キャリーバッグの使い方(32) 人類初の4輪キャリーバッグ 欠点と使い方
前回のキャリーバッグの使い方(31)では、2000年初期に発売された、水平に360度回転する車輪を全4輪に取り付けた4輪キャリーバッグは、人類初の4輪荷物運搬車ともいえるものであることを述べました。
(前回(31))
しかし、この4輪キャリーバッグには、デコボコ道では、直進しているつもりでも、右旋回してしまい易い、という欠点があることを指摘しました。
人類史上、荷物運搬車と引き手が並列して引く、という方式はありませんでした。
荷物運搬車として、2000年前までは、台車や4輪荷車や馬車が使われていました。
台車は後ろから台車の中央を両手で押すのがふつうでした(図3)。
台車の方式は、ベビーカー(図4)やシルバーカー(図5)も同様で、現代のベビーカーのほとんどは台車と同様に後ろから押す方式です。また、たいていのショッピングカートも同様に後から押します(図6)。
図3 台車 図4 ベビーカー
図5 シルバーカー 図6 ショッピングカート
それに対して、馬車は前に馬をおいて荷台を引かせて行きます。
2輪カートもカートの前で人が引いて歩きます。
図7 馬車(馬を前に位置させて引く) 図8 2輪型カート(人が前)
後から押す方式と前から引く方式を単純な図で表現すると、図9、図10のように書けます。
図9 後から押す方式 図10 前から引く方式
単純な図で表示すると、図9と図10で見るように、後と前が入れ替わっただけで、たいして問題が無いように見えます。
しかし、人や荷台をここにあてはめて考えてみると、さまざまな問題が浮かび上がってきます。
その一つは、人間は前のほうを常に見ることができますが、後の方をいつも見ていることはできないことです。
なので、後にある荷物は見続けることができません。これは不安でもあります。
もう一つは、後にある物を引き続ける腕の形が不自然な形になるので長時間引いていると、腕が捻れてきてしまいます。
さらに、下り坂を引いて歩いていると、カートは下り坂による勢いで、車輪の回転が速くなり、下手をすると勢い余って引いている人間のお尻にぶつかってくるかもしれません。
図11は、前から引く方式の数少ない荷物運搬車例ですが、これが下り坂で後から自分に当たってくることを考えるとちょっと怖いですね。
図11 前から荷物運搬車を引く方式の4輪運搬車
このように、荷台の前に人が位置して荷台を引く方式は、人間には自然な方式とはいえません。
だからといって、後から押す、という方式も人間には必ずしも満点な方式とは言えないと思います。
その理由は、後から押す方式は、腰が曲がるからです。
図3、図5をご覧ください。どちらも腰を少し曲げていますね。
「押す」という動作には腰を屈めて前方に押しやる力を投入する必要があります。
だから、自然に腰を曲げるのです。
さらに、足の位置という問題があります。
後から押すと前進しますが、そのとき前進したぶんだけ足を前に踏み出します。
このとき、足を踏み出す空間が十分とれていれば良いのですが、とれていない場合、前進した足はどこに置けばいいでしょうか。
間違って運搬車の後輪にぶつけたりすると、よろけたり、下手すると転ぶ恐れが出てきます。
それが恐ろしくて、自由な歩行ができなくなるという心配が出てきます。
というわけで、4輪キャリーバッグの後から押す方式の利用は制限されてきます。
以上から、荷物運搬車と引き手が並列して360度回転する車輪を引く、という方式の現代の4輪キャリーバッグが再び浮上してきます。
現代の4輪キャリーバッグは、全4輪に360度水平に回転する車輪を装備しております。
だから2輪型カートにもなりますし、左・右の利き手に対応した持ち方(体の右側に位置づけしても良いし、左側に位置づけして良い)も可能です。
そうした意味で、この4輪キャリーバッグは、考え方の一つの転換点だったといえます。
転換点ではありましたが、これで満足したわけではありません。
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キャリーバッグの使い方(31)
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