ウルトラマンティガ音楽 | 赤いてるてる坊主

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ウルトラマンと円盤生物を愛するブニョグ

 

 

 

色々あって、前回のウルトラマンティガサントラ記事から一ヶ月近く経ってしまったよ_:(´ཀ`」∠):_

 

まあ過ぎてしまった時間を悔いても仕方ない。宣言通り、矢野立美氏によるティガTの好きな劇伴についてダラダラ書いてみました。

本当に好きな曲をただ並べただけなのでバランスの悪い自己満足な内容ではありますが、開き直ってUPします。もともとそういうブログじゃ!

 

順番はミュージックコレクションとコンプリートティガエディションに従っています。

曲の紹介や使用した楽器はミューコレ及びコンプリの解説書を参考にしつつ、自分で判断したり書いたりした部分もあるので、間違いあればご指摘頂けると助かります。僕は学生時代に部活で吹奏楽の経験があるという程度の素人です。

 

曲の使用例は解説書に載っているシーン+個人的に印象的なシーンです。

 

 

 

 

怪獣復活(M29)

トムトム(※)のリズムの繰り返しから始まり、ブラス(金管楽器による演奏)のメロディが入って怪獣の大進撃を表現した曲。メロディを抜いたリズムのみパターンもある(Mナンバーはついてない)

第1話『光を継ぐもの』イースター島のメルバ出現とGUTS作戦室に漂う緊張感を演出した。

第10話『閉ざされた遊園地』ガギの見えない壁に閉じこめられた人々のシーンでリズムのみ→ガギ出現と同時にメロディありに切り替える繋ぎは見事だった。

第38話『蜃気楼の怪獣』ティガ対ファルドン戦はリズムのみ、第41話『宇宙からの友』ティガ対イルド戦にはメロディありを使用。

 

(※)解説書には「タムタム」と表記されています。間違いではありませんが「トムトム」の方が適切に伝わりやすいかなと判断し「トムトム」としました。違いはリンク先のwiki参照。

 

 

怪奇現象 (M34)

第1話『光を継ぐもの』つり橋からピラミッドへ向かうダイゴ、第2話『石の神話』ガクマα出現、第8話『ハロウィンの夜に』巨大なパンプキンの館に引き寄せられる子供たち、第35話『眠りの乙女』レナの体を乗っ取ったデシモ星系人がデシモニアとなりグワームへ合体するシーンなど、怪獣の進撃や事件が進む際に使用されることが多い。

始まりのストリングス(弦楽器による演奏)とティンパニの力強い複合リズムが好き。使用頻度は高くティガの中でも特に耳に残る曲の一つだと思う。

 

 

光を継ぐもの (M13)

ティガの最も有名な戦闘テーマと言えばわかって頂けるだろう。

第1話『光を継ぐもの』ガッツウィング1号でゴルザとメルバを攻撃するダイゴ、第25話『悪魔の審判』人々が照らす眩い光の中のティガ対キリエロイドⅡ、第44話『影を継ぐもの』ガーディーを倒され怒りに燃えるティガ対イーヴィルティガなどが印象深い。

ヒーローの格好良さを謳い上げながら緊張感も漂わせるストレートな燃えに留まらない渋さがティガにマッチした名曲。

『ティガ&ダイナ』や『ティガ・ダイナ &ガイア』などティガ客演映画でアレンジ版が作られる機会も多い。

 

 

蘇る巨人 (M11)

第1話『光を継ぐもの』でティガがパワータイプにチェンジした際に流れた爽快感が忘れられない曲だが、M13の方がティガに合うと判断されたのか使用頻度は多くない。

出だしのトランペットスネアドラムによる爽やかなファンファーレが堪らなく好き。

第8話『ハロウィンの夜に』反撃に転じるティガ、第10話『閉ざされた遊園地』ティガ対ガギなど戦闘シーンの他、第27話『オビコを見た!』町中でオビコを捜索するシーンにもマッチしていた。

 

 

その名は"ウルトラマンティガ" (M18)

第44話『影を継ぐもの』スパークレンスを奪還すべく電磁バリアの苦痛に耐えながら前へ進むダイゴなど、主に「ダイゴのテーマ」として使用された。

静かな始まりからクールに盛り上がるかっこよさが特徴的。ウルトラシリーズの矢野音楽はこの手法が巧いと見える。

第45話『永遠の命』隊員たちがギジェラ撲滅を決意するシーンなど冒頭をカットして使用される場合もある。

M18の劇場版アレンジ「必ず…勝って(M29)」は劇場版メインテーマも織り交ぜ更に完成度の高い曲となった。ブラックスパークレンスを受け取ったダイゴの出撃シーンに使用。

 

 

Brava Love,TIGA(PIANO VERSION) (M7)

ED主題歌のピアノ・ソロ・バージョン。

第27話『オビコを見た!』ティガ対オビコの戦闘シーンに使用。個人的に、帰ってきたウルトラマン対レオゴンのような戦闘シーンに悲しい曲を流す演出に滅法弱いのでオビコ戦も強烈な印象が残った。

