ウルトラマンX最終回 | 赤いてるてる坊主

赤いてるてる坊主

ウルトラマンと円盤生物を愛するブニョグ






ウルトラマンXが最終回を迎えた。
楽しませてもらったので最後くらいは感想を書いてみます。



ウルトラマンX

第21話『美しき終焉』
脚本:小林弘利
監督:田口清隆

第22話『虹の大地』
脚本:小林雄次
監督:田口清隆






■三部作で観たかった


先に不満から言っておくw
あとで褒めちぎるから!


難しいのはわかりますが最終章は二部作ではなく三部作で観たかった。尺不足は否めません。


特にエクスラッガー。

初登場の第12話『虹の行く先』から謎のアイテムでしたが結局ほぼ謎のまま終わりました。
何から何まで明かす必要はないがちょっと説明不足過ぎやしないか。

エクスラッガーが何だかわからないので大地の両親のエピソードも引っ張った割に盛り上がりに欠けました。

ひょっとして映画で説明があるかも?それなら許す。







もう一つ気になったのが21話で行方不明になったワタルとマモル。
「宇宙空間で行方不明になる」という危機に遭遇しそのまま出番終了、22話の予告にも一切登場しない。
これは物語上何か大きな役割を与えられたかなと予想していました。

しかし、蓋を開けてみるとただ仲間のピンチに駆け付けただけだったのでやや拍子抜けでしたw
(駆け付けるシーンそのものはかっこ良かったけどね)

例えば、ウルトラマンティガの最終三部作で海底から地上へ帰られなくなったシンジョウとホリイには「ティガ救出作戦に参加する」という物語上の役割があったでしょ?

今回のワタルとマモルもあれ程でなくとも何かあるだろうと期待しちゃったのよ。実際はどちらかというとウルトラマンダイナ『移動要塞浮上せず』のカリヤに近かったかw



三部作ならこれらの描写に時間を割く余裕もできてやり方が変わったと思うんですよねー








■話数が足りない


そもそも根本的な問題として全22話という話数が少ないんですよね。

ギンガ全11話、ギンガS全16話と少しずつ増えているのは嬉しいがやはり少ない!

いや、一年やりたくてもできないのはわかるから言っても仕方ないけど!仕方ないけどっ!!



話数が少ないと各キャラのエピソードを描く時間がどうしても足りなくなります。

21話でハヤトの実家がそば屋だと語られ、出撃を前に父へ電話を掛ける件がありました。
ハヤトの見せ場の一つでしたがいきなり登場したのは残念。
たまにで構わないから実家の話を出して前振りを作っておけばもっといい見せ場になったはずです。

そう言えば、16話『激撮!Xio密着24時』でワタルが「お前はそばの話でもしてろ」とハヤトに言っていました。
あの時は意味わからなかったけどそういうことだったのね。
でもあれだけじゃ足りないよぉw
(他にもあったのに見落としていたとしたらごめんなさい)

結局ハヤトにはメインの一人という回はあっても単独の主役回といえるエピソードは無かったな…


他にもマモルの主役回も観たかったとか、タケルとチアキの主役回は流石に難しいかも知れないが出番多めの回は観たかったとか、言い出したらキリが無い!



まあ映像面のクオリティが向上したのは話数を減らした効果もあると思われるので悪いことばかりではありませんが。







■大地とアスナ


さあここからは褒めちぎっちゃうぞ♡



大地とアスナに関してはこれまで積み重ねが描けていたので説得力あったし大地(高橋健太くん)とアスナ(坂ノ上茜ちゃん)の演技にも熱が入っていました。二人とも発声が良いよね。

特撮ヒーロー番組の醍醐味のひとつに「役者の成長を見届ける」が挙げられます。
終盤になると一年間かけて役を作り上げた役者の思い入れが爆発して演技を超えた感動を呼ぶことがあります。

