ルチルについて
おはようございますこんにちはこんばんは🌙『やどりぎstone』です。石英、シリカ、雲母、(ゾイサイト)に続く5回目になりますかねぇ。仕方ないですけどキッチリカッチリすべてが決まっていないのがこの世界なので、皆様の誤解を生まないように正確かつ簡単に書いていけるよう努力します(鉱物学と天然石(パワーストーン)という違いだけじゃなく、流通名が溢れててこれとそれが同じなの❓ってのが多い…色んな板挟みを味わってます)さて愚痴は程々にして今回はルチルを整理していきます。ここ↓でも簡単には触れていますがそれをちょっと掘り下げて行きます。『ルチルクォーツ』英名:Rutile Quartz , Rutilelated Quartz和名:金紅石入り水晶、針水晶水晶に閉じ込められた金属質の針が美しいルチルクォーツ。…ameblo.jp大体問題になるのが本物と偽物の境界線。偽物と言っても人工的なものは論外だとして、どこまでルチルと呼ぶか。もしくは何をルチルと呼ぶかで違ってきます。鉱物学的には二酸化チタン(TiO₂)の結晶の1種類のみを指すわけで、組成式が一緒でも結晶構造が異なるとルチルとは呼びません。なにが言いたいかと言うと・1つめは「ルチル」という名前で価値を誤魔化すことが問題であって名前が問題ではない(もちろんわかる範囲で正確な表記の方が望ましい)・2つめは天然石(パワーストーン)の世界では流通名が多いので、正確に「ルチル」そのものを指さない場合が多々ある。ということです。ちなみに針状の内包物が含まれている場合「サゲニティック」もしくは「サゲナイト」という言葉が使われます。これは中身が分からない(内包されているので)。そうなると今度は見た目の針の太さで「サゲニティック」「ニードル」といった鑑定がでてきます。なかなか難儀な世界です。激細の場合に流通名だと「ヘア」(髪の毛)というのもあります。例えば「ビーナスヘア」「ラビットヘア」「エンジェルヘア」等です。この場合のアンフィボールという角閃石を内包したものが結構多いです。では、天然石(パワーストーン)の世界でルチルとは何を指すかと言うと、チタンに限らす金属質や他の鉱物だとしても針が内包されたものを指すことが多いです。流通名としてなら針状の内包物があるもの殆どがルチルと呼ばれるということです。それを踏まえたうえで…そして代表的なルチルの種類は色で分かれています。金:ルチル・ゴールドルチル(Rutile)最も一般的でルチルと言えばこれを指すことが多いです。金太:タイチンルチル(Titin Rutile)文字通り束になり太い状態のルチルが内包されている時に用いる。根元がヘマタイトであることが多くその黒い部分も一緒に内包されている事が多々ある。銀:・プラチナルチル(Platinum Rutile)実際にプラチナが含まれているわけでは無い。ルチルと結晶構造が異なるブルッカイト(Brookite/板チタン)が元になりその後の温度変化によってルチルが形成されていったという地球のイタズラとも思える生成工程を辿ってできたものが更に水晶に包まれていく奇跡ともいえる過程を経たものとなります。根元のブルッカイトの部分は黒~暗灰色です。・シルバールチル(Silver Rutile)またちょっと曖昧で申し訳ないのですが、内包物はルチルだけれど屈折率、反射率などの理由で金っぽいけど金じゃなく何となく銀…❓もしくはルチル以外の内包物の関係でそう見えるものがシルバールチルと呼ばれることが多く逆に完全に銀色(白銀色)をしたものは珍しく価値が高まります。通常は銀と言っても金~褐色がかった銀色という事になります。銅:ブロンズルチル(Bronze Rutile)または銅ルチル細かい事を言えば銅=Copperでありブロンズとは銅を主成分にした合金(青銅)のことです。ただブロンズメダルみたいに銅を指す言葉として一般的かと思いますので銅ルチルもここでまとめます。(金属としての名前と色の名前で若干の違いがある事が原因と思われます。)シルバーと同じ理由で銅に見えるものを指します。色合いから別名「タイガールチル」なんて呼ばれることもあります。