大抵のライブは当日の演奏直前に緊張が高まり 1、2曲やり終えてある程度落ち着くのだが、

今回は違った。


古道具屋2人での前日練習予定も、相方の都合が悪くなり2日前が最後の合わせとなった。

2人とも『どうしよう…どうしよう…』という状態だった。

もちろん練習はそれなりにやってきたつもりだが、

やはりオープニングの選曲のせいだったか…


広島そごう・からくり時計

(It's the small world)のコピー


オレはオレで、

いきなりギターソロで始まる緊張、


相方にとっては、

初めての歌無し演奏、

しかも、サイドギターといっても

普段のようにローコードを押えてアルペジオというわけにはいかず、

ハイポジションに飛んだり

メロディーを挟んだり

相方にとっては初の試みだった。

おそらく、相当個人練習したに違いない。

相方が頑張ってるのにオレが転けさすわけにはいかない…

それも緊張の種だったかもしれない。


演奏が始まった。

https://youtube.com/watch?v=yJkih9ltrIY&si=VgeikK96q7ootxX3 


意外に、必要以上の緊張はなかった。


少し音が出なかったりと細かいミスはあったが、

最初の山をクリア出来た。

相方も同様だ。


二つ目の山


今回初披露曲に演歌を持ってきた。

もちろん『演歌ギターがやりたい』と持ち出したのはオレだったが、もうあまり相方に負担をかけられないと思い、彼が普段弾き語りしている『氷雨』を選曲した。

「この曲は受けがいい」らしい。


だが結局、

彼がやり慣れている原曲+2のEmから、「演歌っぽい」という理由でカポ2のDmに変えさせた。

またしても負担をかけてしまった。


オープニングの曲に手がかかり、『氷雨』への取り組みが間際になってしまったが、何とか間に合った。

相方のアドリブ・コール&レスポンスもやり慣れているとはいえ、お見事だった。


三つ目の山は、やはり

『CIRCUS』


前回初披露だったマアナライブでは、

結構転けたこともあり、

再び個人猛練習…

アレンジも少し手を加え

前回より数段いい出来だった。


演奏を終え楽屋へ…


相方と顔を見合せ

「よかったよ」

「うん、よかった」

と。


お互いそう言えたのが何よりだ。

過去のステージで あったかどうか…



そして、

オレは衣装を急いで脱ぎ、

『おたぶ』ステージへ向かう。



1曲目 おたみの処女作

『かぜは吹いてるよ』


今回の見所か?

おたみがソプラノリコーダーを吹いた。

もちろん、片手で押えられるソ・ラ・シ・ドだけの音階。


歌いやすいようにと、元々のキーを下げCにしたのがピッタリあてはまった。


だが、不安定なことに変わりはない。

リコーダーを膝に置いてみたり4点杖で軽く固定したり四苦八苦していたが、

本番が近づいたある日、固定無しで吹けるようになった。


そして、フリーにしていた右手も

数日前に作業療法士さんのアドバイスを受け吊ることによって

他に要らない力がかかる度合いを減らすことが出来たらしい。

https://youtube.com/watch?v=3nMFpoN312w&si=Lnv9tUr-9wG3wAQ6 


本番は、練習の時ほどは音が出せなかったが、進化したことには違いない。


2曲目『いま、夜空へ』

おたみが歌い出してから気づいた。

「あれっ、6弦のチューニングがおかしいぞ…」


実はこの曲、ギターアレンジのため変則オープンDチューニングという特殊なチューニング。

更に、おたみのキーに合わすためカポ2にしていたのだ。


合わせたはずなのに…


曲をやり直すには、もう進み過ぎていた。

開放弦を多く鳴らすので小細工も効かない。

もう、それでやるしかなかった。


演奏はほぼ完璧だったのに、勿体なかった。

おたみの泣きながらの歌唱が書き消してくれただろうか…


いやいや、チューニングはミュージシャンとしての基本

反省


ラスト『きせき』

右手を吊ったおかげで左手を振ることが出来たらしい。


必死だけど、楽しめただろう。


もちろん、『酒夢路』のステージもよかった。

楽しめた。





さて、おたみは例によって2、3日はぐったり…かな?


と、下書きに記したが、

帰ってみると意外に元気だった。


気の持ちようなのか、体が順応しつつあるのか…