第4話『サ・ヨ・ナ・ラ地球』江崎博士たちとジュピター3号の末路、第50話『もっと高く~Take Me Higer~』ダイゴに辛い表情を見せるレナなども効果的だった。

 

 

安らぎを君に (M35)

ヴァイオリンハープなど弦楽器の音色が美しい曲。悲しみも感じさせつつ大円団のような雰囲気もある。

第4話『サ・ヨ・ナ・ラ地球』のラストを夕陽と共に美しく締めた。第27話『オビコを見た』オビコを抱きかかえたティガが消えるシーンにも使用。オビコは死んだのか、或いはティガに連れられ彼が暮らせる静かな場所へ行ったのか、どちらとも取れる想像の余地を残してくれた演出と音楽だったように思う。

 

 

Love Theme from TIGA (M2)

オーボエ、ピアノ、弦がOP主題歌を悲壮に唄う、ティガを象徴する曲の一つ。サビのストリングスが泣かせる。

第25話『悪魔の審判』人々の光を受け復活するティガ、第51話『暗黒の支配者』石化し海底に沈むティガ、真逆のシーンに使用されどちらも強烈な印象を残した。特に第51話の石化ティガは放送当時に観た記憶が音楽ともども鮮明に焼き付いている。第32話『ゼルダポイントの攻防』ティガに導かれ黄金に輝くシーラも忘れ難い。

 

 

GUTSの仲間たち (M20)

第8話『ハロウィンの夜に』現実世界へ帰ってきた子供たちとダイゴのシーン、第21話『出番だデバン!』生きていたデバン、第46話『いざ鎌倉!』星野にツーショットを撮ってもらうダイゴとレナなどでエンディングを爽やかに彩った。

爽やかなトランペットのメロが心地よいGUTSの青春テーマ。個人的に「ティガと言ったらこれ!」という曲の一つ。

 

 

 

侵略の予感 (M28)

飛行怪獣を表現した曲だが、第7話『地球に降りてきた男』レギュラン星人と交戦するも気絶させられるダイゴ、第36話『時空をこえた微笑み』ゴルドラスを攻撃するシーンなどGUTS対怪獣や、第17話『赤と青の戦い』、第35話『眠りの乙女』などティガの戦闘にも使用される。

高らかな金管の咆哮で始まり(カットして使用される場合も多い)シンセサイザーとブラスを組み合わせたリズムがかっこいい矢野氏らしい曲。

第15話『幻の疾走』ガゾートⅡ出現に使用、この続編であるダイナ第19話『夢幻の鳥』では姑獲鳥出現に使用されたことも見逃せない。

 

 

大怪獣の咆吼(M32)

第12話『深海からのSOS』海上に出現するレイロンス、第19話『GUTSよ宙へ・前編』無数のゴブニョが合体し巨大化、第43話『地の鮫』地中を進撃し地上に出したヒレで熊本市街を破壊するゲオザークなど怪獣の脅威を見せつけるシーンに多用された。

ブラスとティンパニが交互に鳴動、ドラの強烈な響きに続くブラスのフレーズは大怪獣の咆哮を唄っているかのような重量感がある。中間部のコントラバスの軋み音も怪獣に襲われる恐怖感を駆り立てる。

 

 

GUTS急行せよ! (M27)

第4話『サ・ヨ・ナ・ラ地球』沈痛な思いで出撃するシンジョウら隊員たち、第19話『GUTSよ宙へ・前編』基地内に出現した無数のゴブニョを攻撃する隊員たち、第33話『吸血都市』キュラノスに苦戦するティガを援護するシャーロックとデ・ラ・ム、第50話『もっと高く~Take Me Higher~』ガッツウィング1号対ゾイガー高速戦闘などに使用。

リズムに合わせて刻むようなホルンのメロディが印象的。

本来は「宇宙から来た侵略怪獣」テーマとして作られたが、GUTS用の曲として頻繁に選曲されることとなった。クールな曲調がGUTSには良く似合う。

 

 

遠き呼び声の彼方へ (M62A)

第6話『セカンド・コンタクト』ダイゴの無事を祈るレナ、第15話『幻の疾走』マユミを救うため囮になるタクマの霊、第34話『南の涯てまで』輸送部時代のダイゴがサワイ総監を救出する回想、第44話『影を継ぐもの』イーヴィルティガに向かってゆくガーディーなど使用されたシーンはどれも記憶に残る。

しっとりしたピアノで始まりオーボエがメロディを受け継ぐ、ティガを象徴する一曲。ピアノとオーボエのみというシンプルながらも美しい音色が心に沁みる。

ダイナ第19話『夢幻の鳥』、第36話『滅びの微笑(後編)』でティガ関連人物のシーンに使用された。『ティガ&ダイナ』、第50話『太陽系消滅』ではそれぞれアレンジ曲が作られた。特に『太陽系消滅』のダイゴとアスカが並び立つシーンでの使用は感慨深い。

 

M62Aにはオーボエを抜いたピアノのみパターンも存在する(愛のテーマM62Apfのみ)

