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​可愛らしい動物達✖️アングラ!
ギャップが織りなすミステリー作品



 
 去年話題になったオッドタクシーを、今更ながら視聴。
 幸運な事に、前情報なしで見る事が出来た為、それなりに楽しめていた……んですが、最終話を見て評価が一気に変わってしまった。。



 オッドタクシーは、二つの謎を軸に展開していきます。



    
① 練馬の女子高生失踪事件
② 主人公「小戸川」の異常性




 物語序盤、タクシー運転手をしている小戸川は、女子高生失踪に関わっているのではないかと噂されていました。
 無口で人付き合いが悪く、一人暮らしの自室で「いる筈のない何者か」と会話をしていたりと、あからさまに怪しく普通じゃない小戸川。疑われるのも無理ないよ。。

 
 そんな小戸川と、彼を取り巻くキャラクター達の群青劇の形式で話が進んでいきます。

 
 そして、何やかんやで女子高生失踪事件の真相に迫っていく訳ですが、ごめんなさい。
 正直、途中までは①についても深掘りしていこうかなーと考えてたんですけど、最後まで見てやめました。
 
 というのも、物語の軸だと思っていた失踪事件における謎解き要素は、最後まで大して盛り上がらず。。
 どちらかというと芸能界の闇や、アングラでの抗争や駆け引きがメインになっていたからです。
 可愛い動物のキャラクターとのギャップは、凄い面白いなと思います……が、ミステリとしては物足りない構成でした。

 とは言え、ハードボイルドも好きな私としては、悪くはないなと思っていたんです。

 そう……最終話を見るまでは!


 問題となる最終話は、②の真相が明かされる回なのですが、これが全く信じられない内容になってます。








 なんと可愛らしい動物だと思っていたキャクター達は小戸川が見る幻覚で、みんな人間だったのです。。
 

 ふざけんな!と叫びそうになった私は絶対に悪くない。
 
 
 何故なら、このオッドタクシーは群青劇。当然、小戸川以外の視点でも話は進行する中で、小戸川がいない場面でも、登場人物はしっかり動物として描かれる訳です。

 基本的に、この手のキャラクターの主観を利用した叙述的トリックは、主観者の視点で進めなくちゃなりません。だって、その人にしか見えてないんだから……。
 例えば、似たような作りの「がっこうぐらし!」は、主人公視点と、他視点での書き分けがしっかりされており、だからこそ騙された時も納得出来ました。

 けど、オッドタクシーにはそれが無い。
 
 何より、彼等が人間である事への伏線が殆どいっていいほど無い!
 
 他とは違う見え方がしている……みたいな描写はあったけど、細かい所で人間社会である事へのヒントは感じられなかった。
 というか、群青劇の時点で、無意識にその可能性は排除してました笑

 
 
 割とこの最終話に肯定的な意見が多いみたいなので、あまり批判はしたくないけど、はっきり言って掟破りの脈絡ないどんでん返しだったかなー。


 個人的な感想としては、最後に取ってつけたように明かされた真実には、正直裏切られた気分でした。

 うーん。多分少数派の意見なんだろうな。まぁ、でも嘘はつけないので笑

 

 という訳で、オッドタクシー感想でした