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 米国債の格下げを受けた週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前週末比200円超下落するなど全面安の展開となった。東京外国為替市場の円相場も小幅ながらドル売り円買いが進み、1ドル=77円台で取引された。先進7カ国(G7)による緊急声明にもかかわらず、金融市場の混乱はなかなか収束しない。

 この日の東京外国為替市場の円相場は、G7声明を受けていったんは78円台をつけたものの、その効果は長続きせず、午後には円高が進行した。午後5時現在は前週末比66銭円高ドル安の1ドル=77円87~88銭。

 一方、日経平均の終値は前週末比202円32銭安の9097円56銭、東証1部全銘柄の値動きを示すTOPIXは同18・10ポイント安の782・86だった。アジア株も急落し、株安の連鎖が広がる懸念も広がっている。

 市場がG7の声明に大きく反応しなかったのは、声明に具体策が少なかったことに加え、「世界経済の減速懸念への対応について言及が少なかった」(三菱UFJ信託銀行の塚田常雅グループマネジャー)ことなどが要因だ。

 リスクの高いドルを回避しようとする市場の流れは変わっておらず、前日のニューヨークの商品先物市場では金相場が最高値を更新するなど、投資家はいまも比較的「安全資産」とみられている円や金に投資資金をシフトさせている。

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FX規制:証拠金倍増は個人投資家に冷水、円高ブレーキ弱まりも
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 7月28日、今年8月1日から実施される外国為替証拠金取引への規制強化で、為替市場への影響力を強めてきた日本の個人投資家の勢いが衰える可能性が高まっている。都内のトレーディングルームで28日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
 [東京 28日 ロイター] 今年8月1日から実施される外国為替(FX)証拠金取引への規制強化で、為替市場への影響力を強めてきた日本の個人投資家の勢いが衰える可能性が高まっている。

 規制強化は投機的でリスクの高い取引を制限するのが目的で、投資家は取引に当たり従来の倍以上の証拠金積み増しを義務付けられる。この措置による中長期的な円相場への影響は限定的とみられているが、これまでドルの下値を支えてきた個人投資家の影響力が低下し、「円高ブレーキ」が弱まるとの見方もある。記録的水準に積み上がった外貨買い持ちの急激な解消を予想する声も出ている。

 <証拠金引き上げは円高加速につながる可能性>

 7月8日夜、東京・日本橋のレストランに男女46人が集まった。学生から会社員まで職業はさまざまで、年齢も21歳から71歳までと幅広い。一見ばらばらに見える彼らの共通点は、個人のFX投資家であること。6月米雇用統計の発表を見届けるというFX業者の催しに参加するため、都内はもちろん岐阜県や兵庫県からも駆け付けた。

 「3、2、1、ゼロ」。発表時間の午後9時30分ちょうどにカウントダウンが終わると、店内の巨大画面に映し出されたドル/円のチャートが大陰線を引いた。米雇用統計の内容が事前の楽観ムードを裏切る内容で、ドルは80円付近まで急落。参加者からはどよめきが起きた。「米国の景気はそんなに簡単に回復しないだろうから円高に振れるだろうと思っていたが、最近負けていたので今日はポジションを持たなかった」と、藤沢市に住む大学生の小田裕貴さん(21)。「ああ、やっぱり円高だったかと少し後悔した」。

 「ミセス・ワタナベ」、「キモノ(着物)トレーダー」──。 長い間プロの業者が支配してきた為替取引の世界で、日本の個人投資家たちはこんな呼び名が付くほど存在感を高めている。国内でFX取引を行う個人投資家は、たまに取引を行う人を含めれば10万人近いと言われる。プロの投機筋や機関投資家、輸出入企業などと並ぶ外国為替市場の主要参加者であり、国際決算銀行(BIS)がまとめた1日の円の取引額約25兆円(2010年4月)のおよそ2─3割を占めるとの見方もある。

