今から18年前の2000年に映画化された中国の映画のタイトルです。
この映画は以前鑑賞した事がありましたが、先日、再度、
観て見ました。
この映画の映画監督は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督です。
私はこの監督の映画は基本的に好きで、北京オリンピックの演出も
手がけた世界的に有名な中国人です。
噂では沢山の愛人がいて、その子供も沢山いて、主演女優とは
いつも恋人関係になっているのは、中国人では知らない人はいない
ぐらいの人です。
中国映画には多くの日本人も出演しており、高倉健氏とこの監督は
とても仲が良く、『単騎、千里を走る』と言う映画にも、出演しています。
映画の内容は全てを語るのは無粋ですので、詳細にはお伝えしませんが、少し紹介させていただきます。
1960年後半の農村に一人の若き学校の男性の先生がやってきます。
その若き先生に魅かれた農村の女性との恋愛の話です。
今回深々と感じたのは、この監督が訴えようとしたことは、
何なのであろうと。
①現在の場面が白黒フィルムとなっており、二人の恋愛の時代の
回想の場面がカラーフィルムになっている。
これは、人生で純粋に人を愛する事が、何よりも鮮やかな時間を
示しているのでは無いだろうか。人生の美しく輝きのある時の流れ
は、心までも色づく発露を表現しているのでは無いだろうか。
若い時代だから色彩のある時代ではなく、本当に相思相愛の
万感の思いが通う時、人生の醍醐味である事を示しているのでは
無いのであろうか。
自然以外は何も無い世界で、18歳の女性が20歳の男性に愛する
行動を見ていて、この男性は果報者だなぁと心から思いました。
②愛する事は、言葉よりも行動に出す事、行動にでる様になる
気持ちを表現するには、目に見える行動も大切ですが、
その相手が大切にしている事に対する共感と想像力を持ち、
持っているだけではなく、きちんと行動する様になる事。
40年間の習慣を持ち続けた女性の愛情の深さは深淵です。
その気持ちが行動に出ない内は、本当の愛情があるのか、
ちょっと疑問視されます。相手にその行動が届く、届かないは
別の話です。もちろん、極端なお金をかけた行動は奇怪です。
③世界共通の親が子を大切にする心の描写
女性が男性に食事を振る舞う時に使用していた青花の茶碗を、ある時、割ってまうシーンがあります。
女性の母親が、自分の娘の心までも壊れた事を不憫に感じたのでしょう。買い直した方が安い茶碗を修理までして、娘の大切にしてきた
気持ちを大事にしている事は、深い愛情を感じました。
男性の母親が終始、子供の心配をしており、言葉にもしている事を
見てとれます。
④無償の愛情は、心ある人間に注がれた場合、一生涯、忘れ得ぬ
風化しない感情
真の友情はお金では買えない。もちろん、真の愛情もお金では買えない。人生、最後の葬儀に、その人の人生が現れると言いますが、
こればかりはどんな言い訳もできないでしょう。
⑤子が親を思う気持ちも世界共通
最後のラストシーンが、しみじみと胸に迫って、ゆっくり伝わってくる
場面です。このシーンは沢山、書きたい所ですが、まだ観ていない
人にちょっと気づかいしています。