最早説明不要の話題作、『おくりびと』を観ました。

気になりつつも上映期間を逃し…。

アカデミー賞受賞後、行き着けのシネコンでリバイバル上映が始まったので

今度こそ観ようと思って出かけたら。なんと、前日予約で全て席が埋まっていた!
…結局、DVD鑑賞です(泣)。


虚構と日常。

良い映画でした(>_<)!
無駄なシーン、無駄なセリフが、一つも無い。キャスティングも自然だし、
ストーリーはとてもわかりやすいのに、強いメッセージがあって。
…成程、名作です。


「納棺の儀」の場面は、評判に違わず、素晴らしかった。
美しいとさえ思える納棺師の所作。それを見つめる家族の目線。
思いの込め方一つ、表し方一つで、「死」はこうも温かい「旅立ち」となるのか、と。


インパクトがあったのは、CMや予告映像でも流れていた、
主人公の奥さん役の広末涼子の「汚らわしい」という台詞。
「納棺の儀」や主人公の葛藤を観た後に放たれる台詞なだけに、大いに憤慨。

ただ…自分が主人公の奥さんだったら、その「怒り」は理解できる。
だって、職業を秘密にされていたら、腹がたちますよ、そりゃ。
それが特殊な職業なら、尚更…。


「夫が納棺師という職を選んだら、それを受け入れて、応援できるか?」
…そこまで考えると、すごく複雑な心境に。
「家族を養うために、仕方が無いだろう」なんて言われたら、絶対に反発するだろうな。
でも、真摯に打ち込む姿を見てしまったら、応援せざるを得ないでしょう。
だって、やりがいを感じられる職に就ける人なんて、ほんの一握りだと思うし。


この作品を観て、「おくりびと」(葬儀屋さん、納棺師の方々)のお仕事を

垣間見ることが出来て、本当に良かった。「イメージアップ!」なんて軽くは言えないし、

現実とは違うこともあるだろうけど、全然知らないよりはずっと良い。
知らないくせに、マイナスイメージを持っているなんて、最低だ。


主人公夫婦の関係修復は、ちょっと「上手く行きすぎ」な気もするけど…
それもひっくるめて、良い!とっても温かい気持ちにさせてくれた。

ええと、最後に一つ…。山崎努さん、すごく、すごく、格好良かったですキラキラ


おくりびと [DVD]

評価:☆☆☆☆☆
大悟(本木雅弘)は、チェロ奏者だったが、所属楽団が突然の解散。
夢を諦めて、妻(広末涼子)と一緒に故郷の山形に帰ってきた。
職探しをしていた大悟は、好条件の求人広告を見つける…。
面接に向かうと、即採用。ところが、不明だった業務内容は、「納棺」。
「遺体を棺におさめる」というものだった。