Amebaのネタ投稿を使って考えてみた。
もし過去に戻れるならいつに戻りたいか。
もちろん戻らないという選択をする者もいるだろうが、過去に戻れるなら人は楽しかった時期に戻りたがるのだろうか。
それとも失敗時に戻り、間違いをやり直そうとするのだろうか。
SFの漫画や映画でよく登場するのがタイムスリップという物。これまで何人ものヒーローたちがタイムスリップをしては世界を救ってきた。
やはり人の印象として、あの頃は楽しかったという良い思い出より、あの時こうしていればよかったという後悔・失敗の方が印象に残るのだろうか。元に戻れるなら戻りたい？という質問なら、恋愛では別れが来る度にそう思うパターンが多いのではないか。しかし、元に戻れたとしてもその関係は続くのだろうか。
それぞれの新生活が始まる4月。学生時代の同窓会が開かれた。恩師の退職という事もあり、かなりの人数が会に集まった。同窓会は決して過去には戻れないが過去に浸り、過去に夢を持ち、過去に何か期待してやって来る者が多い、いわばタイムスリップごっこ的な場所でもある。みんなが過去を楽しむのだ。私のように過去を楽しめない者以外からすると楽しいひとときだろう。今でも仲の良い友人と会を楽しんでいると懐かしい顔ぶれが近づいてきた。久しぶりなんてよくある会話の後、全員が面影残る柔らかい笑顔を見せた。その中に特に笑顔が変わらない子がいた。彼は誰とでも明るく接するタイプだったので、会場の女子からも男子からも嫌な印象はない。みんなで話していくうちに彼は昨年シングルファーザーになったことを打ち明けてくれた。今の時代、父親が子どもを育てる事も多いようだ。でも彼に離婚しなきゃならない程の弱点があるようには思えなかった。絵に描いた好青年だし、仕事もしっかりこなしそうなイメージだ。離婚の原因はこちらが聞く前に彼が語ってくれた。彼より2歳下の奥さんは結婚するまでバリバリのキャリアウーマンだったそう。人生設計もしっかりしていて、結婚から出産、仕事復帰までしっかり計画していたそう。
でも出産まで計画通り行ってもその後、そう上手く行かないのが子育てだ。彼女の予定ではそのまま職場復帰だったが、現実問題一つの命があるのだから全てが計画通りいかなくなった。奥さんは仕事を捨て切れず、初めは彼に主夫になる事を提案したが、最後には離婚という選択をしたのだという。二人の決断だからと一切奥さんを責めることなく彼は仕事を変えて子どもと過ごせる時間を大切にしているそう。携帯の待ち受けは子どもの写真、嬉しそうに沢山の写真を友人に見せていた。どうやら彼は過去に何かを求めてこの場に来たのではなく、前に進んだ自分を見せ、周りはあれからどんな人生を歩んできたのか知りたくてこの場に来たようだった。こんな彼でも過去に戻りたいと思う時があるのだろうか。一瞬彼に聞いてみたい気持ちを持ったが嬉しそうに写真を見つめる彼の表情を見て私はすぐに聞くのをやめた。
今現在幸せそうに笑う者にとってこの質問ほど馬鹿げたものはないだろう。だって目の前の幸せをもう彼は絶対に失いたくないのだから。
『過去に戻れるなら』というもしもの話はもしものままだから楽しいのだ。彼がもしこの先、この質問を受けることがあったらその時はきっと
子どもが産まれた後の事を選ぶだろう。
私はいつにい戻る？
U too right...？