このタイトルは、名誉や個人的利を望まない精神と理解します。

 

これは、難しいことですね。

大勢の家族や、病に伏した家族が身近にいたら尚更です。

少しでも利益を得たい。なぜ必要かということがはっきり言える方もいるでしょうが、

漠然と、「お金がたくさんあれば楽に生きられる。。」という発想もあると思います。

 

私も、父の死から一人となった母が数年後には、認知症となり、日増しに悪化していく様を

同居して介護していた時、「これがいつまで続くのだろう。。」「こんなはずじゃなかった。」と

自問自答した日々がありました。

父が亡くなって間もなく、小さな会社の役員となり、しかしまた間もなく、母が認知症となり。。

よくある、成功を収めたあとの落とし穴。。を経験したわけです。

 

もう、この時は、「このままでは、私たち夫婦の老後の資金がなくなってしまう。。」

「神様仏様、どうか、母をしっかり幸せにさせ、また私たち夫婦も何とか老後を安心できる、

環境・・・そう、そのお金が手に入りますように。。」と日々、豊川ダキニ天様へ願掛けをしたものです。

しっかり、どれだけの「お金」が必要かと、きっちり数字も願掛けしてました(笑)

 

しかし、いっこうに、環境は改善されず。。認知症の特効薬はありませんから、母のレベルも

あっという間に要介護の数字が上がっていきます。

 

はたして、私は、本当は何を望んでいるのだろう。。

「母を・・・」と言いながら、結局は、自分の「最後」を一番心配しているのではないか?

そう客観的に捉えることができるまでは、少し時間がかかりました。

 

あとから知った、言葉ですが、私の菩提寺の天台宗では、「忘己利他」という言葉があります。

『己を忘れて他を利する』という意。

 

各々が生きている環境、役割は異なる。そしてそれを果たそうとしている。

母も認知症になったことで、実は一番苦しんでいるのは、母なんだ。

会社の実績がなかなか上がらないのは、社員の働きでなく、役員の私の計画、指示が、

どこか問題があるのだ。。等々、自分の「気持ち」の持ちようの変化で変えられることを

見つめるようになっていきました。

 

タイトルの『名利利得』を捨てる。。

それに少しでも近づく想いが芽生えてきた時、変化が現れてきました。

 

それでも「お金」がいきなり増えるわけではありません(笑)

でも、「お金」も大切ですが、もっと大切なことに気づかされたことがあります。

それはまた次回に述べたいと思います。