ヒヤリ・ハット | 福岡の弁護士 矢口耕太郎のブログ

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こんにちは!弁護士の矢口です!



突然仕事でミスをしてしまって,一瞬ひやりとしたり,はっとしたことはありませんか?


そんなとき,「あー助かったなあ」とミスをそのままにしたことはありませんか?



医療の現場では,重大な事故にはならなかったけれども,ミスが起こってひやりとしたりはっとした出来事のことを「ヒヤリ・ハット」といいます。


カタカナにしただけで,ネーミングはそのまんまですね。



1件の重大事故が起こるかげには,29件の軽い事故,300件の「ヒヤリ・ハット」が存在すると言われています。


これは,ハインリッヒさんという方が労働災害について出した法則で,ハインリッヒの法則と呼ばれています。



「ヒヤリ・ハット」の分析というのは,事故の原因となるものを小さな芽のうちにつぶしてしまうという点で,医療事故を起こさない対策として非常に大事です。



病院で安全管理対策が整っているところでは,「ヒヤリ・ハット」が生じた場合には,必ずレポートを出させて,対策を取るようにしています。


私たちも,病院の要請がある場合には,ヒヤリハットを分析して,どこまでの措置を裁判所が要求しているのか,どうすれば事故が起こらないかという検討を一緒に行っています。


こうして,少しでも医療事故を減らしていくための努力をしているのです。



8月31日に発表された財団法人・日本医療機能評価機構の発表では,「ヒヤリ・ハット」の報告が24万1939件と今までで過去最高の数となりました。



これは,医療事故が増えたというわけではありません。



ちょっとのミスでも「あー助かった」とするのではなく,なんでそんなことが起こったのかと1つ1つ確認することが日本中の病院に浸透してきたということなんです。



福岡に限れば,毎年少しずつ医療訴訟の数は減ってきています。



医療は完全ではありません。どんなに手を尽くしても悪い結果が起こることはあります。


ただ,日頃から,ヒヤリハットの分析をして事故の予防に取り組んでいれば,どうしても防げない事故が起こった場合でも,しっかりとした対応をすることができます。



これは,医療だけに限らず,その他の仕事についても全く同じです。リスクマネジメント一般論としても通用します。



私たちの仕事の質を向上させていくためにも,応用していきたいですね。