と一緒に騒動を起こした事件。※こちらはなかなか面白い話なので、詳しく調べて後日まとめたいと思います。
そんな甲子夜話。面白そうなので、今度ぜひ図書館などで見つけたら借りてみたい。
ちなみに「妻は、くノ一」の舞台は東京・湯島にある妻恋坂。
妻恋神社なんかもあり、なかなか面白そうな場所である。そんなに遠い所でもないので、今度天気の良い週末にでも歩いて出かけてみようと思う。