 その一方で、FX投資ブームの舞台となっている証拠金取引では、無理な投資によって大きな損失を被る個人投資家も急増。日本の金融庁は8月1日から規制を一段と強化し、投機的でリスクの高い取引に制限を加えることを決めた。新規制では、取引額の2%以上(レバレッジ50倍)から4%以上(レバレッジ25倍)に証拠金が倍増され、高リスクの取引が抑制される。

 もともと青天井だった倍率を50倍に制限した昨年8月の規制では、個人の取引高が減少する副作用が起きた。今回、同様の反応が起これば、相場への影響も無視できない。一般的に個人投資家は相場の流れと逆方向に売買する傾向が強く、ドル80円割れが続く現在のような局面では積極的にドル買い/円売りに動く。つまり、円高にブレーキをかける機能を果たしているわけだが、今回の規制で取引が一段と減少すれば、そのブレーキ効果がさらに弱まる可能性がある。

 <昨年の50倍規制では取引高は3─4割減>

 矢野経済研究所が店頭FX11社を対象に実施した調査によると、昨年は6月ごろから証拠金残高が増え始め、規制の始まった8月は5月に比べ約3割増加した。今年も同様に、「ここ2、3カ月、証拠金の入金が増えている。規制に備えての動きかもしれない」と、外為どっとコムの経営企画部長、前田卓宏氏は言う。しかし、昨年は結局、取引を減らす動きが勝り、東京金融取引所が運営するFX取引所「くりっく365」を含めた業界全体の取引高は一時的に3─4割減った。

 規制強化に対する個人投資家の反応はどうか。ユーロ/ドルを中心に倍率50倍の取引をしている都内の会社員、志農亜沙美(24)さんは「取引を続けてはいくがポジションは減らす」と話す。半年ほど前にFXを始めた大学生の小田さんも50倍の取引をしており、「証拠金は増やせない。(取引を)減らすしかない」と言う。FX業者の間でも、今回もまた取引高の減少のほうが証拠金の積み増しを上回ると予想する声が多く、FXプライムは最大2割、外為どっとコムは1─2割ほど自社へのマイナス影響を見込んでいる。

 矢野経済研究所が昨年8月にまとめたレポートでは、2012年3月の業界全体の年間取引高は、前年から約24%減少すると予測していた。最新の見通しは集計中だが、同研究所の主任研究員、白倉和弘氏は「50倍に引き下げされたときよりも影響は小さいとみているが、今年3月の実績より下がるのは間違いないだろう」と語る。

 東京金融取引所の「くりっく365」は、8月1日に中国人民元/円、韓国ウォン/円、インドルピー/円のアジア3通貨ペアを上場させる。成長力のある新興国通貨を加え、個人投資家の引き留めを狙う。またセントラル短資は同社に口座を保有する顧客に外貨両替レートの優遇サービスを始めたが、「規制はビジネスの圧迫要因だけでなく、新たなビジネス・チャンスを開くという面もある」(FX湘南投資グループ代表の野村雅道氏)との指摘も出ている。

 <外貨買い持ちが記録的な水準、反動を警戒>

 規制強化が為替相場にもたらす影響は、ドル/円に最も大きく現れそうだ。昨年8月、ドル/円相場は86円台から83円台へ1カ月で3円下落した。米国で量的緩和第2弾(QE2)の議論が始まり、ドルが主要通貨に対して売られやすい局面だったため、規制が相場に直接影響したと断じることはできない。日本の通貨当局は「個人はかなり短期で動いているので、取引高が減っても相場への影響はあまりないだろう」と、それほど警戒していない。

 しかし外為市場は変動の要因を特定するのが難しく、昨夏の倍率規制とドル/円下落の因果関係も完全には否定できない。「日本の個人は外貨を買う行動をする。(昨年は)そこが何割か減ったのは事実で、相場にも影響はあったかもしれない」と、FXプライムの五十嵐真社長は語る。「今回も何らかの影響はあると思う」という。

