新人類戦記第3章聖域南西アフリカ、紛争地域ビサゴスを抜け、ジョバ川をさかのぼり、悪魔の山アコンカグワを目指す2人の姿があった。アコンカグワにて人類創世の神が復活した。

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新人類戦記第三章聖域第18回 日本情報部の香月は、解放戦線の基地に誘拐され、起爆装置の秘密を追求される。

 

新人類戦記 第三章 聖域 第18回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 

 

■英領ポートモレスビー 市内の救急病院

 

日本情報部の香月はペットの中に満たわっている自分を発見した。どうやらあのヱアゾソール爆弾の爆風からのがれる事ができたらしい。

 

まわりのベットに多くのケガ人が寝かされている。彼の手足には包帯がまかれていた。ノブゴロド

フ号は奇妙な船だ。超能力戦士部隊がどうやら居たらしい。

 

香月はソ連に優秀な超能力戦士部隊がいるとパリで耳にした事がある。

そんなことを思い出していた。

 二人の医師か、空のキャリアを押してやってきた。彼らの顔はマスクで被われている。

 

 「ミスター香月、このキャリヤーに移って下さい」

 「どこへ行くんで十か」

 「一応の手当てはすんでいるんですが、念のため、レントゲンをとってみる事にします」

 

 キャリヤーは香月を乗せて勤いて行く。

 

「ドクター、どういう事ですか、今、レントゲン室の前を通りすぎましたよ」

 

 香月の頌の上から声がした。

「静かにしろ、私の白衣の中からコルトが、お前刀頭をねらっているんだ」

 

 「お前達は」

 「そう、お前が探していたリフの手の者さ」

 

 ナイフと拳銃は服といっしょに置いてあった。今、香月の手には武器はない。香月は救

急車に移された。

 

■英領ポートモレスビー 市内リフのアジト

 

途中で車が変り、フォードカプリがブランカ街の古ぼけたビルの前に止った。

まだリフは同じアジトを使っている。

 

ポートモレスビーのCIA要員が全員死亡したというので安心している。

 

 「スンダが世話になったそうだな」

 

 リフは黒ずんだ顔をまっ赤にして、香月をにらんでいる。香月のナイフでズタズタにさ

れたスンダが痛々しい様子でそこに居る。

 

 香月は拷問を受ける。

しかし、白状すべき事はあまりない。リフはただで香月を殺すつもりはないのだ。ゆっくりといたぶっているのだ。傷口が開き、血がしたたる。口に入るとそれはなま媛かかった。

 

 

■ビサゴス共和国 解放戦線基地

 

 「残念ながら、この原爆は作効させる事はできません」

 フランスのソルボンヌ大学から連れ戻された留学生の男ニエレレは言った。研究室として与えら

れた部屋に、運び込まれた原爆を前にしている。

 

 「どういう事だ。それは」

 彼ニエレレを、ラオメ大統領のクーリエ、バウチから奪いとったレジオが疑いの目を同ける。彼

は南米キューバ政府から軍事顧問として派遣されていているのだ。

 

 「安全装置として特殊な装置が添付されているのです」

 「その特珠な機械だけ、君は取りはずす事はできんのか」

 

「私ならそれができる」元PLOのダレルが口を添えた。

 

 「力づくでそれを解除しようとすると、爆発がおこります」

 

「一体どうすればいいのだ」

「恐らく、日本政府は、安全装祓で安心を買おうとしたのでしょう。ここを御選なさい」

 

 原曝の後部側面に10センチ平方のプレートがあり、そこには小さなスイッチが一つとつまみ

が一つ、ついている。その上には黒いデジタル表示窓がある。

 

 「これは」

 

 「この表示窓が恐らく、金庫の鍵ナンバーと同じ働きをするようです。数桁の数字表示を

右側のつまみを廻して出し、適合識字が出たら左側のスイッチでそれを押す。その作業を

数回くりかえ十と、内臓されているナンバーと合致した場合。安全装置が解除されると思

われます」

 

 「つまり。この数字の阻み合わせを覚えているものでないと不可能なわけか」

 

