3秒間目を閉じていていまからあなたに魔法をかけるからその瞳開けたらどうか私のことなど忘れてますように

3秒間目を閉じていていまからあなたに魔法をかけるからその瞳開けたらどうか私のことなど忘れてますように

体は剣で出来ている。血潮は鉄で 心は硝子幾。たびの戦場を越えて不敗。ただの一度も敗走はなく、ただの一度も理解されない。
担い手はここに独り剣の丘で鉄を鍛つ。ならば、我が生涯に意味は不要ず。 この体は、"無限の剣で出来ていた"。

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~白墨の裁判~


?「見つけたぞ!!」

グ「?な、なんなんですか貴方たち!」

グルシェはミヘルをかばうように前に出た。

?「お前なんぞになのる名前などない。

  ミヘル様を返せ!」

グ(ミヘルのことを知ってる?

  まさか、あの貴族のつかえてた人!?)

?「ミヘル様、奥さまが心配していらっしゃいます

  一緒に帰りましょう、こんな身分の低いやつといてはいけません」

ミ「奥さまって誰?

  僕のお母さんはグルシェだよ?」

?「なっ!?

  奥さまのことをお忘れになられたのですか!?」

グ「ミヘルさがってなさい」

グルシェはミヘルに優しく微笑みミヘルの前へと出た。

グ「確かに、あなたたちが言う奥さまって人がミヘルのお母さんよ?

  でも、そのお母さんはミヘルを見捨てたじゃない!

  あの火事の日、夜中にミヘルを置いて逃げたそうじゃない。

  いまさらになってミヘルを迎えに来たなんて、都合がよすぎじゃない!」

?「確かにあの日俺たちは奥さまと城を出た!

  ミヘル様のことに気付かなかっただけなんだ!」

グ「だから何よ!

  あのまま私が気づかなかったらこの子・・ミヘルはあの城で

  死んでいたのよ!?

  どうせ、跡取りがいないからミヘルを返せって言ってるのかもしれないけど

  貴方たちにミヘルはわたさないわ!」

?「ずいぶん勝手なことを言ってるじゃない・・。

  あんたの顔は城にいた時から嫌いだったけど

  今の発言でもっと嫌いになったわ」

グ「!?」

?「奥さま!!

  わざわざいらっしゃらなくても・・・。」

奥「うるさい!

  現にあなたは今グルシェに負けてたじゃない!

  この役立たずが!

  あんたがわたす気がないのなら、

  裁判で決めようじゃない!」

グ「・・・・。

  わかったわ」

ミ「お母さん・・・。

  あの人だれなの?

  空気が気持ち悪い・・・。」

奥「ミヘル!!

  あぁ、会いたかった!

  お母さんよ?覚えてない??」

ミ ゾクッ「し、知らない!

      僕に近づかないで!」

奥「!

  グ、グルシェェェェ!!

  貴様私のミヘルに何をした!」

グ「何にも

  私はただこの子を本当の子のように愛していただけよ」

ミ「お母さん!

  帰ろう!!もうこんなところにいたくない!」

ミヘルは泣き出した

奥・グ「っ!」

奥「そ、そうね!

  今日のところは許してあげる、裁判の日が決まったら

  伝えに来るわ」

貴族たちは帰って行った


ミ「お、おかぁさん!

  お母さんは僕の本当のお母さんじゃないの?」

グ「うん・・・。

  今まで黙っててごめんね・・・。

  あなたの本当の親はあの貴族なの・・・。

  私はその貴族に仕えてた使用人だったの・・・。

  ご、ごめ、んね・・・。

  私みたいな人が親で・・・。」

ミ「お母さんはお母さんだよ!!

  あの貴族とは違う!!

  僕のことちゃんと愛してくれた!

  血がつながってない僕のこと本当の息子みたいに!」


裁判当日~

裁「これから裁判を始める!

  裁判方法は、中央に白墨の円を描く

  その中に息子ミヘルを立たせ両腕にロープをつけ

  両方の家族が引っ張り合い

  ひぱってミヘルが行ったほうに親としての権利を与える

  負けたほうは、今後一生ミヘルに近づくことを許さない」

グ(なっ!

  両方から引っ張り合ったら、ミヘルが・・・。)

グルシェは・・・。


~グルシェの子守歌~

グルシェはミヘルと過ごしてきた日々を思い出していた・・・。

今までどんなに辛い仕事だってミヘルのためなら頑張れた

ミヘルはどんなに辛くたって私に心配させないように笑顔を絶やさなかった

そんな子なのに、私たち大人の事情でこの子につらい思いなんてさせたくない!

でも、私にとって家族はミヘルしかいない!

私のそばにいてほしい・・・。


ミ「お母さん・・・。

  僕なら大丈夫だよ?

  だって、男の子だもん・・・。

  そんなつらい顔しないで・・・。

  僕がそんな顔してた時いつだって歌ってくれた

  あの子守歌僕大好きだよ?

  大好きだからそんなかお、しないで・・・。」

ミヘルの目からは大粒の涙が

この涙は自分の感情じゃない、多分グルシェの愛を受けて育ってきたから

人の感情には敏感なんだ・・・。


そうだ、ミヘルがまだ小さかった頃、あやすときによく子守歌歌ってたな・・・。

あの歌覚えてたんだ・・・。

すると、どこから流れてきたのかわからないが子守歌が聞こえる・・・。


その瞬間・・・。

グルシェの口からは

「ミヘルを引っ張り合うなんてできない!

もう1度だけ、もう1度だけでいい!

だからこの手にあの子を、ミヘルを抱かせて!」


そんな話を聞いて、裁判官のアズラックは判定を下した

グルシェがふと顔を上げると周りから歓声が・・・。

いったい何が起こったのだろうか・・・。


~民衆の踊り~

グルシェの判断は正しかった

痛がるミヘルを思い、ロープを手から離した

そんなグルシェを見たアルラックはミヘルの親権を

グルシェに与えたのです。

グルシェはその場に泣き崩れました・・。

そんなグルシェのもとにミヘルがやってきたのです。

ミ「お母さん!

  ありがとう、僕のこと思ってくれて!

  これで本当の家族になれたんだよね?」

グ「うん!

  わたしはミヘルの本当のお母さんになったんだよ!」

そんな2人を見ていた大勢の民衆は手をつなぎ輪になって踊り始めました

そんな風に民衆たちは、2人の幸せを祈りながら祝福したのです。


あ、ここだけの話、

負けた貴族たちは領地にしていたこの地から追い出され

ただの平民になり、今まで自分たちがしてきたことを

ほかの貴族にされてたのでした・・・。



それとその10年後、

ミヘルはなんと、ヨーロッパ1大きい貴族の令嬢、王に気に入られ

その貴族に婿入りし、4人の子宝に恵まれ

妻、子供4人、王、グルシェと幸せに暮らしているそうです・・・。


~終わり~


この話はあくまでも私の想像ですゆえにご了承ください!