新型コロナの為に、今も多くのスポーツの大会が開催できないという、現役の学生スポーツ選手には本当に可哀想な状況になっていますね…


27年前…
アッシらの大学・剣道部は、3年生が主になって部の運営をしていくのが習わしで、3年生=幹部と呼ばれ、最大の目標…8月末に開催される「中四国学生剣道優勝大会」に向けて朝に夕に稽古に励んでいました…

アッシらの大学にはスポーツ推薦なる入学制度がなく、他大学に比べると非常に不利な状況にありました…

年により選手層にバラつきがあるのは当然…まして7人の戦える団体戦メンバーが揃うのは、奇跡に近い確率なのであります…

前年(アッシらの1学年上の代)、その奇跡が起こり、20数年ぶりに中四国の代表となり「全日本学生剣道優勝大会」に出場したワケですが、その先輩らでさえ中四国5位…

中四国の枠は当時5大学でしたから、ギリギリで全日本の切符を掴んだワケです…

その翌年…明らかに昨年ほどの力がないアッシらの代…国立大も私大も…どこも強い中で組み合わせが決まりまして…



アッシ…目を疑いましたさ…

う~ん…
あれっ…!?

これって…運が良ければベスト4までは行けるんじゃね…!?



アッシらより強い大学は相当数あったんやけど、その人ら…皆 アッシらじゃない方の山に組み込まれとって…これはこれで奇跡やね…というレベルやったワケさ…

ただ…準々決勝で敗れたら5位決定戦に回ることになり、そうなったら万事休すなので…

ラッキー・パートとは言っても準々決勝に進出するような大学には、アッシらよりあからさまに力が劣る大学は無いワケでして…

準々決勝は島根大学との対戦でした…

一進一退を繰り返し、7人で勝負がつかず…

代表決定戦で10分以上の激闘の末、アッシらのY先輩が小手を決めて、紙一重で勝利し、2年連続の全日本の切符を手に入れたんですがね…

正に手に汗を握る熱戦…

終わった瞬間に皆 総立ちで、抱き合いながらの号泣…



アッシ…他人の試合で唯一、その時どんな小手が決まったか、その後Y先輩がどんなリアクションを取ったか…鮮明に覚えていますもん…

剣道は一本を取っても、相手を尊重し、決してガッツポーズなんかしちゃダメなので…

だけどY先輩、昂った気持ちを抑えるように、アッシらの方に目をやり、うん・うん と頷きよったのね…

「やったぞ!皆…やったぞ!」って、声は出さないけど、そういう眼差しだった…

苦楽を共にしてきた、アッシらが大好きで尊敬していた先輩が…一進一退の攻防を繰り広げた末に勝ってくれたら…そりゃ号泣するわね…



もし…

その時にY先輩が敗れていたとしても…一つの目標に向けて、仲間と一丸になっていた事実が変わるワケではないから、それはそれで納得できていた気がするんですよね…

いわば「中四国学生剣道優勝大会」は、中四国で真面目に剣道をしている大学生にとっては一つの節目…

それが無くなってしまうのは やはり忍びないです…

今の剣道界を牽引する若き二人の代表決定戦(鹿屋体育大学 対 筑波大学)