あのサッカーの試合の日から ユチョン王子と連絡が取れなくなった。
付き合い出して、こんなのは初めてだった。
電話もつながらない。
メールの返事もない。
忙しいのだと思うことにした。
けれど、1週間も経つとだんだん不安になってきて、二人の部屋にも行ってみた。
ユチョン王子はいない。
いつも二人で過ごしていた部屋。
笑い声や楽しい空気で満たされた部屋が、シーンとして冷たい時を刻んでいた。
いつもより広く感じた部屋が、余計に寂しく不安を煽った。
僕・・・何か 悪いことでもしたのかな・・・・・
いや、家からの急な呼び出しってメールにあったから、きっと忙しいだけだ。
そう自分に言い聞かせながら、それとも・・・もう僕の事、好きじゃなくなった?
と、不安な気持ちも膨れ上がった。
悪い方向へ考え出すと、どんどん深みにはまっていく。
僕は、それを払拭するように ミュージカルの楽譜に目を走らせた。
「王子様、声に表情がでてきましたね。表現が上手になられました。」
「あ、そうですか?」
「はい。以前は役のために歌に感情を込めて歌ってる、、という感じでしたが、
最近の王子様は、自然と役に入り込んで歌ってるように見えます。」
「ありがとうございます。」
「王子様、好きな人でも出来ましたか?」
「え?////// 」
「いえ、なんとなくそう感じただけです ^^」
演技指導をしれくれる先生に言われた。
自分がどう変わったかなんて、わからない。
けれど、アップテンポな曲でなくてよかった。
今は・・・気づいたら悲しい曲を口ずさんでる。
楽しい幸せな歌は上手に歌えそうになかった。
こんなんじゃ、ダメだよな・・・

会いたい。
ユチョン王子に・・・会いたい。
声が聞きたい。
優しく低い声で名前を呼んで欲しい。
僕は ユチョン王子からのメールを何度も読み返す。
ユチョン王子・・・・
どうしてる?
どうしたの?
もう2、3日連絡が取れなかったら、訪ねてみようと心に決めて、
一日、一日と過ごした。
そして 10日が過ぎ、明日 家を訪ねようと思ってる所にメールが届いた。
『部屋で待ってる』
僕は、すべての事を投げ出して、部屋へ駆けつけた。
ユチョン王子と会える喜びで、僕の胸はいっぱいだった。
「ユチョン王子!」
僕は走って、ぶつかるくらいの勢いでドアを開けた。
そこには 優しい顔で僕を見るユチョン王子。
僕がユチョン王子に駆け寄ると、両手を広げて抱きとめてくれた。
ギュッとユチョン王子を抱きしめる。
あぁ・・・やっと会えた。
本物のユチョン王子だ・・・
たった10日なのに連絡が取れなかったことが怖かった。不安だった。
でも ユチョン王子の温もりを感じたら、ホッとして涙が込み上げてきた。
ユチョン王子に抱きついたまま、肩口に顔を埋めた。
「ゆちょ、、王子・・・・なんで・・・なに・・してたんだよ・・・」
「ごめん。ちょっと、、イロイロあって・・・ジュンス王子ごめんね。」
「心配・・しただろ・・・」
「うん・・・・ごめん。ね、顔 見せて?」
「んんん・・・」
泣き顔を見られたくなくて、抱きついたまま首を振った。
ユチョン王子は、優しく背中を撫で、僕の頭にキスをした。
「ジュンス王子、ね、顔を見せてよ。」
優しいユチョン王子の声に、顔をあげると、僕の目元にもキスをくれる。
ユチョン王子・・・
どうして、ユチョン王子も目が赤いの?
口を開こうとしたら、ユチョン王子の唇が重なって、僕の言葉はのどの奥へ消えた。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ちょっと、いい感じの写真をチョイスできなかったので、
ファンアートをお借りしてますww
てか・・・
暑いっすね!