当然ピアノはこちらのほうがより鮮明に聴けるので、個人的にはこちらの方が好き。

解説書には第27話『オビコを見た』のみ使用とあるが、第6話『セカンド・コンタクト』ラストシーンにも使用されている。

 

 

侵略者の正体(M31)

トムトムの重々しい響きとドラの大音響に続き、力強いブラスが黒幕の出現を演出する。曲終わりのブラスの繰り返しとドラの残響が印象的。

第3話『悪魔の預言』キリエル人の宣戦布告~キリエロイドへの巨大化、第25話『悪魔の審判』無数のキリエル人が合体巨大化したキリエロイドⅡに使用され、キリエルのイメージが強い。

第18話『ゴルザの逆襲』、第31話『襲われたGUTS基地』、第51話『暗黒の支配者』など中村ティガ対怪獣の重量級対決にも合う。

 

 

侵略者の正体 (M33)

第16話『よみがえる鬼神』首だけになった宿那鬼に噛み付かれるティガ、第45話『永遠の命』ギジェラの触手に足を取られ逆さに釣り上げられるティガ、第52話『輝けるものたちへ』GUTSのティガ救出作戦がガタノゾーアに妨害されるシーンなどピンチ曲のイメージが強い。

第5話『怪獣が出てきた日』から度々使用されていたが、後半は初期以上に重大なピンチ曲として使用されたように思える。

ブラスが細かいフレーズを執拗に繰り返し危機感を煽る。ウルトラシリーズでは冬木透氏が時折マリンバを効果的に盛り込んでいたイメージが強いが、矢野氏による本曲もマンバリンがいい仕事をしている。

『ティガ&ダイナ』のアレンジ版はティガとダイナが揃い踏みヒビキ隊長の「まだ一番立派なものが残ってるじゃねえか…これだ!」と膝を叩く瞬間に挿入され、作品の盛り上がりが最高潮に達した。

 

 

ティガ!(M10)

変身したティガの登場ファンファーレ。第3話『悪魔の預言』、第6話『セカンド・コンタクト』、第8話『ハロウィンの夜に』、第9話『怪獣を待つ少女』、第14話『放たれた標的』、第18話『ゴルザの逆襲』、第23話『恐竜たちの星』、第44話『影を継ぐもの』に使用。44話はシンジョウの「来てくれたぜ本物が」の台詞と共に記憶に残る。

第15話『幻の疾走』ガゾートの光弾をデラシウム交流に変換して投げ返すパワータイプ、第50話『もっと高く~Take Me Higher~』逆光を背に地上へ降り立つスカイタイプのシーンは、それぞれ変身直後ではないが効果的に使用された。

昭和ウルトラシリーズでは大半の作品に登場ファンファーレが作曲され、ひとつの伝統となっていた。ティガも歴代ファンファーレに劣らず耳に残るかっこいい仕上がり。

『ティガ&ダイナ』、『ティガ・ダイナ &ガイア』、『超ウルトラ8兄弟』などアレンジ曲が作られる機会も多い。特に超8兄弟で8年ぶりに復活した重厚なティガファンファーレに映画館で涙を流したファンも少なくなかったと思う。

 

 

次回予告 (M60A)

第1話から4話までの予告と提供テロップに使用されたロングバージョン。緊張感ある曲調がウルトラセブンの予告BGMを思い出させる(似ているわけではない)

単なる予告BGMに留まらず第16話『よみがえる鬼神』ではGUTS出撃シーンに使用された。

第5話以降の予告と提供テロップにはショートバージョンのM60予告Bを使用。

 

 

 

以上です。

 

ダイナサントラvol.4・解説書の矢野氏インタビューによると、矢野氏は怪獣映画やウルトラマンに馴染みが無かった(ワンダバを知らなかったレベル)そうです。

 

そのせいか、かつての伊福部昭氏、宮内國郎氏、冬木透氏らの怪獣音楽とは明らかに音楽表現が違います。しかし、ちゃんと怪獣音楽と呼ぶに相応しい楽曲群として完成されているので新鮮でありながら逸脱はしていない安心感もあります。

 

今回はほぼ取り上げませんでしたが、ミステリアスな楽曲群も番組内での存在感は大きく、この系統の曲はダイナでは更に力が入っていたと思います。

 

ウルトラシリーズに欠かせない情感溢れる音楽も名曲揃いです。

 

ティガ劇伴には曲数が少ないという欠点があります。実際それを悔やみたくなる場面もある(例えばアートデッセイ号発進はあの流用曲も悪くないけど専用曲が欲しいなとか)が、一曲一曲の満足度は高いです。

 

この自己満足全快な記事をここまで読んでくださった優しい方はほとんどいないと思いますが、もし読んでくれていたら改めてティガ音楽に触れてみてほしいと思います。

 

 

この記事では解説書に喧嘩売っちゃった箇所もあったかもしれませんが、早川優氏による解説書は非常に充実した内容となっています。ティガに限らず様々なサントラの解説を担当してくださった早川氏にはファンとして常々感謝しています。