ウルトラマンXは約半年であったにも関わらず、19話『共に生きる』あたりからの大地とアスナは19話にして47話分くらいの積み重ねがあったように感じました。



19話も22話もアスナちゃんには泣かされてしまったよ。
静かに受け止める大地も良かった。




この二人、下手に恋愛関係にならないのも良いですね。
物語が終わった後にくっつくかも知れないけど「そこはご想像にお任せします」くらいがこの二人には似合う。

12話『虹の行く先』で大地に抱き着くアスナを既にやっているので最終回に同じことをしなかったのも好印象。

思い返してみると田口監督は男と女の関係や感情をあまりストレートには演出しないイメージがあります。






■最後の敵・グリーザ


個人的にですが、平成ウルトラシリーズの最終回の敵や劇場版の敵といった所謂ラスボスキャラを好きになれないことが何度もありました。
派手とか禍々しいとか偉そうとか、そういうデザインに面白みを感じなかったり、ラスボス本人が喋りすぎると迫力を感じなかったり…

正直、グリーザ(第三形態)のソフビ画像を見た時点で「あ~今回も好きになれそうにないな」とガッカリしていました。


ところが、21話に登場したグリーザ(第二形態)の得体の知れない不気味な存在感、そして強さ、まさにゼットンのイメージを極限まで高めたような恐ろしい敵でした。
(第一形態は15年前、Xに太陽に落とされた際の隕石形態)



期待してなかったけど理想のラスボスだよこれは!




続く22話に登場した第3形態も第2形態を経たためかソフビよりは印象が良かったし、復活したXに勢いで負けたりせずむしろ圧倒して見せたのは燃えた。




実体の無い第2形態がスパークドールズを吸収し実体を得たことでより強力になったが、結果的にXのハイブリッドアーマー誕生の切っ掛けにもなったという落とし所も良い。

半分自滅に近い形かも知れませんが前回あれほどの強さを見せたのでこれくらいはしないと納得できないと思います。





まあ本音を言うとやはり第2形態の方が魅力的ではあったものの、第3形態もラスボスに相応しい見事な敵役でした。

番組の最後を最高に盛り上げてくれたグリーザお疲れさまでした!
ウルトラ怪獣DXで第2形態も発売してくれよな!






■Xioの見せ場


アスナ、神木隊長、橘副隊長、ハヤト、ワタル、ルイ、短かったりやられたりはしましたが、それぞれあったのはよくやったと賞賛したい。



ラボチームのマモルにバズーカを持たせたり、オペレーターのタケルとチアキが初めて出撃したり、王道ではあるけれど総力戦を魅せてくれたのも嬉しい。

もっと尺に余裕があればタケルとチアキに「行かせてください!」と言わせるシーンがあったかもね。

ウルトラマンA『奇跡!ウルトラの父』で梶さんが出動する流れが好きだからああいうのをまた観たいw






■XとXio


戦いが終わった後のデバイザーのXに向かってわいわいする様子がXとXioならではの空気が好き。うん、とても良い。





21話のXが全メンバーに直接通信することによって一瞬で危機感を煽る展開は上手いと思いましたが、今度は逆に和気藹々とした空気になって更に上手いと感心しました。
21話脚本の小林弘利さん、22話脚本の小林雄次さん、ナイス連携です。

あのXとXioはもっと長く見たい!と思わせてくれます。

ですが、あまり見せすぎると却って夢がなくなるような気もします。
映画で少し見せてくれるかもしれないのでそれくらいが丁度良いかも。







■ありがとうウルトラマンX


というわけで、ウルトラマンXは映画で完結するのが望ましいと個人的には思います。二期は無しでね。

まあ恐らく嫌でもそうなるでしょう。
来年はウルトラマン50周年だから新作を作るとしたら新シリーズの方が都合が良いはず。



途中ちょっと勢い落ちたなと感じた時期もありましたが、終わってみれば非常に楽しませてもらいました。

今後はとりあえず火曜日のBSJAPANの放送(次回は10話『怪獣は動かない』)でまた楽しませてもらうことにしますw

BDは買うなら数年後にしたい。


ひとまず、ありがとうウルトラマンX
そして今後もよろしく!