その日、私の両親はアパートに泊まり
夫と義両親は夫の実家へ帰って行った。
その晩は修学旅行の日の夜のように
母とベットに横になっていろんな話をした。
母「はちもいよいよ田舎暮らしが始まるねぇ」
私「うん...。まぁ、思ったよりもお店もあったし、なんとかなるんじゃない?それにここのアパートは、優の職場の先輩ご夫婦も住んでるし、仲良くさせてもらえると思うよ。」
母「まぁ、頑張るしかないもんね」
私は弱い所を見せられなかった。
夫と結婚することを自分で望み、仕事を退職して、この地に住むことを決意した。
だから、両親に心配かけてはいけないと思った。
次の日の朝になり、両親が帰る日
夫と義両親がアパートに挨拶に来た。
義母「まぁ、、お母さんお父さんもこんな田舎で、はちちゃんを残して不安だと思いますが、私たちもそばにいるので安心してくださいね。」
義父「安心して任せてください」
そう言って、地元のお土産を
両親へ手渡してくれた。
父「ありがとうございます。優くん、それじゃあはちのこと頼んだよ。本当に頼むよ...!」
夫の肩をポンっと叩いて父はそう言った。
なんだか少し寂しそうな表情だった。
夫「はい!もちろんです!」
両親「それじゃあ帰るからね。」
両親がアパートを出る瞬間、
今まで堪えていた涙が止まらなくなり
みんなの前で泣いてしまった。
夫「はち大丈夫?」
義両親「ちょっとはちちゃん!?大丈夫?不安だよね。優もいるし、私達もいるからいつでも頼ってね」
私「すみません...ひっく...大丈夫です」
恥ずかしながら
私は結婚するまで実家暮らしだった為、寂しさと不安でいっぱいいっぱいになってしまった
そんな私を見て、母も目に涙を浮かべていた。
心配かけちゃいけないと思っていたのに。。
こうして、車に乗って両親は帰って行った。
アパートの窓からは、そよそよと心地よい風が吹いている。
ど田舎の大草原の真ん中に1人取り残されたような感じがした。
隣には一番の味方、愛する夫がいるというのに。
この日、私の田舎暮らしがスタートした。
幸せなはずの結婚生活なのにこんなに悲しいのはなぜだろう。。
そんなスタートでした