 とりわけ、個人の外貨買い持ちが記録的な水準に積み上がっている今、規制強化が始まる前後に急激に持ち高が解消される可能性には注意が必要だ。FX業界の元為替アナリストによると、FX会社から届いたメールを顧客の個人投資家が開封する割合は2─3割だという。  

 FX会社からの度重なる通知にもかかわらず「倍率の上限を超えているのに気付かず、昨年は当日朝に持ち高を強制的に減らされる人がいた」と同氏は話す。「今回もそういうケースは出るだろう。市場全体の持ち高の偏りにもよるが、その思惑を利用して投機筋がドル/円を売り浴びせる可能性は否定できない」という。

 (ロイターニュース 久保信博;編集 北松克朗)

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                   (カッコ内は前営業日比、%は利回り)

ドル/円    終値    77.71/73

        始値    77.73/74

    前営業日終値    77.91/93

ユーロ/ドル  終値   1.4328/33

        始値   1.4276/78

    前営業日終値   1.4371/75

30年債

   (2105GMT)     101*29.00(+0*15.00) =4.2611%

前営業日終盤     101*14.00(‐0*03.50) =4.2888%

10年債

   (2105GMT)     101*14.00(+0*07.50) =2.9546%

  前営業日終盤    101*06.50(‐0*07.50) =2.9822%

 2年債

   (2105GMT)     99*29.00(+0*01.50)=0.4222%

前営業日終盤     99*27.50(‐0*03.25)=0.4458%

ダウ工業株30種(ドル)

     終値         12240.11( ‐62.44)

   前営業日終値    12302.55(‐198.75)

ナスダック総合

     終値         2766.25( +1.46)

   前営業日終値    2764.79(‐75.17)

S&P総合500種

     終値         1300.67( ‐4.22)

   前営業日終値    1304.89(‐27.05)

COMEX金(8月限)(ドル/オンス)

        終値 1613.40(‐1.70)

     前営業日終値   1615.10(‐1.70)

原油先物(9月限)(ドル/バレル)

        終値   97.44(+0.04)

     前営業日終値     97.40(‐2.19)

CRB商品指数(ポイント)

         終値  344.65(‐2.08)

     前営業日終値      346.73(‐2.02)

 <為替> ユーロが幅広い通貨に対して下落した。欧州の経済指標が思わしくなかったことに加え、この日のイタリア国債入札で利回りが上昇したことで、ユーロ圏債務危機の拡大懸念が高まった。

 ドルは対スイスフランで0.1%高の0.80180フラン。電子取引システムEBSで、最安値の0.79900フランをつけたが持ち直した。

 <債券> 上昇。欧州債務問題をめぐる懸念が再燃し、米国債への逃避買いが膨らんだ。

 この日実施されたイタリア国債入札がさえない内容となったことで、債務危機がイタリアに波及しつつあるとの懸念が広がった。

 総額290億ドルの7年債入札を受け、債券価格は上げを削った。入札では、落札利回りがWI(発行前)取引水準に基づく予想を上回った。

 朝方発表された米新規失業保険週間申請件数が4月初旬以来初めて節目の40万件を割り込み、6月の米住宅販売保留指数が予想外に増加したことを受け、債券価格は伸び悩んだ。

 <株式> ダウとS&Pが続落した。米議会でベイナー下院議長の歳出削減案が採決にかけられる予定だが、市場は債務上限引き上げ協議の事態打開には懐疑的な見方をしている。

 アナリストによると、議員の間で意見が対立していることも、合意に達しないのではとの懐疑的な見方に拍車をかけている。

 株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は23を上回り、6月中旬以来の高水準に上昇した。

 相場は当初、予想より良い内容の経済指標を好感しプラス圏で推移していた。だが午後になって失速し、ダウとS&Pはマイナス圏で取引を終えた。

 <金先物> 小幅安。利食い売りや対ユーロでのドル高を受けて売りが優勢となった。新たに中心限月となった12月物は前日終値比1.10ドル安の1オンス=1616.20ドルで取引を終了した。

