『死んだら星になる。一番輝いて、君に合図を送るよ。』少年マンガばかり読んでいた私が、繰り返し読んだ唯一の少女マンガの中のセリフ。

昨年11月に亡くなった、祖母の墓参りに田舎へ帰った。
片道7時間。簡単に行ける場所ではない。祖母が生きていたころは、『行きたい!会いたい!』と、勇んで通っていた。
今回はお休みをいただいたものの、何か言い訳をして、行かなくてもいい方法を考えて、「どうせ行っても・・・」と、とても身体が重かった。
実家から姉が来てくれると言ったので、なんとか行く気になった。ひとりでは無理だと思った。

最後看取ってくれた伯母夫婦の話を聞いたり、いつも祖母が居てた場所でみんなで過ごしたり、
お墓参りして仏壇に花を活けてるうちに、生きていた頃にいっぱい話した言葉や声が甦ってきて、あ~
おばあちゃんは私の中で生きてる、ってしっかり感じることが出来た。

夜7時にもなると、街灯もなく真っ暗で誰も通らなくなる田舎町に、1年半ほど前から小さなカフェが出来た。私は祖母の介護の合間の気分転換にお昼間1時間くらいお茶を飲んだり雑貨を眺めたりしに行っていた。夜はひとりで外出できない。今回は姉が一緒だったので、早い夕飯の後、ちょっとカフェに行こうと私が提案して、懐中電灯を持って歩いて5分のカフェに行った。夜は簡単なお酒も出してくれるみたい。手作りのとてもとても小さなカフェ。こんな田舎町でお客さん来るのかなってこっちが心配してしまう。二晩続けて通って、一杯ずつ、私はカクテル、姉はお茶を飲んでゆっくり話して過ごすと、とても気持ちが落ち着いた。お勘定の後、おつりを丁寧に両手で包み込むように返してくれて、温かい微笑みで送ってくれた。私たちがこの町の人でないことわかってるんかな、「また、いつか来てね」と伝わってきた。

帰り、まだ8時過ぎなのに、ありえない満天の星。
最近、星空を見上げてなかった・・・星って、こんなに美しかった??ダイヤモンドより美しいと思った。もうすぐ変わっていく冬の星座の大パノラマ!!我が我がと、それぞれ光っていた。ものすごく寒かったけど、しばらく姉と星空を見上げていた・・・時々姉が全く違う星座の名前を言ったり、星は何億光年先にある、など訳わからないこと言っていたのを無視して、私は、冒頭のマンガのセリフを思い出した。あっ、おばあちゃんが合図を送ってくれてる!
「来てくれてだんだん。また来てごせや。」田舎に帰るのを躊躇していたダメな私に、
祖母は、いつもどおり素晴らしい宝石をプレゼントしてくれた。

今晩もどこかで誰かがいろんな思いで夜空を見上げているんだろうな。