このブログが、愛国を餌にして私腹を肥やそうとするビジネスに引っかからないようにするための情報源として、いまだにどこかで機能してくれてるのだとしたら、本当に有り難い話です。

戴いたメールの要旨としては
・最近my日本の運営に対して疑念を感じるような出来事があった
・だからSNS-FreeJapanに移ろうと思う
という内容だったのですが、もう3年前の事になるので定かではありませんが、名前の出たSNSについても、「疑念を感じるような出来事」はあったし、民主主義的な団体では無かった気がします。

個人的には以前のエントリ「工作員とナショナリズム」「愛国ビジネスは儲からない」で書いた通り、特にお金がらみでトラブルのあるネットの愛国団体とは(my日本に限らず)一定の距離を置いています。

別に私生活に悪影響しない範囲で、たとえば匿名で無料のサービスを自分のために利用するのは良いと思います。でもやっぱり、既設のSNSに愛国団体としての信用を求めるのはナンセンスな気がする。

愛国活動日記みたいなのを書きたいなら、こういう中立的な(いやアメブロが親日か反日かは知らないけど、ポピュラーで政治色の薄い大衆向けの)ブログサービスをメインとして使い、SNSの日記ではブログの転記と会員との交流に留めるとか、仲良くなった人とはSNSの外で交流するとか、そういった自衛が前提になると思います。
極論を言えば、SNSにアクセスしてきた人をウィルスに感染させて個人情報を抜き取ろうとする輩がいる可能性くらいまで考えて自衛した方が安全です(ウィルスを仕掛けるのは運営者とは限りません)。

my日本の無料会員は後出しで日記を消されたり友達と連絡を取れなくされても文句の言えない立場だったと思うのですが、それに対して運営批判とか改善要求とか、はたまた課金(への支払い)なんてしても意味が無くて、特定のSNS上での活動実態が消されても自分は困らないようにしておきましょうってことです。

私は今後も他人様のSNSで主だった愛国活動をする事はありません。
my日本やSNS-FreeJapanが今どうなってるのかを調べ直して再評価するような活動もしないつもりです。
(相談事として持ち込まれたなら、可能な限りの情報収集はしてみますが)

なので、この場を借りてメールへの実質的な返信とさせて戴きます。
メールの内容や差出人さんを晒そうという意図ではございませんので悪しからず。


蛇足1

当時のmy日本を巡る問題は、平均より反日や偏向報道に対する意識が高いとされていた十代の前途ある若い方たちが、愛国ビジネスや民主的でない意見の押しつけに疲弊して去って行くのが何より痛ましいと思っていました。
いい大人が自分の稼ぎを変な使い方で失っても、それは自己責任という部分はあるかと思うのですが、お小遣い少ないから千円だけ寄付するよーなんて話を聞くと、ちょっとね。
子供を盾にSNS批判(の印象づけ)をするってのもどうかと思ったんで、当時はあんまり書かないようにしてた気がするけど、雑談系コミュやってたんで実は若いフレが多かった。彼らは元気にしてるかなあ。

蛇足2

クリプトンの見解としては初音ミクのパンツは無地って設定なんだそうです。
双子の女の子のほうは縞パンなのにね。
いろんな所で登場するし悪用もされてるからか嫌われもするミクさんだけど、自由なメディアの象徴でもあると思っています。

結構最近の日付で、
「国民が知らない反日の実態 - お知らせ_20120222」
によって、my日本の問題点が明らかになる情報が公開されていました。
http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/1683.html

失礼ながらちょっと読みづらい文章な上にIPアドレス制限?があるようなので解釈を交えると、

・自分のwikiサイトの内容を、組織的かつ意図的に、大量に改ざんされた。
 特に管理人に承諾なく、当Wikiの「協賛サイト」にmy日本を追加された。

・my日本が「小学校の住所」や「政治活動は禁止である貸し住所サービス」を使っていた。

という2点が主張の内容のように読めます。

このうち、後者については、株式会社my日本の代表者が、自ら事実を認めています。
ほかにも会誌の製本代金の不払いなどをした事などをお詫びしています。

それらは、公開文書かどうかはともかく、SNS内の目立つ場所に告知されていました。
お詫びといいつつ、論旨としては攻撃的な内容になっています。

・昔は小学校を住所にしていたが、今は正しい住所氏名を公開している。
・不払いだった代金は今は支払い済みだ。
・my日本に対する批判は今後訴訟する。

会誌がらみのトラブルについては2chまとめサイトが明るいみたいです。
http://blog.livedoor.jp/googleyoutube/archives/51725490.html



