人と人が理解し合うということは、余りにも難しい。



他人の思想を100%受け入れる事は不可能だ。



逆に自分の事を全て理解してもらえるとも思えない。それが人間というものなんだ。

他人とはそういうことなんだ。



だから、せめてその事を自分の頭の中に置き、自分で「理解できないということを理解」した上で他人と接する事が出来れば、



蔑んだり、

見下したり、

同級生をシカトしたり、

親友をあいつはダメだと見放したり、

上司や部下をダメだと言ったり、

好きだった女と別れたり、






被災者を拒んだり、






そんな事も少しは、ほんの少しは無くなると思う。
北海道の東端から数十キロ離れたところにある四つの島。



国後、択捉、歯舞、色丹。紛れもない日本固有の領土。俺達の島。いや、偉大な俺らの祖先達の島。



しかし今現在ロシアが実行支配している島。



日本人でも、俺らより若い世代は知らない人間もいるかもしれない。

故郷を奪われた人達が大勢いることを忘れてはいけない。



ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して日本に侵略してきた。

太平洋戦争で敗戦した日本に。






北海道には北方領土返還を願うことを伝える看板が各地に存在する。

おれはガキの頃からそれを見てた。過去にこの北海道という地で起きた事実を知っていた。

そしてロシアに対する憎悪が湧いていた。まだ小学生のガキがだ。

まだ幼いうちだから脳裏に刷り込まれたのかもしれない。



ロシアへの憎悪、元住民達への悲哀、政府への絶望。おれの脳内の一部に確かにある。



そして今でも変わらず、変わるはずもなく。



もうみんな年をとってしまった。語り継ぐ者がいなくなってしまう。

島で生まれ育ち、島を故郷にする人達がいる。先祖も眠ってるんだ。だけどもう戻れない故郷なんだ。



知床峠から国後を見ろ。

俺達の島は目と鼻の先にあるんだ。

だが願いは届かない。

あの島はロシアなんだ。それが現実なんだ。