まさかと思う話が自分のところに舞い込んできた。
Spank!からのお仕事の相談の依頼。
わたしはその日ちょうど休みで、ダラダラ携帯をいじっていた。
なのに内容が内容なあまり、思わず飛び起きた。
送られてきた文字を凝視しながら、混乱している頭を整理する。
でもすぐに整理はつかなかった。
よく分からないまま、ただひたすらにSpank!からのお願いを引き受けなければ、という気持ちだった。
『こんな自分でいいのか』という気持ち以上に、舞い込んできたチャンスを掴まなければ、という気持ちの方が大きかった。
Spank!はその時危機に追い込まれていた。
中野ブロードウェイでのまんだらけの事件を覚えているだろうか?
向かい側にアダルト商品を扱うお店がオープンし、客に考慮したSpank!(以下、すぱんく)はお店を休業せざるを得なくなった。
そこでヘルプを投げかける投稿をツイッターで行ったところ、賛否両論の大炎上となったのだ。
この事を3日後くらいに知った自分、(この時期コロナにかかっており、浦島太郎状態だった)まさか自分の好きなお店がここまでネットで大騒ぎになっているとは思わずただただビックリだった。
お店を休止している事自体は事前に知っていたが、こんな理由で休んでいるなら、これから先どうなるのだろうと不安だった。
けど、何もしてあげられることができない自分がやるせなかった。
自分のできることは何だろう?と考えた。
とにかく応援メッセージを送り、ファンとして少しでもお店が存続できるようにという気持ちで、ネットで商品を購入した。
自分ができるのはここまでだと思った。
後はただただ見守ることしか出来ないと…。
しかしそれから約1ヶ月後、オーナーのTavuchiさんからの突然のメッセージがきた。
それが今回のお話である。
正直、自分は本当に気まぐれな人間で、自分の好きな時に、自分がやりたいと思った時に、パソコンを開いてダラダラと素材を作る人間だ。
そのため営利的な活動をしたことは一回もない。
なぜなら、金が絡むとプレッシャーがかかってやる気がなくなってしまうからだ。
そう、以上のことからも分かるように、自分はかなり面倒くさがり屋な人間である。
好きな事を仕事にするっていうのはとっても幸せな事であり、今でも自分の憧れのライフスタイルだ。
けれど自分には向いていない。
好きなことを仕事にすると、好きだからこそ本気になって、完璧主義になって、好きなものが好きじゃなくなる危険性があると思っていた。
そのもどかしさがあるから、自分からアクションを起こすことはできていない。
しかし今回の話は自分の中で一味違った。
こんな自分だから、不安もかなりあった。自分がこんな大仕事務まるんだろうか?と。
でも、それ以上に、やりたい、早く作りたい、という気持ちでいっぱいだった。
いつも後回しにしてしまう自分だったけれど、その時の自分は早く形にしなきゃ、と生き急いでいた。
まず初めにラフ画を考えるため、パソコンとノートを持って近所のジョナサンへ行った。
祝日だったので家族連れも多く混んでいたが、比較的早く入れた。14時ぐらいから入店して、店を出たのは20時ぐらいだった。
しっかりパフェも食べた。
自分にとって、スタートを切ることがいかに大変で、ハードルが高いか。
けど、逆を言えば、スタートさえ切っていれば、そこからの行動は早いと自己分析した。
なので、ラフ画が決まってからは、週末土日はパソコンを開きひたすら作業を続けた。
何日かして、Spank!さんとの打ち合わせ。
この時はまだ新店舗で再スタートするという話はオフレコだったので、誰にも言えずとってももどかしかったけど、『やった〜!!!よかった〜!』という気持ちだった。久しぶりにTavuchiさんやrococoさんともお会いできて、興奮が止まなかった。
最初はこのシャッターのラッピングをデザインする予定だった。
生で見た時はこんなに大きいんだとびっくりした。
この時のお二人すっごく可愛くてやべーやべー思いながら写真を撮ってた。(いや本来の目的そこじゃない)
これもようやく公表できる。
絵になるね、ほんとに。
2人にお会いして生でいろんな声を聞けたから、ますます頑張らなきゃ!やらなきゃ!って気持ちにさせられた。とにかく2人とも優しくて、デザインの要望とか色々質問したのだけれど、「みぽちゃんにお任せします」って言ってくださった。
自由にやらせていただけることが何よりもありがたいことで、それと同時に絶対いいものを作ろうという気持ちにさせられた。
ガチガチの仕事感ある打ち合わせを覚悟?予想してたけど、2人ともいつもお店でお話ししてくれるような空気感で、終始穏やかな打ち合わせ(?)だった。
10月に突入してからは、ほぼ毎日すぱんくのことを考えていた。
