現在専業主婦である私が正社員として勤めていたのは、もうかなり以前の事です。
入社してすぐに先輩の女子社員から、掃除とお茶くみは女子社員の仕事であると教えられました。
お茶くみに対してはそれほど強い抵抗がなかったのですが、
女性だけが毎朝30分以上、就業時間前に掃除をするのはおかしいと思いました。
この時間に対しては給料が出ないのですから。
しかし職場全体の有無を言わさぬ雰囲気に押され、黙って従うしかありませんでした。
本当に辛かったのは、社員旅行で旅館に泊まった時です。
お酒の入った男性社員から、チークダンス(男女で踊る体を密接して揺れるダンス)を強要されました。
どうやったら断れるだろうと泣きそうになっている私を、先輩達は誰も助けてくれません。
助け舟を出したら、自分が踊らなくてはならなくなるからです。
お酌をするのも女子社員の役目でした。
私には、全てが苦痛でしかありません。
それ以来一人だけ社員旅行に行かなかったためでしょう。
私に対する周囲の雰囲気が、次第にとげとげしくなってきたのです。
入社して三年後、居づらくなった私は、会社を辞めてしまいました。
現在は反対に、些細な事でも何とかハラスメントと騒がれてしまうため、
善良な社員が大半である企業においては、男性社員の方が恐々としているようです。
少し可哀想な気もしますが、女性が虐げられていた時代を思うと、
同性である男性が過去にやってきた事のツケなのだから我慢してねと、
少し意地悪な気持ちになってしまうのでした。
本当の意味で男女が互いを尊重し合い、性差による強要や忍従、
そして驕りやつまらぬ誤解がすっかり無くなる…
そんな日が、早く訪れることを願っています。