「国民が知らない反日の実態」に収益性があったかどうかは知りませんが、
ここの管理人さんは別の愛国SNSの管理人をしていたようで、
そちらのSNSにも、活動内容や寄付の使途をめぐるトラブルがあったようです。

まあ、つまるところ客観的にこの問題をまとめると、
「複数の愛国ビジネス団体がお互いを中傷しながらネトウヨから集金している」
というだけのことに過ぎない、ということです。



結論。
愛国ビジネスなんてものが流行ってはいけない。

いち日本国民として、愛国ビジネスに支払いをするべきではない。

あなたが特定の愛国団体に寄付や支払をすること自体が、
愛国を標榜する団体同士の対立を生むことになり、ひいては愛国者同士の分断につながるのです。
なぜなら、このブログでさんざん書いたように、愛国団体とは「自分のために」金を集める団体だからです。
隣の団体に寄付金が渡ると嬉しいのがボランティア。怒り狂うのがビジネス。

仮に経済の面から日本をよくしていこうという意思があるなら、
あなたは愛国ビジネスの消費者になるのではなく生産者になるべきであり、
仮に愛国団体が株式会社を設立するのであれば、
愛国者から集金するのではなく、愛国者を雇用して、非国民から金を巻き上げないと、日本の経済はちっとも良くならないわけです。

今年は「ステマ」なんて言葉が流行ったのでそれっぽく言うと、
「ビラを撒くから寄付ください」というのは、愛国を言い訳にした会社宣伝のステマなのです。
ビラに団体名が入っている時点で、それは団体の宣伝というビジネスが成立しているのです。



これからも愛国ビジネスはいくらでも増えていくと思います。
個人的には、こんな効率の悪いビジネスはありえないと思ってますが、
自尊心を満たしながら飯代もまかなえるという観点では、一部の人には魅力なのかも知れません。

こんなものに騙される奴は愛国者じゃないよ!

せっかく「正しい情報を知って、自分を変えていく」事を覚えたのだから、
「常に自分で考えて活動する」という事を、ここまで読んでくださった方には大事にして戴きたいと思います。


「愛国活動に学ぶ」主張おわり。





蛇足すると、以前は「愛国団体が株式会社を設立すること」自体は、アリだと思ってました。
上にも書きましたが「日本人を大量に雇用する企業」は、愛国活動の強い柱になり得ます。
実際には、それで成り立つ事業なんてものは現れず、いわば「身内が買った物/払った金だけが売上になるビジネスモデル」ばかりで、給料なんて配れるわけがないのが、残念なところです。
ほんとに非国民から金を巻き上げなくてもいいのよ。身内じゃない愛国者から収益を得てもいい。
給料がきちんと貰えるビジネスをやるべきです。

my日本の活動として一番まともだったのはグッズ販売だと思ってます。
(非営利を標榜していたことが詐欺的だというのは過去に書いた通り。現時点では非営利の表記は無し。でも、SNSからmygoods.jpへの誘導がないので、いまでは黒歴史扱いかも)

会社を作る→グッズ販売する→たくさん売れる→社員が増える

という流れがきちんと確立できるなら、ビジネスとしては非常に健全です。
日本国民が、日本の工場で、日本の材料で、日本人のデザインで、Tシャツを作りました。
一着6千円です。高いけど買ってください。と言って、それで会社が成り立つなら、大拍手です。皮肉じゃなしに。

エルピーダが民事再生法を適用するのとか、凄い残念な話です。国産のメモリメーカーだったからです。
でも、エルピーダがやってることは「愛国ビジネス」ではないし、
メモリ買ってる人も「愛国心」が第一義じゃなくて「品質」や「信頼性」で買ってるわけです。
「愛国活動だからグッズ買ってね」と言っているうちは、愛国グッズ販売ビジネスが成功することは無いでしょう。
「いいグッズだから売れる。地味に愛国心も満たされる」という順番でなきゃいけません。
アムウェイのほうが、そういう言い訳作りはまだ上手。

愛国ビジネスでビッグになろうと思っているアナタは、
つまらない詐欺まがいの小銭稼ぎなんてしようとせずに、思い直してくれ!
投資して貰える事業計画書書いて、投資して貰った金でビジネスやって、ビッグになって、日本人を雇って、それで日本を実効支配しましょう!


