雑居ビルと偏西風
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Blogをはじめたわけは。

大学を終えてから仕事場へ。


小田急線は昼間だと、客もまばら。

ほとんど空気しか詰まっていない鉄の箱が、時速80kmで前方の空気を押しつぶしていく。

人のいない軽さのあまり、車体が突然浮き出したりしないのだろうか、なんて真剣に考えてみた。


日比谷駅で、千代田線から有楽町線に乗り換える。


連絡口を歩く。高校の頃は毎日この道を通っていたものだ。

この連絡口は特に汚いわけでは無いのだけれど、病院や学校にある、なにかしらの排気口(ダクト)を思わせる。毎日数万のねずみが(全長170cmで、嫌気がするほど彼らの着物の色は同じだ)、いかにも"忙しそうに"、ダクトの中を走ったり戻ったりしている。


眠い時は変な思考が働く・・・。


連絡口の階段を下りていると、なぜか最後の一段を残して階段の下り方を忘れてしまった。

足の踏み出しかたが分からない、というよりどうやったら階段を下りれば良いのか分からなかった。


ひらがなや漢字を連続的に書いているとそれが自分が何を書いているのかわからなくなってしまうことは誰にでもあると想う。

それからひらがなの「ぬ」や「ね」が突然記憶の穴から抜け落ちてしまったように(でもそれはのどに刺さったさんまの中骨みたいなもので、その後どうすれば良いのか経験則的にすぐにわかるものだ)度忘れすることも僕にはたまにある。


今回僕の身に起こった階段の下り方の忘れ方は、そんな度忘れ的なものではなかった。


生まれて間もない赤ん坊が、階段の最後の一段目に突然投げ出されて、彼は(彼女かもしれない)

「あと一段だから、階段を下りよう」なんて思うだろうか。

階段は下りるものであり上るものであり、目的地に到達するために通らなくてはならない交通手段であることを赤ん坊は知らない。だから階段を下りようとは思わない。


そんな忘れ方だった。とはいっても「階段を下りること」以外を同時多発的に忘れたわけではなかったので

「こんなとこで立ち往生してないで早く下りなきゃ」

とはもちろん考えた。でも階段の下り方がどうしてもわからない。


結局、階段の最後から2段目を下りた左足で、階段を飛び降りた。

右足は宙にあがったまま、工事がストップされたクレーン車のクレーンみたいに元に戻る方法を忘れていた。


眠くてぼけていたんじゃん?と言われればそれまでだしそんな気もしなくはないけれど、

今日のこの日常の中で起こった非日常の現象をどこかに残しておきたくて、Blogを始めてみた。


UPした後読み返したらわけが分からない文章になっているだろうな。