約1年振りに、マツダスタジアムで大島洋平選手を見た。
昨シーズン開幕時に「もう年だからいいでしょ」と?根拠なくレギュラーを外され、新外国人が開幕スタメンに入った。
その選手が翌日怪我で離脱して、大島が臨時のスタメンで2安打。すると翌日、2軍から別の選手を上げてスタメンに起用。
その後も「ベテランなんだから、レギュラーは将来ある若手に譲りましょう。代打で役に立てるよね」という扱いが続き、出塁すれば、若い選手の走塁練習のために代走を出される。たまに「去年数字が良かった投手が先発の時にスタメンで使ってあげたんだから、結果が出なきゃ自己責任ね」という起用をされ、打率が2割を切るのを待ち構えたように1軍登録を抹消されたのが、9月6日。広島3連戦の初日だった。
まっとうなドラゴンズファンからしたら「当然の世代交代でしょ」という展開なのだろうけれど、生憎私は自称ドラゴンズファンではない。
けれども書きたかったのは「大島の不遇」では決してなくて、「目の前の事象に、そして自身の不甲斐ない成績にもめげずに野球に臨む大島選手」への畏敬の念だ。
この3試合、トータルの成績は良くなかった。
けれど、開門が何処よりも早いこの球場で、大島選手が試合に備える姿を、試合に臨む姿を、1年振りに堪能させてもらった。
今日は、昨日の試合中に脚を傷めた上林選手の代わりに、ブライト選手がスタメンなのだろうな、という練習風景だった。が、大島も通常の守備&打撃練習の後、ライトの位置に立って打球を見ていた。あの位置で打球を観察する姿を見たのは何時以来だろう?もしかしたら初めて見るかもしれない。
その直後、ショートの位置に移動して、直倫コーチから10分近くノックを打ってもらっていた。最近のルーティン。ぎこちない捕球で、まさか「一塁守備の練習」とは思えない。単なる「スタメンで出られない選手が、試合に備えて、折角なら野球の動作で身体を動かす」感じ。それでも、真摯さが伝わってくる。年下のコーチ相手とはいえ、貴重な試合前練習の時間にバットを振ってもらうに値する空気をまとっていた。
この人が試合に備える姿を、野球に臨む姿を、もっともっと、ずっと見ていたいと思う。