「君のことを考えてた」
朝から晩まで、他の事を考えられない。
僕達はいつも一緒に居た。
だから、いつでも言えると思っていた。
「何?」
無邪気に問い掛ける君に伝えれば良かった。
「可愛いなと思って」
「もう、子供扱いするなよ」
君を子供だと思ったことなどないよ。
本当に伝えたい言葉は、いつも胸の中に閉まっていた。
「好きだ」
照れくさくて伝えられなかった気持ち。
隠しているつもりでも態度に表れていたというのに、言葉に出来なかった。
でも、もう限界なんだ。
セオリーなんて意味がない。
「なあに、まだ何かあるの?」
ごくんと唾を飲む。
君のその瞳に映るのは、僕であって欲しい。
だから伝えるよ。
こんなセリフを。
「君を愛してるよ」
かっこ悪いくらい直球な言葉に、でも君は、
「うん」
恥かしそうに笑った。







