昔、都にあるお医者様がおったそうな

なかなか患者さんがこないので、西国へ旅にでることに。


その道中、突然空が曇り、雨が降ってきます。

近くに雨宿りする場所もなく、困っていると、次第に雷がなり出し、だんだん近づいてきます


慌てて逃げようとすると


ごろごろ~!!!ど~ん!!!



なんと目の前に雷様が落っこちてきたのです(>_<)


あまりのことにびっくりしていると雷様が


お前は何者だ?

と尋ねるので

私は医者でございます

そう答えると雷様は


それは助かった!雲の切れ間から足を踏み外して落ちて腰を打って痛くて痛くて×

治療をしてくれ


すると医者は


そ・そんな、雷様の治療なんてしたことありません。勘弁してください


すると雷様


な!なんだと~!!頭から噛み砕いてやる!!!!!    あ~たたた・・・


あ~治します。治療しますから命を助けてください(>_<)


よし、やれ



ん~それではまず脈を取りましょう。脈は人間の場合左右の手の筋で取るのですが・・・雷様は天のお方ですから・・・頭脈でしょう。頭から取りましょう


ん~・・・よし。

私は針をしますので、腰に打ってあげましょう


い・いたくないように頼むぞ


おまかせください


いきますよ~

えい!!!


あいたっ(>_<)い・いたくないようにたのむ~


なんと大げさな雷様だ。我慢なさい!えい!!!えいえいえい!!!


いたいいたい(>_<)



さあ、これでいいでしょう

いかがですか?



お?

おお???

治ったぞ?


お前はすごい医者だ。助かった。これで天に帰れる。

何でも褒美を取らすぞ。何でも言いなさい


いえいえ、私はそのようなものはいりません。あなた様がご本復なされればそれでかまいません。


な、なにをいう。それでは私の気が治まらない。よし、では望があれば何でも聞こう



ん~別に望みもございませんが・・・

あ、そうだ、ではお願いします。

世界で田畑を植え始める5月には入梅、6月は日照り、また稲を刈る8月にはまた雨が振り続きます。

また、私たちのように諸国を旅するものは夏があまり暑すぎても困ります。

とにかく国土が豊かになることが民の幸せです。干損水損なく、穀物がうまく育つよう、よろしくお願いします



な~んだ、そんなことか。私は雷。雨を降らすも降らすまいも私の思うままじゃ。任せておけ。

また、お前のような名医はおらぬ。そちを天薬の神にしてやる。

さあ、私は天に帰るぞ。

向こう800年、干損水損ないようにするからな~




と、雷様は帰っていき、お医者さんは旅を続けられたそうです。



もう800年経ったのかな。近年の異常気象・・・