土砂災害
最近は土砂災害が多い。
その原因のひとつは、温暖化により雨の降り方が激しくなっているからだとも言われる。
集中的に短時間に大量の雨が降れば山崩れが起き、その対策として砂防林なども検討されるのであろう。
しかし私はここで別の原因と対策を述べてみたいのだが、それは意外にもその植林だ。
山の木は災害を防ぐと考えられがちだが、実際には鉄砲水とともに多くの材木が流されており これらは皆ひとの手により植林された木が多い。
植林する時にはまずその前に古い木を切るが、高く売れる木は大木が多く その野生の古い大木は深く根を張っている。
それを切り倒して売り払い その後には早く育つ木を植えるがこれは表層にしか根がなく、強い集中豪雨には防災の役を為さない。
自然は時間を掛けて山の保水力を維持しているが、ひとの経済観念 市場原理主義は、この英知を蔑ろにする。
利益を求めるだけでは循環している環境を破壊してしまうのであるから、競争を超える知恵を生かす必要がある。
即ち規制であり 計画、投資だ。
費用が掛かっても時間を節約せず 手間暇を惜しまず自然に逆らわない謙虚さでじっくり取り組む。
短期的な利益でなく このような長期的な視野は日本の得意とする所であり、長い視点で行うべき事業なのである。
自然災害が人災とならぬよう、山の声に耳を傾けたい。