漢方って苦そう。不味そう。そんなイメージがありますよね。実際、効くのか?それ以前に、どういうときに漢方を飲むの?

タイトル: 漢方小説  集英社
 著者: 中島 たい子
 キーワード:漢方、ストレス、東洋医学、中医学、30代、自分探し、すばる文学賞、元気になりたい♪

●漢方の先入観がふっとんでしまう!明るい漢方指南。

 失恋して、具合が悪くなりました-こんな設定からはじまる物語。一見、コミカルな恋愛小説かと

思ったら違いました。


 主人公・みのりは31歳女性で独身。いいな、と思っていたひとから「婚約しました」と報告をうけて動揺。救急車で運ばれたり、ドクターショッピングをしても原因不明で困っています。精神科にいけって?と自問自答してみたりするのですが。そこで、漢方の出番となるわけです。


漢方医や飲み仲間達との会話、飲む薬を調べる場面。そのなかに漢方薬に対する、「イメージ」と「実際」が書き込まれています。作中、みのり の飲み仲間達は「気がどうのって、こじつけ医療だ」と懐疑的。読みながら そうだよね、と頷いてしまうくだりもありました。


”体調が悪い、といっても病院にいくほどじゃない。でも治らない。どうしようもないよね”というときに漢方はいいらしい、ということが分かりました。コミカルな調子で話が進むので、とかく深刻になりがちなテーマなのにさらりと読めます。明るく、楽しく、わかりやすいので、漢方って何?という人に入門書としてオススメできます。


西洋医学では、”なんとなく”が通じないですよね。中国4000年の歴史、おそるべし。