大層なタイトルをつけてしまった。すでに竜頭蛇尾の予感がする。


 私は別に平山ユージさんのことをよく知っているわけでもなく、丹念に取材したわけでもない。
 ただ、平山ユージさんについて思うところがいくつかあるので書いてみたくなったのだ。


 まず、常識だと思うがクライミングが異様にうまい。海外の書籍でも「ユージの美しい登り」といった記述を目にする。
 どのくらい美しいかは私にはちょっとわからないくらい上手い。ピアノのショパンコンクールの1位と2位の演奏のどちらが美しいのかわからないのと同じだ。
 しかも、コンペ、フェース、スラブ、トラッド、ビッグウォール、全て最高だ。球技で言ったら、ゴルフも野球も卓球も世界ランカー、というような無茶苦茶な実績だ。


 アイスクライミングとエイドとワイドクラックは、多分私の方ができるとは思うのだが、平山さんが始めれば、私は初日の昼には抜かされるだろう。


 さらに、である。城ケ崎に「炎のメリーゴーランド」という素晴らしいルートがある。杉野保さんが初登した5.13cだ。私は第2登し、その記録を山岳会のホームページに書いた(現在はこのブログに掲載している)。
 このルートについて書く中で、私はムーブやプロテクションにも若干触れ、
「ムーブの記載があるため、オンサイト狙いの方はご注意いただきたい。平山ユージ以外にいればの話だが。」
と書いた。このルートには、一般的にはオンサイトを狙ってはとりつかないので、ふざけ半分でこう書いた。私は8回もトライしてレッドポイントしている。
 2019年、平山さんは本当にオンサイトしてしまった。もちろん平山さんのオンサイト最高グレードよりは大分易しく、当然なのかもしれない。
 それにしても、私がふざけ半分で書いたことも実現してしまうことには驚いた。
 

 明るくオープンな人柄にも定評があり、20歳そこそこでいきなり単身外国へ修行に行っても現地のクライマーに溶け込んで、しまいには一緒に住んでしまう。名前の表記も今やユージ、のコスモポリタンだ。
 

 そして、ここから私の自慢が始まる。平山さんの身長は173。私と一緒だ。産まれは1969年、これも私と一緒。ふぅ、自慢してスッキリだ。
 だが、そのことを平山さんに話した時、産まれた月も話題に上がり、平山さんが早生まれだと判明した。平山さんは「学年は僕が上だね!」とあっさり先輩になった。オス!先輩、チワッス!ちょっと人間臭さを感じた。
 

 もう一つ、スーパースターである平山ユージさんも、やっぱり人間なんだな、と思う出来事があった。平山さんのジムであるベースキャンプ飯能へ行った時、丁度平山さんは帰るところだった。その平山さんのTシャツの裾が濡れていたのだ。
 私には一瞬でわかった。平山さんは帰る前に手を洗い、シャツの裾で拭いたのだ。ああ、平山さん、僕も、僕もつい裾で拭いちゃうんですよね・・・。子供の頃、母にやめろと言われたのに。
 世界のユージとの距離がちょっと縮まる、そんな一瞬だった。
 

 

 
 終わり。
 
「人間平山ユージ」って・・・こんだけ?って感じだが、遊びの文章ゆえ、ご容赦いただきたい。竜頭蛇尾という予告通りにできたことについては、我ながらよくやったと思う。ごめんなさい。