 <原油先物> 小反発。米雇用関連指標の改善やメキシコ湾での熱帯性暴風雨発生が材料となった。メキシコ湾南部で27日に発生した熱帯性暴風雨「ドン」は現在、テキサス州沿岸に向け西北西の進路を移動。石油各社は近隣沖合いの施設から一部作業員を避難させたと報じられており、市場関係者の間では、石油施設の生産が今後影響を受けるとの観測が浮上している。

                           [東京 29日 ロイター]

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NY市場サマリー(26日)
UPDATE1: NY市場サマリー(25日)
米株価指数先物が下落、債務交渉で合意なく

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 8月1日、東京金融取引所(TFX)が運営する「くりっく365」が、3つの通貨ペアを新規上場する。具体的には人民元・円、インドルピー・円、韓国ウォン・円の3ペアだ。順当にいけば、同日よりこれらのFX(外国為替証拠金取引)が可能になる。

 投資家やFX業界関係者の注目度は大きい。特に人民元については、投資家の関心が高いにもかかわらず、投資手段が限られている。現在、FX業者(店頭FX)で人民元を取り扱っているのは、実質的にSBI証券のみだ。そこに公設のFX取引所である、くりっく365が参戦するのだから、投資家の期待が膨らむのも当然だろう。

 しかし、くりっく365に参加していないFX業者は、一様に懐疑的な見方を示している。「本当にサービスとして成り立つのか」(業者幹部)、「公的な面を持っている取引所にしては、先走り過ぎだ」(別の業者首脳)。

 そもそも人民元は、自由な取引ができない。中国政府が強力な資本規制を課しているためだ。そこで、くりっく365でもSBI証券でも、NDF(ノン・デリバラブル・フォワード)という、いわばバーチャルな通貨の先物取引を使うのだが、ドルやユーロなど先進国通貨に比べると格段に流動性が薄い。

 各業者が疑問視するのは、この流動性、すなわち取引がどれほど活発に行われるか、という問題である。流動性が薄い場合、為替手数料に相当するスプレッドが大きくなりがちだ。またその国の経済状況が急変するような事態では、標準から乖離した異常なレートが提示される、あるいはレートが提示されない、つまり取引自体ができなくなる、といったこともありうる。

 くりっく365では、レートを提示するのは「マーケットメーカー」と呼ばれる指定の大手銀行や証券会社(現在6社)だ。マーケットメーカーは、“市場の実勢に沿って誠実にレートを提示する”義務を負う。だが、もともと流動性が薄い人民元NDFの場合、マーケットメーカーにとっては、この義務はビジネス上のリスクとなる。

 店頭FX業者はこの点を突いて、「どこまで“誠実”なレート提示ができるのか」「リスクの高さが、コストとして投資家に転嫁されるのではないか」と指摘する。また、ほぼ24時間取引が可能な先進国通貨に対し、取引できない時間が長いことも、投資家にとってはリスクとなる。

 これに対しTFX側は、「今のところ、スプレッドは広めにならざるをえない」(伊藤渡・常務取締役)としつつも、「流動性については心配していない」と自信を見せる。「人民元NDFの取引は増えている。また、くりっく365に参加している6社のマーケットメーカーは世界でも指折りの信頼性を持っており、随時プライス(レート)が出せるようなシステムを開発している」(同)ことがその根拠だ。なお、人民元・円取引に参加するマーケットメーカーは「8月段階では3~4社だが、最終的には6社すべてにお願いする」という。

