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学校伝染病とは?

 学校は、感染症が流行しやすい、幼児・児童・生徒・学生の集団生活の場です。そこで、旧・伝染病予防法のもと、学校での健康管理について「学校保健法」が、1958年に制定されました。この学校保健法によって定められた「学校において予防すべき伝染病」が、学校伝染病です。 1999年4月からの新感染症予防法の施行に合わせて、学校保健法施行規則が一部改正されました。このため1999年4月から学校伝染病の対象疾患が変わっています 。

ヒトの伝染病


伝染病と社会
社会に感染者がいると、伝染によって次々と感染者が増える可能性があることから対策には社会的な対応が必要となり、公衆衛生学などにより予防対策なされている。 しかし、伝染予防を目的として行われる隔離は患者の人権を制限するものであるだけでなく、患者への差別が生じて人権が回復しがたい侵害を受けてしまう場合もある。

社会基盤に打撃を与えるほどの被害を及ぼした伝染病は疫病(えきびょう)と呼ばれる。 歴史上はペスト、スペイン風邪などの重大な伝染病が流行して非常に多くの死者を出したことが有名である。 また、天然痘は撲滅されるまでのあいだ長期にわたって全世界で死者を出し続けてきた。 現代でもSARSの流行によるパニックは記憶に新しい。 スマトラ沖地震の津波災害では熱帯気候による死体の腐乱により疫病の流行が懸念された。


歴史的に著名な伝染病
■古代ギリシアのペロポネソス戦争初期にアテナイを襲った疫病は指導者・ペリクレスを初めとする多くの市民を死亡に至らせて、劣勢(やがて敗戦)に追い込まれる一因となった。
■日本では737年と995年に大規模な伝染病が都を直撃して(前者は天然痘、後者ははしかと推定)、政府高官が多数死亡して政治が麻痺状態に陥った。
■14世紀のヨーロッパで流行したペスト。当時のヨーロッパ人口の3分の1が死亡した。
■スペイン風邪は1918年から翌19年にかけ、全世界的に猛威を振るったインフルエンザの一種である。感染者6億人、死者4000~5000万人。

伝染の形式

この項目では伝染病が広がる原因の中で主な伝染形式の一部を紹介している。

個体同士の接触
接触感染と呼ばれる。皮膚同士のふれあい、または手すりや聴診器など物体の表面を通じての間接的なふれあいで病原体が皮膚に付着し、感染が成立するもの。疥癬をはじめ、性感染症の多くも含まれる。医療現場ではMRSAなどの薬剤耐性菌の伝染の主要な経路である。

糞から出た微生物を口から摂取
糞口感染と呼ばれる。感染動物由来の肉や、糞便で汚染された水などの経口摂取により感染が成立する。前者の例としてBSE、後者の例として病原性大腸菌O157やサルモネラが挙げられる。

微生物が付着した飛沫(ほこり)を吸う
飛沫感染と一般的に呼ばれる。粒子が5マイクロメートル以上と大きく重い微粒子で、3feet未満までしか到達しないものをいう。咳やくしゃみで放出された体液の飛沫が病原体を含んでいて、これが他人の粘膜に付着することで感染が成立する。風疹ウイルスを始め、上気道炎症状を伴うウイルス感染症の多くがこの形式をとり、SARSの原因となったコロナウイルスについてもこの経路が主体だと考えられている。

空気中に浮遊した微生物を吸う
空気感染と呼ばれる。または医学的に飛沫核感染とも呼ばれる。空気中に飛散した病原体が、空気中で飛沫の水分が蒸発して5マイクロメートル以下の軽い微粒子(飛沫核)となっても病原性を保ったまま、単体で3feet以上浮遊する。麻疹・水痘・結核は主にこの形式で伝染し、コロナウィルスでも可能性は示唆されている。

動物を媒介する
他の動物(特に節足動物)が媒介者(ベクター)となって、伝播することで感染が成立するもの。その病原体の生活環の一環として、ベクターの体内で発育、増殖し、そこから感染する場合と、単にベクターの体表面に付着した病原体が機械的に伝播される場合(機械的ベクター感染)とがある。前者の事例としては、カによる日本脳炎やマラリアなどの媒介、シラミによる発疹チフスの媒介などが挙げられる。後者の例としては、ハエによる病原大腸菌O157や赤痢菌の媒介、鳥インフルエンザの鶏舎間媒介が挙げられる。