 「恐らく、数字を何回も押さなければならず間違った放字を押したならば、安全袋滉は解

徐されない。つまり、爆発は不可能となるでしょう」

 

 「誰がそのナンバー表を知っているかだ。クリスチャン号の乗組員は全員死亡していたと

いう事だから徐外するとして。まてよ。この原爆の商談には東洋商事がからんでいたな。

そうだ。ボートモレズビーに日本の情報部の男がいたようだったな」

 

 キューバ人レジオは側の男に言った。

 

「至急、ポートモレスビーのリフに連絡をとれ。東洋商事の男をここへ連れてくるように

な」 

 ダレルが言った。

 「都合のいい事に、まだ香月をリフは殺していないように。移勁は私にまかしてもらおう」

 

 

■英領ポートモレスビー リフのアジト

 

 リフはブラソカ街のアジトで、`すでにかなり、香月をいためつけていた。どうせ殺すつ

もりだ。スンダの仕返しである。

 「もっと傷つけて、もっと」となりで包帯に身を包んだスンダがかなきり声をあげていた

 新たな拷間に入ろうとした時、レジオから連絡がはいる。

 

 「東洋商事の男? ああ、桜木という男は始末した。ホテル=ジャネイロのフロアごと吹

き飛ばしたのだ。何、代りの男、そうかそういう事なら」

 

 リフは無線を切る。

 

まあ、いいさ。向こうでも拷間が待っていると思うぞ。原爆の安全装置解除の数表を言っ

 リフはにやりと笑っ尭。

 

 香月とリフは二人そろって、ダレルの超能力によって空間移励した。

 

■ビサゴス共和国 解放戦線基地

 

香月は、秘密基地のダレルの前にすわらされていた。ダレルの黒い瞳がずっと近づいて

くる。香月・はその眼を見ないように荒がった。

 

がすでに香月はすでにダレルの意のままであつた。ダレルは香月に数字表を言うように命

令した。

 

 香月は、同僚の桜木が、ポテル・ジャネイロでリフによって蝸殺ざれたぼ、警察へ行き

遺体を引き取っていた。

 

所持品などは焼けていたが、桜木は胃の中にマイクロフイルム化された数表のはいったカプセルを飲み込んでいた。

 

香月はそれをとりだし、桜木を葬った。

 

 香月は破表をすべて附記した後、焼却していた。が今、ダレルの命ずるまま。無意識にその数字

を順番に読みあげていた。

 

 テープレコーダに録音された数表は、すぐニエレレの元に届けられた。

 

すぐさま安全装誕は解除され、爆発稼働態になった。

 

 香月は、基地内の牢獄にほおり込まれた。

まだ意識がもうろうとしていた。遠くから呼ぶ声が聞こえてくる。

 

 「おい、お前、日本人だろう」

 燐りの牢獄にいた。秘密警察長官ラギトのエージェント、パウチは相手が答えないので、椀をのばし、格子のすき吏から相手の指の先を小さな針で刺した。

 

 「うっ」香月はようやく痛みで意識をとりもどしていた。

 

「おい、お前さんは日本の情報部のものじゃないかな。俺はビサゴス、ラオメ大統領下の御同業のものバウチだ」

 

 バウチのまっくろな顔に対して 「なぜ、俺の名前を知っている」

 「それは俺が、原発を見たからさ」

 「何だって」

 

 「そう、原爆が三発、急に空間から現れ兵舎の前に並べられていたんだ」

 

 「バウチ、ここは一体どこなんだ」

 「ビザゴス解放戦線の秘密基地さ」

 

 香月はしまったと息った.俺がここに連れてこられたのも、奴らの手に原発がすでに手

に入っていたからなのか.とすれば先刻のあの男は俺の記憶から数表を読み取ったに違い

ない、

 

「よし、俺と手をくもう俺は香月だ」 

「俺はビサゴス秘密警察のバウチだ.基地の内の配備状態は俺の頭の中にある」

 