ほんとにおわり。

「my日本に寄付した金が裏で民主党に流れている可能性があるからmy日本を脱退します」という話を聞いて、その帰属意識の高さが怖くなったので久々に記事を書こうと思った。

ネット上で活動している愛国団体は沢山あって、悲しいかな組織間の対立や内ゲバも勃発しているみたいですが、そもそも「工作員」という言葉自体が自意識過剰から来る空想の産物なんじゃないでしょうか。

いや、「工作員なんて居ません」という話ではなくて、元々「愛国団体」という概念自体が虚構に過ぎないということが言いたいのです。ナショナリズムが帰属する先はSNSではなく国家です。

perlというプログラミング言語では、グローバルな世界とローカルな世界を区別するために、ローカルな世界には頭にmyを付ける事になっているんですが、ナショナリズムが帰属する先は「日本」であって「my日本」ではない。

そこを誤解して、「名誉が欲しい」「名誉を得るには愛国活動だ」「愛国活動のためにmy日本を宣伝しよう」と曲解すると「my日本はタダの営利企業に過ぎなくて日本とは違うじゃないか! 騙された!」って結末になるのです。

my日本じゃなく、日本を愛してください。

まず、「愛国団体」という空想の産物に過剰な期待を持たないこと。
my日本がどんなに私利私欲を満たしていようとも、裏で民主党と繋がっていようとも、あなたはそれとは関係無く愛国者であるべきです。それが出来ないのなら、あなたは日本に対してするべき貢献を、誤ってmy日本に対して行っているということです。my日本が今日突然潰れた(もしくは民主党への応援を表明した)として、それでもあなたは自分が愛国者だと胸を張って言えますか? my日本への貢献にかまけて日本のためになることをしてこなかった人は決して胸を張れないでしょうが、それは自業自得です。

そして、当然、当該団体や参加者に対して過剰な信頼を寄せないこと。

無防備にも個人情報を晒したせいでリアルで迷惑に遭っているというケースは本当に多いです。
一人や二人ではないです。
総じて女性の方ですが、絶対に誰にも個人情報は晒さないと硬く守る程度が丁度良い。実名寄付も禁止です。
男だからって油断していてはいけない。
女の人が狙われる理由は性的な理由よりも弱者だと思われている事にある気がします。

思うに「愛国団体」という虚構を信じようとするプロセスって宗教にとても似ていると思う。
政治の悪い話を聞いて人間不信や疑心暗鬼に陥った後は、何かにすがりたくなるのかも知れませんが、国家規模の大きな問題よりも、あなたの身の回りの生活のほうがずっと大切なんです。そこを取り違えないで欲しい。

「愛国団体」信者は、疑心暗鬼をこじらせすぎて、異論を唱えるものをすべて破壊工作員だとレッテル張りし、自分の信じる団体の意見以外を聞き入れないことで自我を保とうとしている狭量で攻撃的な人達です。そういう手合いに関わる事がリアルの生活を脅かすようであってはいけない。断じて。

日本を愛する方法は、愛国団体に入信することとイコールではありません。
SNSなんて無料レンタルもあるんだから、自分にとって居心地の良い場所を探すか、無ければ作ればいいだけです。mixiでもなんでもいいし、SNSに入らなければいけないという理由すら無い。
よく「何も活動していない人は悪だ」みたいな言い方をする人がいるけど、ナショナリズムと寄付やボランティアを混同させようと導いていること自体がミスリードで、時として悪意(寄付させるための脅迫)を感じます。

変な宗教を始めるんでなくて、多くの人が日常に生きながら、当然の思想としてナショナリズムを持つべきです。

それがわかった上で、交流やら何やらのためにSNSを使ったり、金稼ぎのために愛国ビジネスを始めたり、自尊心を満たすために愛国ビジネスに寄付をするのなら、それは幸福の追求の権利として当然に認められることでしょう。
「わかってない人」が無防備に手出しをして、被害にあって、やっぱり辞めます、というのは悲劇です。
悲劇を繰り返してはならない。