グレーのようなブルーのような世界がアヨンの目に映る。
今はバスに乗っていて、地元から都内まで向かっている。
理由を簡単に説明すると、ママの近くにいるのが嫌だったし
家の中にいるのがストレスだから、彼氏の家に数日だけ
泊まらせてもらうことにしたの。
でも 相変わらず、バスの中っていうのは退屈だよね。
長い時間、ただ座っているだけだから
アヨンの頭の中は、また食べ物で埋め尽くされたよ。
今日は、韓国の食べ物を食べたい。
新大久保に売ってる、今流行りのチーズハットグ。
チーズの粉がかかった、フライドチキン。
ここに、マスタードをつけて食べるのもすごく美味しそう。
アヨンの彼氏は、アヨンの健康を第一に考えてくれるから
彼氏の家に行くと、たくさん食べさせられる。
「もっと、食べて。もっと、食べて。」って。
だから、今日彼氏の家に着いたら
韓国の食べ物を食べに行くと思う。
でも、また食べてしまった罪悪感に包まれて
吐き気に襲われるんだよね。
多く摂取してしまったカロリーを消費するために
たくさん運動して、下剤を飲まないと。
朝、歯磨きをしながら、服を全部脱いで
鏡の前に立ったけど、昨日よりも
脂肪が増えていて、自分に失望した。
お腹が大きく膨らんでいたし、
体のラインが全部消えていた。
「食べてもいい事なんて何もないのに。」
早く細くなりたい。
もっと痩せたい。