普段の仕事中もロゴはどんな感じにしようかとか、どんなモチーフを入れようかとか。
暇なときは裏紙にラフ画を書いて案を考えていた。(サボるな)
帰宅してからはすぐにご飯を食べてお風呂に入って、パソコンを開いて作業をした。
自分でも驚くぐらいの行動力だった。
いつもの自分なら風呂に入ってすぐ寝るのがデフォなのに。平日なんて翌日のことを考えてすぐ寝たがるのが自分なのに…。
すごい時は深夜0時を過ぎても作業していた。気づくとそれぐらいの時間になっているからだ。
最長で3時くらいまでパソコンと睨めっこしていた時もあった。
途中経過がこんな感じ。
10月末には最終デザインを完成させる予定でいて、何とか順調に進めることができた。
ワクチン接種があって副反応が凄かった夜もゼェゼェ言いながらマウスを動かしてたのをよく覚えているwwしかも朝方まで作業してたw
(しかもしかもそのあとロキソニン飲んで出かけたりもした(迷惑)そん時の自分どうなってんだ)
人って本気出したら病気なんて関係なく動けるんだなって思った瞬間でもあった…w
何とか無事完成形を提出し、ひと段落。
そこからすぐにTavuchiさん達からのレスポンスをいただいて、さらに修正を加えました。
そして完成(最終版)したのがこちら↓
シャッターの表向き(外側)のデザインです。
汚いけど、ラフ画はこんな感じでした。
わりと初期のイメージどおりに再現できました。
初心者ながら、よく頑張ったと思います…。
完成した時は自分で自分を褒めました。
日が出て明るくなり始めたと同時に、頭で描いていたものを自らの手で形にすることが出来て、ほんとに感極まりなかったです。
***
後日、待ちに待った壁紙のお披露目が来ました。
この日はドキドキで、いてもたってもいられない状況でしたww
原寸大を見るのはこの日が初めてだったので、どんなものになるのか本当に見当もつかなかったからです。
イベントやオープン準備があって多忙な中、Tavuchiさんとrococoさんも来てくださいました。
最初は何もない状態だったのが、、、
じゃじゃーん!



職人さんの手で綺麗に貼り出されました。
後ろ姿が可愛すぎるおふたり。
この時私は泣きそうでした。
自分の作ったものがこんな大きくデカデカと載せられるのも夢みたいだし、しかもそれがずっと昔から好きだったお店の壁に貼り出されるって考えたら、もう、、もう、信じられなくて。笑
2人ともすごく喜んでくださって、ここまで(最後まで)不安だったけど、ホッとしました。
壁紙が張り出されるまでは、何が起こるか分からないと思ってたので、ほんっとに肩の荷がおりた瞬間でしたww
翌日には、すぱんくのInstagramにも掲載してくださいました!!!
中側(店内側)はこんな感じになってます!
この場を借りて。
Tavuchiさんをはじめスタッフのrococoさん、このような機会を与えてくださって本当にありがとうございました。
とっても貴重な体験ができて、自分自身成長することができたと思います..!
そしてたくさんの方々に愛されて、無事にオープンできたことをファンとして嬉しく思います。これからもずっとずっと私たちのSpank!でいてください。応援してます。
そして、過去の自分へ。
中学の頃にSpank!のホームページを見つけて以来、私は自分の好きなものを確信しました。
そして確立した自分のスタイルとアイデンティティ、“Fancy Gangstar”は、紛れもなくSpank!の世界観が影響しています。
すぱんくが好きすぎるあまり、すぱんくのようなデザインや世界観を意識した素材を作ってそれをずっと運営し続けてきた自分。
よくぞここまでやってきてくれたね!!ww
何の意味もない、ただの自己満足で、それが少しでも誰かの役に立てれば良いなと思って続けてきたけど、本来の目的はあくまでも「趣味の一環」でした。
けど、それがきっかけでここまで大きな出来事につながるとは思ってもおらず…
ほんとに、あの時の私を褒めたい。すぱんくを見つけた自分と、ホームページを続けてこれた自分、そして、東京をずっと好きでいる自分。
わたしはこれを機にもっと、もっともっと中野が好きになりました。
ずっと憧れの東京。そして(勝手に)ホームでもある中野。
このお仕事を機に、私の中で中野という街がもっと輝かしく誇りになりました。
なんでも続けていれば、夢は叶うんだね!!!
これ以上話してても本当に語り切れないのでここまでにしときますが。
私の言いたいことは以上です。
すぱんくに関するお話は他にもあるので、後日また書きたいと思います!
このブログさえも未だに見てくださっている人がいるのか分からないけど、、
最後までお付き合いくださってありがとうございました!
(途中から敬語に切り替わってて読みづらくてすみません..)