毎年5月12日の「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」(ME/CFS)世界啓発デーに、「化学物質過敏症」についても同様に啓発活動が行われるようになっています。 

 

 

香りを愛する人へ。

私たちは、香りが心や身体に働きかけることを知っています。
だからこそ、精油を選び、ブレンドを考え、空間を整えようとする。

ほんの1滴で眠りが変わる。
呼吸が変わる。
気持ちが変わる。

それを知っている私たちだからこそ、忘れたくないことがあります。

“自分に心地よい香り”が、
誰かにとっては、呼吸困難や頭痛、強い疲労感、外出困難につながることがあるということ。

精油も、香水も、柔軟剤も、
すべて「嗅覚を通して脳神経に届く化学物質」です。

嗅覚は、五感の中でも特に直接的に脳へ届く感覚です。
香りの情報は、感情や記憶、自律神経に関わる領域へ素早く伝わります。

だからこそ、香りは癒しにもなれば、負担にもなり得る。

近年では、化学物質過敏症についても、単なる「好き嫌い」ではなく、嗅覚刺激や神経系との関連を含めて研究が進められています。

化学物質過敏症は、「匂いが苦手」という単純な話ではありません。

実際には、何に反応したのか分からないまま、
突然、強い疲労感や痛みで動けなくなったり、思考力が落ちたり、日常生活が難しくなる人もいます。

香りを強く感じる場合もあれば、
逆に、匂いとして認識できていない曝露によって体調が崩れることもあります。

まだ未解明な部分は多くあります。
けれど実際に、香りや化学物質への曝露によって、生活や仕事、外出が困難になる人たちがいます。

だから、良い悪いではなく、
“作用するものとして扱う”視点が必要なのだと思います。

「自分は平気だから」ではなく、
“その空気を、周囲も吸っている”ことを、一度だけ思い出してみてください。

香りを愛するなら。
香りで苦しむ人の存在も、同じ世界の中で見つめたい。

5/12 化学物質過敏症啓発デー。
「香りとの共生」を、もう一度考えてみませんか。