 香月が牢獄の中で急に騒ぎだしたのは数分後だ。

 「おい、静かにしないか」

見張りの男が飛んできた。が香月はペットの中で暴れまくっている。見張りの男は中へ

入ろうとする。

牢獄の格子から、バウチが腕をのばし、針を男の背後から延髄へ直撃させた。

 

男は声をあげる間もなく即死した。

 

男から鍵、続いて、銃とライフル、ナイフをとりあげ、ライフルを腰だめにして、外へ出る。

 あたりを見渡し、原遇があるらしい兵舎へ出かける。

 「おかしいな。員数が少なくなっている」

 

 「どこかへ移動したらしいな」

 

 「反撃かな」バウチがささやいた。車佃の有無を継しかめる。数台のGAZ69が駐車して

ある。ソ連軍のジープである。BRDMI偵祭車もある。戦車はない。

 

 廊下づたいに走り、ようやく研究室を発見する。ドアののぞき窓から見ると、留学生ニエレレ

しかいない。何か考え込んでいる。 二人は銃を構え、研究室へ飛び込む。

 

 「よし、ニエレレ、声をあげるな。原爆はどこだ」

 ニエレレは考え深げに、こわばった表情で答える。

 「遅かったね。バウチ。彼ら解放戦線はあれを首都へ持っていったよ」

 「何だと」

 「いつだ」

 「先刻だ。数十分前だ」

 「よし、俺達についてくるんだ」香月が言った。ニエレレに言曝を処理させようとする。

 

 「むだだよ。あれを止める事は僕には不可能さ。ハハハ、、」

 ニエレレは神経がまいっているようだ。

 

 「こいつめ、何んて事をしたんだ。ソルボンヌ大学へ留学できたのも、ラオメ大統領のおかげ

なんだぞ」

 

 バウチは怒りたかられて、ニエレレを射とうとした。香月はそれを止めようとする。銃

声が響いた。

 

 「グェツ」倒れたのはバウチである。後にトカレフ拳銃を溝えたリフが立っていた。

 

「思った通りだ。一人で帰ってきてよかったぜ。次は香月、お前の死ぬ番だぜ。お前を生かし

ておいてももう意味はないからな」

 

 リフは香月の頭をねらう。倒れていたバウチが死力を尽してリフを射った。

 

 「うっ」リフが撃った銃弾は、ニェレレのひたいを射ち貢いていた。

香月は床にころがりナイフをリフののど目がけ役げた。ゴボツという音がして、鮮血が吹き出る。

 

 銃声を浦きつけて、解放戦線の連中が押し寄せてくる。

 

 香月は、バウチをかかえ、窓を破り、外へころがり出た。数人の男達がかけ寄ってくる

火線が交差する。香月はリフのトカレフ拳銃で応射する。一人の兵が倒れる。

 

ナイフ、AK47ライフル、手榴弾をとりあげる。片腕にバウチをかかえ、腰だめでアサルトライフルを連射十る。駐皐してあるガス・ジープに辿りつ

 

 見張り台からの重機銃の掃射があり、銃弾がガスジープの幌をぶりぬく。香月は瞬時にジープ

を発進させていた。

 

 BRDMI装甲車が追跡してくる。銃架の7.62SGMB機銃が火を吹く。ガス・ジ

ープをジグザグに運転し、銃弾をさける。

 

ジャングルが急に開ける。川があった。

 

 すばやく、橋を渡り、香月はジープに搭載してあった榴弾砲を発射する。

 数発で橋儒だけが破壊され、装甲車もろとも川へくずれ落ちた。

 

 追手は当分大丈夫だろう。

 

原爆の件を早く知らせねばならぬ。香月は急に基地の方が騒

がしくなったのに気づいた。

 

遠くから爆発音が闘こえいてくる。

 

数機の重装崩ヘリが飛米してくる。

 

■ビサゴス共和国 首都 大統領官邸

 

その日は、大統領ラオメが生涯でもっとも衝撃受けた日となった。

ビサゴス共和国 首都ボグラは蜂の巣を突いた揉ぎとなっている。

 

新人類戦記 第三章 聖域 第18回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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