赤味が強くなると紅銅ルチル、カッパー(コッパー)ルチルと呼ばれます。(ややこしいですが紅銅はRed Copperです。)場合によってレッドルチルの名前で呼ばれることもあります。黒:ブラックルチル(Black Rutile)黒と言うよりは濃い茶色、ダークブラウンの濃いやつになります。完全な黒ではありません。内包物はちゃんとルチルです。他には厳密にルチルではないですが、ブラックトルマリンインクォーツというのもあります。これはトルマリンの一種であるショール(トルマリンの90%以上の産出量で水晶や石英と共生しやすい)が含まれているものでよく混同されます。赤:レッドルチル(Red Rutile)赤と言うか金紅をした針が内包されていて金属光沢があるものを指します。ただ滅多にお目にかかれることは無く、実際にはアンフィボール(Amphibole/角閃石)やサゲニティッククォーツがそう呼ばれていたりします。紅銅ルチルとの境界線が曖昧の為こちらの名前で呼ばれることもあります。青:ブルールチル(Blue Rutile)多分存在しないと思います。なので完全なる流通名ということになります。インディゴライト(トルマリン)か、クロシドライト(アンフィボール/角閃石の一種のリーベック閃石)が内包されているものになります。あとはデュモルチェライトの場合も稀に見かけますが…そのままで十分価値があるのでわざわざルチルを謳う必要が無いというのが現状です。緑:グリーンルチル(Green Rutile)本来のルチルには存在しない色となりますので、こちらも完全な流通名という事になります。アクチノライト、グリーントルマリン、エピドートなんかが内包された物をこのように呼ぶことがあります。オレンジ:オレンジルチル(Orange Rutile)オレンジ~褐色のルチルが入った物をそう呼ぶことがあります。色で分類している以上見た目が勝負なので人によってオレンジに見えたり他の似てる色に見えたりするので曖昧です。ブラウン:ブラウンルチル(Brown Rutile)茶色のルチルが内包されているものですが…カッパールチルとほぼ同義と思っていただいても問題ないかと思います。色(太針は見た目です)によって分けられるものは大体説明したかと思います。その他にも見た目や光学効果で名前がついているものがあるので一緒に触れていきます。キャッツアイルチル(Cat's-eye Rutile)キャッツアイ効果が出るルチル。キャッツアイとは一定方向にルチルが揃っていることで光の反射が猫の目の様に見える光学効果です。ルチルに限らず様々な天然石の名前に使われます。※単純にキャッツアイ(猫目石)という粒もありますが人工ガラスとなります。光学効果の名前か粒の名前かで大きな違いですね。太陽放射ルチル(太陽ルチル)ヘマタイトを中心に放射状にルチルが伸びているものを指してます。これまた見た目の話。透明度が高いものはめっちゃ価値が上がります。そして太針になるのでギラギラしてます。フラワールチル(Flower Rutile)細かく放射状に広がったルチルが入っている物。花の様に見える事からそう呼ばれます。他にも見た目だと花火ルチルとかスターバーストルチルとか…(フラワールチルや太陽ルチルとほぼ同じ)色だとコーヒールチルとかカフェルチルなんて表現もあります。(ブラウン系ルチルの表現のひとつ)当店でもコーヒールチルとして入荷しているものがあります。このように一言でルチルと言っても色や形状によって色々な名前が付けられているのが天然石業界では通常でありやはり鉱物学とは違った部分でもあります。その点も頭の片隅に入れていただいて名前に紛らわされずにピンッと来たものを選んでいただけたら幸いです。一般的な効果の面から見た場合は内包物が二酸化チタンである場合は基本的なルチルの効果+αとなりますが、その他の鉱物が入っている場合では異なると思われます。お店はこちらから↓やどりぎstone powered by BASE世界の天然石を販売するやどりぎstoneです。縁がある子を探してくださいね。ydrg.theshop.jp