去年の今頃、会社で社員旅行があった。
俺は十数年ぶりのインフルで行けなかった。
今年も行きたいと思っていた。
だが、今年はやらないそう。
というのも、幹事の女の人が旅行の後辞めた。
旅行の後幹事の人たちをお祝いする飲み会もやったけど、
俺は参加しなかった。
花束贈呈したりして過度な演出に見えた。
俺はその時幹事の女の人が辞める気がしていた。
重役にも声を大にして旅行をアピールしていた彼女の様子から、
俺は社員旅行に永遠を感じなかった。
一度きり、しかし強烈なインパクトのある旅行にしたかったのだろう。
でもそれは俺が日常で求めるものと異なるものだった。
旅行などのイベントは定期的にやりたい。
定期的にやっても毎回同じことになる訳ではないし、
何しろ定期的であることで楽しみが積み重なっていくのが面白いと思う。
自分はここにいてもいいという場所を見つけたのが大学生くらいのときで、
事実もっと早くから居場所を見つけられればという後悔もある。
もっと多くの居場所を見つけるために今の会社に入社した訳だが、
安心感を感じない社員旅行は俺の居場所ではなかったと思う。
永遠を感じないまま社員旅行に行っても俺だけ気が冷めちゃってしまうだろう。
同僚にあの社員旅行の話をするときは、
建前上俺は旅行の黒幕ですって言ってる。
本音をはっきり話せる同僚はたぶんいない。
自分の口でも説明しづらい感覚を分かってくれる人もたぶんいない。
こうして俺は今日も眠り、次の居場所を探す旅に出る。