 流動性だけではない。スワップポイントにも注意が必要だ。これは通貨間の金利差に応じて支払われるポイントで、外貨預金での利子に相当する。高金利通貨の取引では、通常は買いがプラス(受け取り)、売りがマイナス(支払い)になる。ところがNDFでは金利裁定が成り立たないため、人民元先高の思惑が織り込まれた現在の“割高”な相場では、買いでもスワップポイントがマイナスになる可能性が高い。

 つまり現状では、金利収入は期待できないばかりか、買い持ちを続ける限り、ポイントが日々差し引かれていくというわけだ。長期投資には向かない。一方、短期の売買で為替差益を狙う投資家が利益を稼げるかどうかは、人民元NDFの値動きとスプレッド、ひいては流動性次第だ。ちなみに、6年前から人民元・円ペアを取り扱っているSBI証券でのスプレッドは1人民元当たり3銭(7月23日現在)、10万元・1日当たりのスワップポイントは買い▲160円、売り0円(同)である。

 くりっく365のスプレッドやスワップポイントがどうなるかはフタを開けてみないとわからないが、人民元NDFがもともと持つ不利な特質を、TFXとマーケットメーカーでどこまで埋められるかが、成否を決めるだろう。

 これらの事情は、インドルピーや韓国ウォンでも共通である。

 くりっく365に“仲介業者”として参加しているFX会社や証券会社などは、一部システム対応の遅れにより秋頃以降となるところはあるものの、ほとんどすべて新3通貨ペアの取り扱いを表明している。ライバルを迎えることになるSBIも、「これで人民元FXの知名度が上がるとすれば歓迎だ。われわれにはリスクコントロールやコストマネジメントに関し長年のノウハウがある」(熊龍豹・SBIリクイディティ・マーケット リクイディティ統括部副部長)と真っ向勝負の構えだ。一方で、楽天銀行のように「顧客が混乱する、もしくは不便を被る可能性が高い」として取り扱いを見送った業者もある。

 投資家にとって、投資手段の選択肢が増えること自体は朗報だ。だがいずれも、通常のFXとは異なるリスクを内包する、特殊な通貨だという認識は必須である。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)

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震災後の円高は誤解が原因 FXの損切りが最高値更新招く

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 「バッグ2つも買ってしまいました」
 「円高のメリットを感じることができた」(ハワイから帰国した人)

 海外旅行をする人にとって進めば進むほど得になる円高。円相場は2年前、1ドル=98円前後だったのが、ここ2年で80円を割り込み、実に2割近くも得している計算なのです。

 「買い物いっぱいしたいなと思います。お得なので」(カナダへ出発する人)

 旅行代理店や大手スーパーなどでは円高還元の特典が登場し、活気づく業界も。しかし・・・

 「(円高が)急激すぎるなというのが素直な感想」(NEC 川島勇 執行役員)

 「(Q.今回のドル安円高は?)想定外です」(パナソニック 上野山実 常務)

 逆に海外で稼いだドルを円に換える日本メーカー。28日揃って決算発表を迎えた各社からは悲鳴が相次ぎました。

 「円高がこのレベルでいくと、個別事業単位で本当に日本でやっていけるのかどうか」(東芝 久保誠 専務)

 東芝は円高が1円進めば売り上げが年間で330億円減少するといいます。1年前、およそ8割の企業が1ドル=90円としていた想定為替レートですが、ことしは、円高が進むことを見越して半数の企業が80円に切り上げました。しかし、今はそれをも上回る「超円高」状態なのです。

 28日の東京外国為替市場でも1ドル=77円台後半と、震災直後の3月16日につけた1ドル=76円25銭の史上最高値が目前に迫ります。原因はアメリカやヨーロッパの経済不安です。

 「アメリカやヨーロッパが“国家破綻”するリスクがあって、米・欧の通貨が売られて、結果的に円にお金が集まっている。一時的には円の戦後最高値を更新する可能性がかなり高まっている」(大和総研 熊谷亮丸 チーフエコノミスト)

 政府・日銀による為替介入など対策を求める声は日増しに強まっています。(28日16:29)

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