手術直後から続いていた胃痙攣からの睡眠不足も、よく効く痛み止めに変えてもらってから一気に好転、お腹にささっていた管も引き抜いてもらい、リハビリで院内の廊下や階段を歩き出したのは手術後7日目のことでした。
点滴からの栄養ではなく、久しぶりに口から食事をとりました。
それが僅かな水っぽいおかゆだったとしても、自分の身体が健康に向かっている実感を感じられてちょっと嬉しく思いました。
10日目にはそろそろ退院に向けての準備が始まり、2週間たったところで自分で荷物をまとめて病院を後にしました。
家族を呼ぶほどの大事でもないかなと思ったので、そのまま荷物の入った袋をたくさん抱えて駅の方に向かって歩き出しました。
マスクをしていても感じる外の空気のにおい。街の騒音。たった2週間しか社会から離れていないのに病院とは違った環境に身体がおどろくほど適応しない。
リハビリでは元気に歩けたのに、ちょっとした坂道や階段を登るのがしんどい。車のクラクションに過敏に反応してしまう。
もう今までの自分とは違うんだなと色々な事で思い知らされてしまい、ちょっと気分を沈ませまがら帰宅。
自分の部屋に戻ってくれば気持ちも落ち着くかもしれないと思っていたのに、無性に煩わしく感じてしまい、昼間だったのにそのまま寝込んでしまったのでした。
つづく