森の童話 その森には、大きくて立派な木がありました。 大きな木は森の奥深くにあったので、人は誰もその存在に気付いていませんでした。 或る日、道に迷った人がそこまで分け入って来ました。 彼はきょとんとして、その木に触れると、固い木肌を優しく撫でました。 大きな木は揺らいで、葉がざわざわと音を立て、彼の上に降り注ぎました。 彼はもうその木から離れられなくなり、いつまでも木の魅力に捕われ続けたのでした。 この話は読む人が読めば分かる大人の童話です。