20年目のFirst Love
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彼からの最後の電話

彼からの電話は本当はほんとうに最後の電話だった。



私は「また会いたいね」と今度こそ素直な気持ちを話すつもりだった。



思いっきり明るい声で電話に出た。



私「また会ってくれる?」



彼「ごめん。もう会えない。もう彼女がいるんだ」



私「そっか・・・・」



あんなに待っていた電話があっけなく切れた。



なーんて馬鹿なんだろう私って。



ベランダから夜空を見上げながら泣きながら笑った。



報われないピエロみたいじゃん。



それからほんとうの恋なんてしてこなかった気がする。



親に言われるままに親の気に入った人と付き合ったりしたけど、二股かけられて捨てられた。



尊敬できる人はいたけど、恋じゃなかった。



23歳になって、ある人から告白された。



そんなに好きでもないのに、親に押し切られるようなかたちであれよあれよという間に結婚してしまった。



今の時代、信じられないと思うけど元旦那(6年前に離婚しちゃった)とはほとんど交際期間はなかった。



でも元旦那との結婚がふたたび彼と再会するきっかけになるとはこのときは知る由もなかった。




私ってストーカー???

忘れたふりしてても彼のことは忘れられなかった。



でもがんばって忘れようとしていた。



でもでも、新しい恋もできずにいた。



なんとか高校を卒業して私も社会人になっていた。



そんなころ彼から思いがけず手紙が来た。



仕事のこと、趣味のこと、最後に「また会いたいね」って。



正直、自分の気持ちがわからなかった。



「会いたい、でも会ったらまた会いたくなる。」



「また元みたいに付き合っても親に反対されて引き離されるんだろう。」



「前みたいな辛い思いはしたくない」



結局、返事も書かなかったし、連絡もしなかった。



今思えば素直に会っておけばよかった。



お互いの気持ちはすれ違いになってしまった。



それからしばらくして親と一緒に引っ越すことになった。



もう二度と手紙は届かないと思ったら寂しくて彼の自宅に電話していた。



ストーカーだよねと思うようなこともしちゃたりした。



彼の会社の駐車場で彼の車のワイパーに手紙をはさんできたり・・・・



でももう私たちの気持ちはすれ違うしかなかった。



実は手紙で親がいない日にちと時間を指定して自宅に電話してほしいとお願いしていた。



「今度こそ彼に会える!」と思っていた。



だから電話がかかってくるのをドキドキしながら待っていた。



まさかあんな返事を聞かされるとは思わずに・・・・・・


さよなら

もう彼も疲れ果ててしまっていた。



その日は予想できたのだけれど、私にとっては突然にやってきた。



電話で彼から「さよなら」って言われてしまった。



仕方ないよね。



初めての彼。



初めての真剣な恋。



でもでもまだ10代の私たちにはこれ以上は無理だった。



さよなら・・・・・初めての彼氏・・・・



仲が良かった友達に電話して「さよならって言われちゃった。」としばらく号泣した。



そんなにたくさんではなかったけれど、いろんな思い出ばかりが浮かんでは消えた。



どんなふうに立ち直ったのかも今となってはまったく覚えていない。



でもちゃんと毎日、学校には行っていた。



もう二度と会うこともない彼だと思っていた。



まさか20年たってあんな再会をするとは思わなかった。