あの頃の小さなあたしが見上げる空は
本当に広かった。

好きな人を
この手で守れると思っていた、
本気で。

わがままをまだ可愛いと
勘違いしていたんだ、ずっと。

諦めることなんて思い浮かばなかった
ただ前を向いてた

でもできないことばかりで
早く自由になりたくて…




あれから随分、時がたって
世の中のこと少しわかって
一生懸命がかっこ悪くて
冷めたフリして歩いていたよ

でも中途半端なあたしは
何ひとつできなかった

いつからかあたしは
きらめく明日を
信じてたことさえ忘れて
自分を守るために
たくさんの大切なものを傷つけてた

はるか真上の空の向こうに
何があるか知りたくて
大人になったら必ず行くんだよって
約束したんだ



いくら手を伸ばしてたって
届くはずのない大きな大きな空

でもあたしは何にも疑うこともなく
キレイな未来を信じてた

悔しいことがあると
こらえきれなかった大きな涙

でもあの時のあたしの目は
何よりも輝いてたと思う。
負けない人になるより
負けてもそこから
立ち直ってやり直せる人になって、
たとえ何度振り出しに戻っても、
また始められる強さ、
それだけは手離さずにいようね、あたし。

なかなかプラス思考で
いいじゃないか。

辛いよね。

頑張ったよね。

これからは1人で
大きな会社と戦わなきゃね。

大丈夫、
もう無理しなくていいからね。

もう誰も待ってやしないから、
焦ることはないからね。

頑張ったね。

頑張ったね。

これからは1人で頑張ろうね。

そのうち違う誰かが
支えてくれるからね。

泣いちゃダメだよ。

泣き顔ブサイクだから
みっともないよ。

だいじょぶ、だいじょぶ。



失くしたものは
たくさんあって、
大きいけど、

そゆときは
うしろ振り向いちゃダメだかんね。
次に
あたしを好きになってくれる人が
もし現れてくれたら、

あたしは、
その人を、あたしより幸せにしてあげたい。

淋しいなんか言わせない。

会いたいって言われたら、
すぐに会える距離にいてあげる。

トイレットペーパーは、
決まって三角に折ってあげる。

グーやパーが飛んで来ても、
笑って許してあげる。

毎日床をコロコロしてあげる。



だけん、だけんね、

淋しいって言って。

会いたいって言って、
近くに来てって言って。

トイレットペーパーは、
ずっと三角のままにしといて。

グーやパーで殴っていいから。

毎日床をコロコロ一緒にしよう。



できればその相手は
ちょっと強引で、
嫉妬深くて、
あれしろ、これしろって口調の人。

でも更に欲を言えば、
首に指輪のネックレスと、
赤、青、白のファイテンは
つけてないほうが
ケンカにならなくていいかな。

更に更に欲を言えば、
あたしが一月に退職した後、
行く宛を無くしたあたしを
飼ってくれると嬉しいな。
退職する理由も無くなったし、
急に実家に帰るってなっても
母さんがビックリだから、
あたしを飼ってほしいな。






そうだね、
やっぱり恋は当分、おやすみしよう。


今日の失恋に、
ちゃんと向き合おう。

気が済むまで、
思い出に浸ろう。

でもそんなことは
すぐにやめてしまおう。

そして、
健三の新しい恋を応援できる、
心の大きな女になろう。



まずは今を耐えることから始めよう。